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地域 2018.12.07

寒い冬を温かく包む『ドイツのクリスマスマーケット』

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2017年もあっと言う間に12月。師走という呼び名の通り、日本の皆さんも何かと忙しく過ごされていることでしょう。
12月の一大イベントと言えばクリスマス。キリスト教徒の多いドイツでは、クリスマスは一年のうちでも非常に大切な宗教行事で、家族が集う貴重な時間でもあります。
そんなドイツのクリスマスを華やかに彩るのが「クリスマスマーケット」です。クリスマスマーケットはドイツが発祥と言われるだけあり、その充実ぶりと楽しさは格別!今回は、ドイツの冬を温かく包み込むクリスマスマーケットの様子を、ちょっぴりお届けします。
29▶夜空の下に輝く「ミュンヘン クリスマスマーケット」の文字が、訪れる人々を迎え入れる。

タイプもいろいろ、ドイツのWeihnachtsmarkt ヴァイナハツマルクト

ドイツ語でクリスマスマーケットは「Weihnachtsmarkt ヴァイナハツマルクト」。11月23~25日あたりからクリスマスを迎えるまでのアドヴェントの期間に、ドイツの全国各地で開催されます。ひとことにヴァイナハツマルクトと言っても、さすがは本場!実に様々な種類のマルクトが存在し、伝統的なタイプ、現代的でお洒落なタイプ、中世の時代を再現したもの、さらにはオーガニックをテーマにしたり国際色に溢れたマルクトも登場し、そのバリエーションは多岐にわたります。私が住むミュンヘン市内でも本当にたくさんのマルクトが開かれているため、街を歩いて回るだけで「ヴァイナハツマルクト・ツアー」が出来てしまうのです。
28▶暮れなずむ街に浮かび上がるヴァイナハツマルクトの屋台(シュトゥットガルト)

昼間でももちろん面白いヴァイナハツマルクトですが、せっかく遊びに行くならやっぱり夜!すべての屋台に明かりが灯り、ライトアップされたオーナメントが光り輝くその光景はとても美しく幻想的。ドイツの冬は日が短く、17時前には暗くなってしまいます。そんな寒くて長いドイツの夜を、賑やかで楽しい時間にしてくれるのがヴァイナハツマルクトなのです。

また、屋台を回るときはぜひとも屋根を見てみましょう。ヴァイナハツマルクトの屋台の屋根の上には、工夫を凝らした飾りが施されていることが多く、実に個性的。屋台の上にさらに小さな家が建っていたり、動くコックさんの人形が肉を焼いていたり・・・。くすっと笑ってしまうユーモラスなものも多いため、見逃せません。
27▶ミュンヘンのFrauenkirche 聖母教会の下にあるヴァイナハツマルクト。屋根の上には、ミニサイズの聖母教会が。

26▶訪れる人々を見下ろす七人の小人たち(ドレスデン)。

25▶屋根の上が小さな街が。よく見ると細部まで作りこまれていて面白い(シュトゥットガルト)。

24▶屋根の上がまるで森のようなお菓子のお店。飾られている枝はすべて本物(シュトゥットガルト)。

昔のドイツにタイムスリップ!?Mittelalterweihnachtsmarkt 中世風ヴァイナハツマルクト

色々あるヴァイナハツマルクトの中でも私が特に好きなのが、中世の時代を再現した「Mittelalterweihnachtsmarkt 中世風ヴァイナハツマルクト」です。このタイプのマルクトでは、屋台の店員さんの衣装もすべてが中世風。まるで油絵の世界に迷い込んだようです。いたるところに焚かれた松明の火にあたりながら、ゴブレットに入った温かい飲み物をいただけば、タイムスリップしたような気分に浸ることができます。
23▶全貌が見えないほどの人で賑わう中世風ヴァイナハツマルクトの入り口(エスリンゲン)。

22▶お店の人はみんな中世風ファッション(ドレスデン)。

21▶とてもいい雰囲気の鍛冶屋さん。その場で工芸品を作って販売している。中世風のマルクトでは、このような手作りの雑貨屋さんも見どころのひとつ(ドレスデン)。

20▶ゴブレット入りのお酒で体を温め、談笑する人々。平日の夜でもこの賑わい(ミュンヘン)。

見るだけでウキウキ!小物屋さんでショッピング

ヴァイナハツマルクトには、様々な小物や雑貨を売るお店がたくさんあり、お土産探しには事欠きません。宗教的な意味を持つクラシカルな置物やクリスマス用オーナメントだけでなく、作家さんによる手作りの食器や帽子、キャンドルスタンドなど日用品として使えるものも数多く並び、何時間見て回っても飽きることがありません。しかも、価格も意外にお手頃なことが多いので、何かひとつ買って帰りたくなってしまいます。

19▶色とりどり、香りも豊かなキャンドルの数々。

18▶美しいレース飾りのお店。思わず見とれてしまう(ドレスデン)。

17▶冬の食卓にぴったりな温かいデザインの食器たち(シュトゥットガルト)。

16▶ドイツではおなじみの、紙製の星型オーナメント(左側)。この季節になると、家庭の窓辺に飾られているのをよく見かける(ドレスデン)。

中でも、木製の小物はおススメです。ドイツでは木の工芸品の生産も盛んなので、ヴァイナハツマルクトでも素敵でかわいい木の置物やおもちゃをたくさん見つけることが出来ますよ。

15▶ドイツの有名なおもちゃメーカーOstheimerの木の動物たち。ひとつひとつ手作りのあたたかなデザインが魅力的(シュトゥットガルト)。

14▶小さくて可愛らしい鳩時計の天井飾り(ミュンヘン)。

美味しいものがいっぱい!クリスマスの屋台グルメ

ヴァイナハツマルクトに来たらぜひとも楽しみたいのは、種類も豊富な「ドイツ流屋台グルメ」。寒い中、湯気の向こうでは大きな鍋で豪快に調理される煮込み料理や焼きたてのパンがいい香りを漂わせ、食欲をそそります。ボリュームのある熱々のお料理とホットドリンクで、冷えた体を温めましょう。

13▶大きな鍋で、たっぷりの食材を豪快に調理。どのお店からも、スパイスやハーブのいい香りが。

12▶パンのスライスの上に野菜やチーズをのせて焼いたもの。スナック感覚で食べながら歩ける手軽さがいい。

とにかく美味しそうなものがたくさんあって目移りしてしまいますが、リーズナブルでボリュームのあるものを食べたいなら、まずはドイツの代表的グルメ、ソーセージですね。鉄板で香ばしく焼かれたものや、カレーとケチャップで味付けしたカリーヴルストなど、食べ方も色々。
中でも私のおススメは、ジビエのお肉を使ったソーセージ。下の写真は、鹿肉を使ったソーセージをスペルト小麦のパンにはさんだホットドック。甘酸っぱいベリーのマスタードがかかっています。噛み応えのある肉質のソーセージはとてもジューシーで、ハーブが効いていてとても美味しいのです。このようなものが屋台でいただけるなんて嬉しいですよね。ジビエのお店は全てのヴァイナハツマルクトにあるわけではありませんが、見かけたらぜひ試していただきたいメニューです。

11▶鹿肉のソーセージ。ボリュームもたっぷりで香ばしい(ドレスデン)。

10▶ソーセージ料理は種類もいろいろ。横で煮込まれるブロッコリーも美味しそう。

また、中世風のヴァイナハツマルクトでは、薪窯で焼く手作りのパンがおススメです。こちらは、ライ麦も入った香ばしいパン生地に、ベーコンやチーズをたっぷり包んで焼いたもの。ドイツの人にも大人気で、行列ができているのをよく見かけます。
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持ってみるととてもずっしりしていて、パンは外がかりかり中はしっとり。具がぎっしり詰まっていてボリューム満点なので、おなかをしっかり空かせてからいただきましょう。このようなお店ではパン生地からすべて手作りしています。さすがはドイツですね。

8▶ボリューム満点なドイツサイズ!小食な人はシェアして楽しみたい。

7▶パン生地を丸める職人さん。製造の工程を窓の外から眺められるのも楽しみのひとつ。カメラを向けたら、笑顔で応えてくれた。

他にもスパイスや砂糖で香ばしくローストされたナッツのお店や、ドイツならではのチョコレートやお菓子屋さんなど、スイーツも充実。おなかがいっぱいでも、色々試してみたくなってしまいますね。

6▶ドイツの人も大好きな、甘くてスパイシーなナッツ。街歩きのおともに。

5▶薪窯で職人さんが手焼きして作るバウムクーヘン。しっとりジューシーな口当たりで、レモンとバニラビーンズの香りが効いて美味しい。

そして、ヴァイナハツマルクトの代表的な飲み物と言えばGlühwein グリューワイン。日本ではホットワインという呼び名で知られています。ワインに砂糖を加え、シナモンやオレンジピールなどのスパイスで香りを付けて温めた冬にぴったりのホットドリンクです。お酒が苦手な方や子供向けに、アルコールフリーのグリューワインもあります。

4▶ドレスデンで出会ったグリューワイン。体がぽかぽか温まる。

Eierpunsch アイアープンシュもおススメしたい冬の味です。こちらは、洋酒の効いたカスタードソースのような、卵を使った温かいお酒です。とろっとまろやかなデザートのような味わいで、一口飲んだだけで体を温めてくれそうです。英語圏の友人は、「エッグノッグのようだね」と話していました。

3▶たっぷりのアイアープンシュ。お店によっては生クリームをのせてくれることもある、スイーツ風のドリンク(ドレスデン)。

これらの飲み物を購入するときは、必ずカップのデポジットを2~3Euro支払うため、もしカップが気に入ったらお土産に持ち帰ることができます。同じ街の中でもマルクトやお店によってカップのデザインが違うことが多く、その街やシーズン限定のデザインということもあるので、旅行の記念にもなりますね。私も、遠方のヴァイナハツマルクトを訪れた際は、可愛いカップをひとつ連れて帰ります。

2▶ブーツの形をしたグリューワインのカップ。よく見ると取っ手がハート型。グリューワインのお店はとても多いため、どこにするか迷ったらカップのデザインで選んでみるのもいい方法。

ドイツのヴァイナハツマルクトは、長い歴史があるだけにその世界はとってもディープ。そこでは伝統的な文化と新しい要素が混ざり合って、大人も子供も、みんながワクワクした気分になれる夢のような空間が広がっています。パン屋で働く私はアドヴェント期間特に忙しいため、今年はあまり遊びに行くことが出来ていませんが、クリスマス休みの直前に、もうちょっとだけマルクトを楽しみたいと思います。皆さんも、冬にドイツを訪れることがあれば、寒さを忘れさせてくれる「魔法の世界」でドイツのクリスマスを満喫してみませんか?

記事/吉良麻実
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<ライタープロフィール>
茨城県生まれ。子供の頃から大の料理好き。京都造形芸術大学卒業後、都内のCGプロダクションでアニメーション等の制作に携わる傍ら、週末には自家製天然酵母で山ほどパンを焼くという生活を7年間続ける。パンの世界をもっと深く学びたいと、2016年にドイツへ移住。パン職人の国家資格Geselle取得を目指し、現在ミュンヘン郊外のパン屋さんで修行中。モットーは「ひとの暮らしに寄り添うパン作り」。
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