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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2017.12.02

100人100色ーその人らしい「暮らし方」を提案したい。LIVING MOTIF店舗運営責任者ー堀内慶子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京六本木のインテリアショップLIVING MOTIFの店舗運営責任者、堀内慶子さん(44)です。最初は総合電機メーカーに勤務していたという堀内さん。仕事でライティングプランナーを経験したことをきっかけに、インテリア全般に関わりたいと転職を決意します。現在はLIVING MOTIFの店舗運営責任者として、世界中から選ばれた数々のアイテムを扱い、インテリアの提案を行う堀内さんに、仕事観や「暮らし方」への想いを伺いました。

——お住まいはどちらですか?

東京です。18歳まで日本橋で生まれ育ちました。隅田川がそばにある校舎だったので、窓から行き交う船や橋を眺めるのが好きでした。現在の家からは富士山を望める時があり、結果的に自然に触れられる場所があるトコロが落ち着くようです。

——これまでのキャリアを教えてください。

最初に入社した会社が総合電機メーカーでした。躯体と窓ガラス以外全て作っているので、家一軒丸ごと自社で建てられてしまうという会社です。所属は「商品管理部」の受発注管理業務で、どこの家庭にもあるスイッチやコンセント、照明器具、ブレーカーといった電設資材を扱う部署でした。

その後、社内転属となり大手住宅メーカーを主取引先とするハウスメーカー専属部隊へライティングプランナーとして異動。このことがインテリアへ興味を持つきっかけとなりました。

ライティングプランナーとしてハウスメーカーのインテリアコーディネーターや設計の方々と一緒にお仕事をすることになり「インテリアとその人らしい暮らし方」がとても密接なつながりがあることを知りました。家具や壁紙、照明は「ハード=装飾・モノ」でも、そこで暮らす人の「ソフト=内面・個性」に大きな影響を与えていて、だからこそインテリアにはその人らしさが生まれてくるのだなと考えるようになりました。

ライティングだけでなくインテリア全般に携わりたいという想いから、インテリアショップ「LIVING MOTIF」へ転職しました。LIVING MOTIFにはリビング家具や食器はもちろんバスアイテム、インテリアデコールアイテム、ベッドリネンやステーショナリー、バッグなどのファッションアイテム、洋書にオフィス家具などさまざまなアイテムを取り扱っています。

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▶店頭でのお仕事風景。1Fは生活雑貨全般です。

たとえば、道具としての実用品においても「長く使う」ことを念頭に選ばれたアイテムが多く、それが機能だったりデザインだったり、お気に入りのアイテムとしてその人の暮らしに寄り添う一品であって欲しいとの願いからセレクトされていたりします。インテリアには、そんな暮らしに彩りを与えてくれるチカラがあって、だからこそたくさんのお客さまから聞くこだわりのインテリアのお話は楽しいのだと思います。

その後、より幅広いインテリアニーズを扱う百貨店へアシスタントバイヤーとして転職をしました。ちょうどリビングフロアの全面リモデルを控えていた大きな節目に入社し、集客・内容ともに大規模な構想のプロジェクトに携わりました。徹底した顧客分析、ワクワクと高揚させるさまざまな売り場演出、世界初・日本初・オジリナルを全面に打ち出し「ここでしか得られない」体験や商品の数々。そこにはお客さまを惹きつける魅力がたくさん散りばめられていました。

そんな百貨店での仕事経験を買われ、再び「LIVING MOTIF」で店舗運営責任者として戻ることになりました。数年ぶりに戻ったお店は2015年にリモデルをしていて、新しい空気に包まれていました。これまでの懐かしさは店舗でのお客さまとの再会で蘇り、変わらずご愛顧くださるお客さまに大変感謝しています。

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▶店頭でのお仕事風景。地下1階はリビング家具をメインにしたフロア。
 

——これまでにぶつかった壁はありますか?

入社したての頃、特に感じたのは接客提案の難しさでした。商品をピンポイントでお探しのお客さまにはその商品をご紹介しますが、漠然とお客さま自身が「こうなりたい、こう過ごしたい」というイメージで来店された時、フィットする提案ができないことが続いた時です。商品説明はできるのに、お客さまに対して何かが足りない。せっかくご来店いただいたお客さまに、気持ち良くお帰りいただくことができなかった時、自分の提案不足を痛感しました。

その経験からショップで扱う洋書を読んだり他のインテリアショップを巡ったり、さまざまな「暮らし方」に自分自身で触れるよう旅先では積極的に現地の暮らしを体験するようにしました。例えば台湾に行った時はお茶の作法を学んでみたり、スイスに行った時はTHERMEに泊まり海外での温泉の楽しみ方を体験してみたり。自分がさまざまな体験をすることでたくさんの引き出しを持つことができ、お客さまが考えるなりたいイメージや姿を具体的に共有しやすくなりました。またそのような国内外で私が見聞きし体験したエピソードをお話しすることが、お客さまとの距離を縮めとてもよい関係作りに繋げることもできました。

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▶旅行先のロンドンにて。
 

——これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

「LIVING MOTIF」の採用面接の時に、一人の女性が面接官におられました。白髪で黒のシャツを着ていて年齢で言えば50代。それが私とその方との最初の出会いでした。その女性は、LIVING MOTIFの中でもひと際「個性」があり凛とした佇まいがありました。面接時、瞬時に「この人と仕事がしたい」そう直感しました。

その方は店舗で商品ディスプレイをしたりお花を飾ったりもちろんお客さまを接客したり、でもその佇まいがお店の「雰囲気」を作り出していました。残念ながら私はその方とは一緒のフロアで働くことはできなかったのですが、今でもその方からの言葉を大切にしています。「ひとで買われる人になりなさい」私がお店に立ち続ける限り、この言葉を胸に「自分らしさ」を磨きお客さまと向き合いたいと思っています。

——あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

さまざまな問題にぶつかった時、その壁を乗り越えた先に自分の成長があると感じたり、思ってもいなかったような驚きに出会って嬉しい気持ちになったりと、仕事を通じてさまざまな経験をします。自分自身と向き合う事が多いのも仕事からなので、「自分を豊かにしてくれる」場です。

——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

いろいろな人との関わり合いから得られる事が多いので、そんな吸収した出来事をそっと自分自身に蓄え、ふわっと放つ「レモン色」くらいでしょうか。どんな場においても明るさやポジティブさを持ってお客さまと接することが、LIVING MOTIFの持つイメージと重なるといいなと思います。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

インテリアを通じて多くの人に「丁寧な暮らし方提案」をしていきたいです。いろいろなモノ・コト・情報が簡単に手に入る時代なので、ネットを通じて「知っている」気持ちになりがちな昨今ですが、「実際やってみたらこんなにイメージと違った」という経験を毎日の生活の場である「暮らし方」から紹介できたらいいなと思っています。

自分でコーヒーを淹れてみる、とかお風呂上がりお気に入りのバスタオルに包まれてみる、とか毎日使うペンの1本にこだわるなど。そこからインテリアに触れて豊かな気持ちを感じてもらえるよう、日々お客さまと会話するようにしています。そしてさまざまな暮らし方を提案できるライフスタイルプランナーのような存在になりたいです。まだまだ体験すべきこと学ぶことが山ほどありますが。

——これからチャレンジしたいことは?

いろいろな場所へ出向いた時に、自分でイラストを描いた旅のアルバムを作れるようになりたいです。以前ポルトガルへ行った際に、毎朝ホテルの部屋の窓から眺める景色をスケッチしたことがあり、私にとって写真以上に記憶に残った経験からです。

——あなたなりの息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

仕事は私にとってアウトプットの場なので、プライベートではインプットできる時や場を持ちます。それは旅先で新しい発見をしたり、東京とは違う空気を吸うことだったり、日頃聞かない音に癒されたり、自然と五感が敏感になります。国内、海外問わずそれこそ「行ったつもり」になっている国や場所が多いので、実際に訪れ現地の空気や音に触れて実体験を増やしていきたいです。

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▶旅行先でぶどう狩り。
 

——日課、習慣にしていることはありますか?

朝食には必ずお味噌汁をとります。以前、祖父が漆器を扱う商売をしていたので、朝はきちんと漆のお椀でいただき、1日のスタートを切ります。

——あなたの生活の中でのこだわりや、お気に入りを教えてください。

祖父が使っていた魔法瓶とダブルウォールのグラス。魔法瓶はお気に入りのお茶を入れて家のいろんな場所(テラス、寝室、リビングなど)で使っています。また、ダブルウォールのグラスは二重構造なので冷たいドリンクは水滴が付かず氷の持ちが全然違います、また温かいドリンクはその温かさをキープしてくれます。

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

時間を忘れていい時です。ゆっくりととる晩ごはんだったり、いつまでも話していられるカフェタイムだったり。日常の行為ばかりですが、そういう事を楽しめる時間があるときに幸せを感じます。

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

感謝の気持ちを持つことです。ここまでの私は、私一人で成り立っているわけでなく、たくさんの人との出会いによって今ここにいます。今の自分の「好き」や「楽しい」や「自分らしさ」も、人との関わり合いからできたことが多かったかなと思うので、自分が幸せでいられることを周りに感謝しつつ日々過ごしていきたいです。

ーーーーーーーーーーーーーーー
旅先でも積極的に現地の暮らしを体験するなど、実体験を通してさまざまな「暮らし方」に触れるように努力してきたという堀内さん。「ネットを通じて“知っている”気持ちになりがちな昨今ですが、実際やってみたらこんなにイメージと違ったという経験を毎日の生活の場である<暮らし方>から紹介できたらいいなと思っています」という言葉が印象に残りました。何げない日常の小さな経験や発見の積み重ねが、暮らしを豊かにしてくれるのですね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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