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取材 2017.12.16

100人100色―オーガニック料理との出会いが、人生での蓄積を形にする。料理教室主宰ーはりまや佳子さんのお話し

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それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。
年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回ご紹介するのは、東京都大田区在住のオーガニック料理教室主宰・はりまや佳子さん(53)です。経営コンサルタントや編集者など多彩な職業を経験した後に出会ったオーガニック料理。そのきっかけとなったのは、ご主人の病気でした。「自分の人生に起こることはすべて必要必然」と語るはりまやさんに、波瀾万丈な半生とキャリアの変遷、天職となったオーガニック料理への情熱を伺いました。

——お住まいはどちらですか?

東京都大田区です。最寄り駅は京浜急行の京急蒲田駅で、JRや東急の蒲田駅からも徒歩圏内です。2000年9月に両親と同居するために、土地を購入し一軒家を建てました。1階は私と柴犬16歳♀のモカの住居、2階は81歳の両親の住居、3階ではオーガニック料理教室G-veggieを開講しています。

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▶オーガニック料理教室G-veggie蒲田校のレッスン風景。
 

——これまでのキャリアについて教えてください。

私は天職であるマクロビオティックの理論をベースにした「オーガニック料理教室G-veggie」の仕事に出会うまで、様々な職業につきました。

短大卒業後、建設会社の受付として4年間勤務し、社内恋愛の末に、めでたく寿退社するも、1年余りで離婚することになったので、英会話学校に受付として再就職。のちに店長に抜擢されましたが、事業を拡大しすぎたことによる業績不振でスクールが閉鎖となり、26歳で失業。

その後は経営コンサルタントを目指し、船井総合研究所にスタッフとして入社し、9ヵ月後には憧れの経営コンサルタントに昇格しましたが、二度目の結婚のために退職。うどん屋とダイニングバーの経営を経験しましたが、再びの離婚のため求職活動をし、30歳の時に出版社に入社。書店営業ののちに、36歳の時に編集者に抜擢され、42歳で退職するまでビジネス書籍の編集者として働いていました。

実は天職に出会うまでは、自分のキャリアの一貫性のなさに負い目を感じていましたが、自宅料理教室をはじめようと閃いた時に、すべての仕事が天職で独立開業するために必要なスキルの蓄積のためにあったのだと納得できたことから、自分の人生に起こることはすべて必要必然なのだと実感しています。

——マクロビオティックに出会ったきっかけは?

お料理教室をはじめるきっかけとなったのは家族の病。32歳の時に結婚した3度目の主人は白人のアメリカ人でミュージシャンの仕事をしていました。明るくて陽気な人でしたが、お酒が大好きなせいか健康診断をしたところ、肝臓に異常があるといわれて精密検査をした結果、「肝硬変」という重篤な病気だと診断されたのが結婚8年目のこと。健康が取り柄だと思っていた主人が、不治の病に侵されていたとわかり、眼の前が真っ暗になりました。

権威のある大病院でさっそく治療をはじめたのですが、まったく治療が身体に合わず副作用ばかりでてしまったので、3ヵ月で治療を断念。なにか他に治療法がないかと探していた時に、友人のすすめでマクロビオティックを知りました。

アメリカ人の主人の治療のためには、日本で学ぶより米国で学んだ方がよいと思ったので、42歳の時に長年勤めていた出版社を辞めて単身米国に留学し、世界で認められているインストラクターの資格を取得してきました。

帰国後すぐに大田区蒲田の自宅で自宅料理教室をスタートしましたが、生徒募集期間が1ヵ月にも関わらず、1年間のコースに108名もの生徒さんが日本各地から集まったおかげで、これまで11年間も天職であるお料理教室を運営しています。

家族が病気になったという不幸な出来事が自分の天職を引き寄せたということを考えると、どんな辛く悲しいことが起こっても、果敢に人生にチャレンジすればおのずと道は開けるものだと思う毎日です。

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▶オーガニック料理教室G-veggieのお料理は、オーガニック野菜でとってもヘルシー
 

——これまでにぶつかった壁はありますか?

開講以来順調に生徒さんが集まってくださったので、もっとたくさんの方にG-veggieの料理を召し上がってほしいという願いを込めて、2012年10月に銀座に「キレイ料理レストランG&V」をオープンしましたが、「飲食店」と「料理教室」という、似て非なる事業を同じ場所で同時に運営していくことはとても難しかったです。

その結果、料理教室には生徒さんが集まるけれど、ノウハウのない飲食店経営で大きな赤字を出してしまい経営状態が悪化。何度も資金ショートを起こしそうになりましたが、その都度新しい講座を立ち上げて生徒さんに集まってもらったおかげで、なんとか事業を維持することができました。

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▶銀座三丁目にオープンした「キレイ料理レストランG&V」の店内

「不得意な事を続けていていいものだろうか?」という気持ちを抱えていたときに、1日で資格を取得できる「オーガニック料理ソムリエ認定講座」の企画が持ち上がり、この認定資格講座を定期的に開催するには、レストランとスクールのW業態からスクール事業へ転換する決意し、2015年3月末でレストランをクローズし、4月29日から「オーガニック料理ソムリエ認定講座」を立ち上げました。

今考えると、好きなことを仕事にしたいと思って独立開業したのにもかかわらず、得意でない飲食店経営をはじめたことが大きな壁にぶつかった原因だったと思うのですが、飲食店経営を目指さなければ、日本一の繁華街、銀座でスクールを開校することはなかったと思うと、人生というのはづくづく面白いものだと思います。

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▶認定者1500人を突破した【オーガニック料理ソムリエ】
 

——あなたにとって「働くこと」とはどういうことですか?

天命です。私たち日本人がこれまで培ってきた日本の食や暮らしの智慧やオーガニックと楽しく暮らす秘訣を生徒さんにお教えすることで、実践された方がみんな健康で元気になるお手伝いができる。この素晴らしい天職に巡り合えたことに心から感謝しながら、毎日ニコニコ笑顔で働いています。

——働いている時のあなたを「色」にたとえると?

白。生徒さんの中には色々な悩みを持っている方がいます。そんな気持ちを和らげ、癒すことができるよう、常に純粋な気持ちで生徒さんと向き合いたいと思っています。

——今後、あなたが「こうありたい」と思う姿について教えてください。

生涯現役。自分の命が尽きるその日まで、この仕事をつづけることです。
そのために毎日早寝早起きを心掛け、オーガニック食材をふんだんに使ったお料理を腹八分目にいただくことで、健康増進を心掛けています。

——これからチャレンジしたいことは?

たくさん本を読むこと。編集者時代は1年間で300冊近く本を読んでいたのですが、お料理教室の講師になってから読書量が激減したので、時間を見つけてできる限り食や健康に関する本を読み、良質な知識を蓄積したいです。

そして、私たち日本人が先祖代々脈々と培ってきた日本の伝統的な食や暮らしの智慧、オーガニックを楽しく生活に取り入れていれるノウハウを確立し、ブログやSNSなどでどんどん発信していき、オーガニック料理を一つの学問として樹立したいと思っています。

——息抜きやストレス発散の方法を教えてください。

日帰り温泉へ行くことです。夜、銀座校でレッスンのない時には温泉に行ってゆっくりのんびりお風呂に入り、心と体を芯から温めて、リラックスすることにしています。そして、その日は必ず10時に寝て、上質な睡眠時間を取る努力をしています。

——日課や習慣にしていることはありますか?

朝の散歩と神社参りです。16年前に柴犬モカ(♀)と暮らしはじめた時から、ほぼ毎朝30分くらい一緒に朝日を浴びながらお散歩を楽しみ、その途中で必ず神社に立ち寄っています。今日も健康で生かしていただいていることに心から感謝し、手を合わせてその時に心に浮かんだことを神様にお伝えすると、心がとても穏やかになります。

——あなたの生活の中でのこだわりを教えてください。

安物や無駄ものは買わないこと。家の中をできるだけスッキリしておきたいので、安いという理由では一切買わないことにしています。食べ物もその他の物も、上質で一流なものを必要に応じて買うことを心掛けています。

——幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?

毎朝家族そろって朝ご飯を食べている瞬間です。私は81歳になる両親と暮らしていますが、おかげさまで二人とも元気で、食欲旺盛!家族三人そろって、毎朝玄米とお味噌汁、野菜たっぷりのおかずを食べている時が、一番幸せです!!

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▶81歳の両親の55回目の結婚記念日の写真。甥っ子と一緒に4人でお祝いしました
 

——自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?

自分と家族、そして私を信じて通ってくださっている生徒さんと、G-veggieのスタッフです。

ーーーーーーーーーーーー
「どんな辛く悲しいことが起こっても、果敢に人生にチャレンジすれば、おのずと道は開ける」と語るはりまやさん。その言葉どおり、はりまやさんは常にポジティブな姿勢で挑戦を続け、天職を手にしました。「常に純粋な気持ちで生徒さんと向き合いたい」というはりまやさんの人間的な魅力も、オーガニック料理教室G-veggieの人気の秘密なのでしょうね。

 
取材・記事/
いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトの共同記事です。

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