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家のコト 2017.12.10

年末に『大掃除をする理由』〜きれいなおうちで年神様を迎えよう〜

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毎年、年末が近づくと大掃除に向けて住居用洗剤や掃除用具のCMが増えて来ます。最近では一家総出で大掃除、というケースは希かもしれませんが、ちょっと昔の日本の空気が残るサザエさんの世界などでは昔ながらの大掃除のエピソードを見る事が出来たりしますね。
そもそも、日本ではどうして年末に大掃除を行う風習があるのでしょうか?

きれい好きの神様のためにする掃除

新年に「年神様」を家にお迎えするのがお正月の目的の一つです。つまりお客様がいらっしゃるから、そのためのおもてなしのために綺麗にする…というのが年末に大掃除を行う理由です。

初めてその理由を知った時「確かにお客さんが来るとわかっていたら掃除するけれど、何も畳を上げたり障子を剥がして貼り替えるまでする必要はあるのだろうか?」と思った記憶があります。

ですがお正月を単なる暦の切り替えとしてではなく、神事として捉えると掃除の必然性に気付きました。なぜなら、日本の神様はとにかくきれい好きなのです。神様がきれい好きというわかりやすい例としては、実は神社のお参りの手順にもそれが現れています。
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日本の神様はきれい好き。だから掃除を大切にする

神社に行くと「手水鉢」という、手と口をすすいで穢れを落としてから拝礼するのが正しい作法です。つまり穢れを落とす=神様に対するマナーであるわけです。古事記など、日本神話を読んでみても「穢れ」という物に日本の神様がいかに敏感か見て取れます。

国産み神話の中で出産が元でなくなった妻のイザナミを迎えにイザナギが死者の国である「黄泉の国」に迎えに行くと、「穢れた火で煮炊きした物を食べてしまったのでこのままでは生者の世界に帰れない」と断ったり、交渉が決裂して一人で戻って来たイザナギが死の国でついた穢れを水で清めた所、落ちた穢れから禍の神が生まれたとするエピソードが盛り込まれています。

日本の歴史・文化の中で「穢れ」に関する考え方について研究家の方達が色々な説を立てられていますが、「不浄な物は取り除く」という認識が古くからあったのは確かなようですね。
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「掃除」という言葉は外来語!元々は「きよめ」だった

実は「掃除」という言葉は日本で生まれた言葉ではありません。「掃(はら)い除(ぬぐ)う」という意味で元は中国から来た言葉なのだとか。その言葉が入って来るまで日本人が掃除をしていなかったのか、というともちろんそんな事はなく、別の言葉が使われていたそうです。

元々日本は家を建てるのに使う建材が木材や紙で植物由来だったため、汚れはそれほどきつくなくホコリをはらったりホウキで掃く作業がメインだったようです。掃除を現す言葉は「きよめ」とか「はく」が使われていて「掃除」という言葉が定着するのには長い時間がかかったそうですよ。「きよめ」という言葉は、掃き掃除と拭き掃除両方を合わせた意味合いで、現在使われている「掃除」の意味合いに似ていたようです。
つまり、言葉が昔通りであったら毎日お掃除しているお家は毎日「お清め」をしている事になりますね。
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昔は季節的にも家のメンテナンスに「大掃除」がちょうど良かった

とあるイギリス人の貿易商が1920年代(大正時代)の日本を訪れて「極東発見」という旅行記を書いたそうです。その中で「日本では春先に町中で大掃除をする」とその様子を詳細にしたためていたのだとか。

その方のひ孫に当たる男性が70年後になんと当時の文部省の招聘で英語教師として日本を訪れ、その真偽を確認しています。1990年代では既に大がかりな大掃除は廃れていたようで、年配の先生に質問すると「ひいおじいさんの頃の暦では2月頃が年末だから春先に大掃除があったのは間違いない」と教えてくれるのです。
参照:日本再発見録/ヘンリー・F・マクブライト著・林望訳(PHP出版)

日本で古くから使われていた旧暦、つまり太陰暦は農業を営むのに向いた月齢を元にした暦ですから、新年を迎えるタイミングは冬が終わって春になる、農耕の再開にぴったりの時期だったそうです。昔のお正月は、これから新しい春を迎え、次の冬に備えて食べ物となるお米や野菜を育て始めるスタートである、ハレの日を気持ち良く迎えようという仕事上の段取りでもあったのかもしれませんね。

暦が現在の太陽歴になった事で年の区切り位置も、日本人の生活スタイルも変わって来ていますが、気持ちの切り替えとけじめをつけて新しい年を迎えるためにも、年末のお掃除をきちんと行いましょう。

記事/ケノコト編集部

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