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食のコト 2018.12.04

楽しみ方は国それぞれ!『世界のクリスマススイーツとその由来』

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クリスマスが近づくと色々な所でクリスマスケーキの予約が始まります。百貨店が発行するクリスマスケーキカタログの中には額装して飾れそうなほど凝ったデザインで、多数のお店のクリスマスケーキが紹介されている事も。
日本で一般的なクリスマスのスイーツは華やかで口当たりが良いのですが、ヨーロッパなどで伝統的に食べられているクリスマスのお菓子はシンプルで素朴で保存が利く物が中心です。伝統的なクリスマスのお菓子にはどんな物があるでしょうか?

知名度の高さではナンバー1?イギリスの「クリスマスプディング」

クリスマスプディングは、食べた事はないけれど名前は知っている方も多い、クリスマススイーツの筆頭ではないでしょうか?イギリスなどを舞台にした児童文学などに頻繁に登場するお菓子です。ちなみに『ハリー・ポッター』にも登場していましたよ。

クリスマスプディングが登場する有名なお話といえば『クリスマス・キャロル』です。作中でクリスマス当日に時間をかけて蒸したプディングが家族の待望のご馳走として登場します。プディングという名前ですが日本式のプリンとはほど遠い形状のお菓子です。

現在のクリスマスプディングは、ドライフルーツと牛脂とパンを混ぜ合わせて長時間かけて蒸すかゆでるかした後、1ヶ月程度熟成させた後に再度蒸し直してクリームやバターのソースをかけていただきます。食べた事がないと味の想像がしにくいのですが「ドライフルーツの比重が大きいパンプディング」というのが一番近いかもしれませんね。甘さが強すぎる事から日本人にとっては好みが分かれる味だそうですよ。

元々これは中世に肉などの入ったお粥が変化して、現在のような日持ちする形になったのだとか。作る時は家族で揃って願い事をしながら混ぜて作っていたのだそうです。大きいイベントのための料理を家族で作る所は、日本でいう所の餅つきとちょっと似ていますね。
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ドイツはクリスマスを待つ間から楽しむ「シュトレン」と「ヘキセンハウス」

最近クリスマススイーツとして知られるようになったシュトレンですが、こちらはドイツのお菓子です。これはイーストを使って焼き上げるお菓子で、日持ちする菓子パンです。形はいわゆる「なまこ型」で、アーチを描いた切り口が坑道(シュトレン)に見えるためこの名前になったようですよ。このお菓子は粉砂糖で白く仕上げるのですが、その見た目が産着にくるまった赤ちゃんのようなので、幼子イエスをイメージするのだそうです。

このお菓子はクリスマスを待つ期間である4週間の「アドヴェント(待降節)」の間、少しずつスライスして食べる風習があります。熟成していく間に味が変わって行くのを楽しみに食べるお菓子なのです。日本でも作られていますが、湿気が高い日本では4週間かけて食べるのは少し難しいかもしれませんね。
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ドイツにはもう一つ、クリスマスを待つお菓子として「ヘキセンハウス」があります。これは『ヘンゼルとグレーテル』に登場するお菓子の家です。レープクーヘンと呼ばれる小麦粉とハチミツをこねた生地で作られています。こちらも日持ちするのでしばらく飾ってから食べるそうです。

レープクーヘンは13~14世紀頃からある古いお菓子です。元々、ヨーロッパでは教会が養蜂を行って蜂蜜を使ったお菓子を、折々の祝い事などに作っていたのが今も残っているのです。同様に、ヨーロッパの祝い菓子はドライフルーツを入れた素朴なパン菓子が多く、日本のような華やかなクリスマスケーキはありません。元々は辛い冬の中で迎えるハレの日のためのささやかなご馳走だったのですね。

意外な所で食べられている?インドの「クリスマスのプディング」

クリスマスを祝う地域の多くは欧米ですが、意外な地域でもクリスマススイーツがあります。インドのゴア州では「ベビンカ」というデザート・プディングが作られています。これは以前、ポルトガルの植民地だった時代に現地でカスタードプディングが食べられるようにアレンジされたレシピなのだとか。つるんとしたプディングではなく、小麦粉の比率が多めでバームクーヘンのように層を付けて焼き、正式には16層になっているのだそうです。

このお菓子は普段からも食べられていますが、カトリックのお家がクリスマスのお祝いに食べるものとしても有名です。また、ほぼ同じ物が「ビビンカ」という名前でフィリピンのクリスマスの祝い菓子になっています。こちらは粉が更に多めで、バナナの皮を型にして作られています。意外な所でも食べられているクリスマスのプディングですが、卵が使われているのでかつてはちょっとしたご馳走だったのでしょうね。
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日本のクリスマスケーキは不二家の創業者が「いちごを作ったケーキを普及させたい」と始めた物だそうです。やはり日本でも特別なお菓子としての憧れを集めつつ、風習として定着していますね。

発祥の理由やルーツは世界各国それぞれですが、しみじみするエピソードも多いクリスマスのスイーツ。今年はどんなスイーツを選びましょうか?

記事/ケノコト編集部

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