知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2018.12.05

「食べるものは、生き方を作る」登山の前に腹ごしらえ『定食屋さとり食堂』

LINEで送る
Pocket

山に登る前後の食事、みなさんはどうしていますか?
食べることは、自分のからだを作ること。
幅広い層に愛される乗鞍岳に向かう途中、岐阜県高山市の丹生川町に山のエネルギー補給にぴったりな食堂があります。

人と人のハブとなる場所、さとり食堂

丁寧に作られた名物のおばんざいと、旬の食材を用いた主食が選べる定食。2017年9月にオープンしたばかりのさとり食堂は、店主の諸星智吏さんの想いがギュッと詰まったお店です。
5北海道から旬のさんまが届いた、とオススメしてもらったさんま定食。おばんざいも自由に2種類選びました。

観光地としても人気の高山市にして、派手さはなく、素朴な定食を提供する智吏さん。そこにはこれまでの人生とこの地で感じた感覚が反映された、確固たる思いがありました。

2「知らない何かと出会わないと、人は変わらないんですよね」

そう話す智吏さんは、静岡県の浜松出身。京都の美大に通った後、京料理屋で働き、結婚を機にここ高山市に移住してきました。土地を愛するという感覚が地元に住んでいた頃はよくわからなかったそうですが、丹生川町で暮らしたことで、まさに自分がこの土地を愛している、という実感に湧く日々なんだそうです。

「今は自信を持ってこの丹生川町が”日本一住み良いところだ”って言えます。水がいいし、食べものがいい。自然に守られているんです。丹生川町は歴史のある場所なんですよ。昔からこの地に住んでいる人がいて、この地の自然との付き合い方や暮らし方がしっかりと受け継がれています。口に出さなくてもこの地に対するリスペクトを住民から感じることができるんです。だから、観光客誘致目的ではない町内の素朴なお祭りもずっと続いているし、私はそういう姿が好きなんです」
8
美大でデザインの勉強をしていた頃、寝ず食べずで体を壊すこともあった智吏さん。この地で自然と共に暮らすことで、何が自分にとって大事か?誰とどう生きるか?を教えてもらったそうです。

「私もこの地とここの人との出会いで変わったように、知らない何かと出会わないと人は変わらないと思っています。人がいっぱいいるから出会えるわけじゃないんですよね。そんな出会いが当たり前にできる場所になれたら、自分がハブになるようなことができたら、と思ってこの食堂をやっています」
3

その土地に暮らすなら、その土地にあるものを食べること

当時、美大卒でそのままデザイナーとして働くのではなく、人と接する仕事がしたいと思い京料理屋で働いた人が智吏さん。自身が体を壊した経験から、「食べる=どうやって生きていきたいか、どう生きることになるか」という食べものに対する考えを深めることになります。

「家を建てるとき、どんな木材がいいかっていうと、その地の環境に適応している材、つまりはその地に生息している木を使うのが一番だって言いますよね。食べものも一緒なんです。その土地に暮らすなら、その地にあるものを食べる。食べたものが明日の自分に反映されますから、それが当たり前にできるようにと思っています」
7
さとり食堂は、地産の食材をメインに使いながら季節に応じて全国から旬のものを仕入れることを大事にしています。それが一番形にできるのが定食だったんだそうです。

ただ、そういった思いは下手に言葉では伝えないようにしているそう。

「お店にステンドグラスの窓があるんですけど、これも考えがあって。普通のごはん屋じゃないんだぞっていうことを伝えたかったんですよね。来てくれたお客さんに何か引っかかるものを用意したくて。言葉じゃなくて心で伝わるといいなって思っているんです」
1

地の力を蓄えて、山へ

山に登る前、登った後、みなさんはどんな食事をしていますか?帰りは帰路のお店に立ち寄ることもあると思いますが、登る前はコンビニなどで済ませてしまう方も多いのではないでしょうか。智吏さんの話すとおり、その地で活動するならその地の食材を体に入れることが最も理に適っています。丹生川町は、乗鞍岳や上高地へと続く町であるため、前泊でこの地を利用する方も多く登山者も食堂に足を運ばれることもしばしばあるそうです。
4厨房ではシャイな旦那さんも裏で食堂を支えています

乗鞍岳や上高地、そこからの北アルプスと決して優しくない山の旅に出る前に、心と体に活力を与えてくれるさとり食堂でエネルギー補給はいかがでしょうか。お店は、メインの通りから一本入った道、かわいらしい提灯と暖簾が目印です。

6

さとり食堂

<住所>
〒506-2121
岐阜県高山氏丹生川町坊方2005-11

<電話>
0577-78-1101

<営業時間>
11:00〜15:00
17:00〜21:00

<定休日>
日曜日・月曜日

<駐車場>
店舗前5台

<ウェブサイト>
https://www.satorishokudou.com/

記事/.HYAKKEI
スライド1
.HYAKKEIは「自然を楽しもう!」をコンセプトに、暮らしと自然を楽しむ自然指向のライフスタイルプラットフォームです。日常の暮らしから休日のアウトドアまで、自然に触れる楽しさをお届けします。
ホームページ

その他のおすすめ記事

山は大自然美術館だ『白山一筋40年、坂次功輝さんの言葉』

山は大自然美術館だ『白山一筋40年、坂次功輝さんの言葉』

小さい頃の宝もので、お客さんが喜んでくれる『ネイチャーガイドの仕事』

小さい頃の宝もので、お客さんが喜んでくれる『ネイチャーガイドの仕事』

訪れる人の胃袋と心を満たす『“日本一標高の高い”山頂のパン屋さんができるまで』

訪れる人の胃袋と心を満たす『“日本一標高の高い”山頂のパン屋さんができるまで』

LINEで送る
Pocket

コメント

人気の記事

2019.07.06

やさしい暮らしのヒント『献立を考えるコト』-5.こんな時なに食べる?日常的な不調への対処-

2019.07.05

優しい甘さの夏おやつ『白桃ヨーグルトアイス』

2019.07.02

季節の手しごとしませんか?『らっきょう漬け』のアレンジ2種

2019.07.01

もっと知りたい日本の郷土料理―宮崎県―『冷や汁』

2019.06.29

やさしい暮らしのヒント『献立を考えるコト』-4. 献立の量-

2019.06.23

シンプルな美味しさ!手が止まらない『ハッシュドポテト』

2019.06.21

バター醤油が食欲をそそる!『ガリバタ醤油チキン』

2019.06.20

【食育のコト】魔法のジュースで夏バテ防止『赤紫蘇ジュース』はいかが?

2019.06.19

材料3つ!一度は作りたい『プリンケーキ』

2019.06.17

台所育児エッセイ「暮らしに恋して」『40 究極のお重』

編集部おすすめ記事

2019.07.04

超簡単!一度は作りたい濃厚『ガトー・テリーヌ』

2019.06.30

初夏のおかずに!具沢山の『味噌炒り豆腐』

2019.06.27

季節の草花『紫陽花のコト』魔除け・縁起物にも重宝された花

2019.06.26

日本の言葉『梅雨』にまつわる季語あれこれ

2019.06.25

まるできな粉そのもの?!『きな粉のほろほろクッキー』

2019.06.20

『茶の湯の世界へようこそ』ー5."花は野にあるように"

2019.06.12

なかなか聞きづらい『ボーナスのコト』~気になる使い道は?~

2019.06.11

ふんわり安らぐ思い出の味『マグロと茄子のみぞれ煮』

2019.06.07

季節を感じる贅沢、雨の日は『梅仕事』を始めてみませんか

2019.05.26

夏野菜レシピにランクイン!『なすと豚肉の旨炒め』

月間人気記事

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.07.16

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2017.04.01

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2018.03.26

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2018.08.08

なす、トマト、ピーマン、ししとう…あの野菜も?!『ナス科の野菜の種類とあれこれ』

2017.09.14

指先のカサカサを直したい!『指先の乾燥の原因とケア方法』

2018.03.31

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「玉ねぎ」の常備菜』

2017.08.23

季節の手仕事『自家製キウイシロップ観察日記』

2018.07.01

漬けて使う・合わせて使う『梅味噌の活用レシピ』