
成人の日のお祝いはいつから始まった?『成人式にまつわる色々な話』
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現在では1月の第二月曜が「成人の日」となっています。新制度が導入される前は1月15日が成人の日でした。そんな成人の日ができた理由や、成人式の歴史を知ると、成人の日を催す意味がよくわかってきました。
古代の成人式は服装を大人の物に変える事
成人式のルーツを辿ると古代から行われていた「元服」や「裳着」のような通過儀礼が原型と言われる事が多いようです。
「元服」は男性を成人とする儀式で、髪型を大人の結い方に変え、冠や烏帽子と呼ばれる帽子などをかぶる物でした。「裳着」は貴族の女性が大人の衣装である「裳」を初めて身に付ける行事です。
日本では着物を着ていた時代、成長に応じて着物の仕立て方を変えていたので節目節目に成長を祝う場合着物が関わるケースが多く、七五三もその仲間です。
江戸時代頃になると女性の成人も「元服」と言うようになり、この場合は華やかな着物を地味な物に変え、髪型も大人しい形で飾りを控え、お歯黒といって歯を黒く染めるお化粧と「引眉」といって眉を剃るか抜いていたそうです。
女性の場合、結婚=成人の意味合いが強かったようで、元服ではなくお嫁に行く事で成人の化粧を始める事が多かったようです。女性の元服は当時としては結婚が遅めである16~20歳くらいの未婚の女性が既婚女性と同じ様な格好に変える節目として行われたようですよ。
「成人=大人として働く事ができる」定義の一つ
現在の日本では「成年」とは「単独で法律行為が行えるようになる年齢」であり、法で20歳と定められています。ですが、かつての日本では年齢ではなくできる仕事によって成年かどうかを定めていた地域もあったようですよ。
例として「米俵が一人で担げる」「田んぼ1反の田植えを一人で行う事ができる」など。「社会的に役割を果たせるようになった=成人」というルールです。現在、民法第4条で20歳が成年とされているのですが、元は明治9年に太政官布告第41号で「自今満弐拾年ヲ以テ丁年ト相定候」とされたのが始まりのようです。
ちなみにこの当時、今のような成人式はありませんでした。その代わりとなったのが徴兵検査です。かつて第二次大戦前の日本には徴兵制があったので満20歳を迎えた男性は徴兵検査を受け、合格すれば兵役に就く義務がありました。
女性に徴兵はなかったのですが、やはりそれまでの時代のように「お嫁に行く=一人前」という認識で、十代後半頃から結婚するのも珍しくなかったそうですよ。それがつい最近の50年程前までは普通だったのかと思うとなんだか驚いてしまいますね。
現在の成人式の発祥は埼玉県蕨市から!
現在の成人式の発祥は昭和21年11月22日に現在の埼玉県蕨市に当たる北足立郡蕨町で、戦後の元気を失った町の若者を元気づけようとして行った「青年祭」と言われています。それが全国に広まり、昭和23年には国民の祝日にも取り入れられます。「これからの未来を支える青年に、大人となった自覚を持ってもらう事と励ます事」が目的とされています。
ちなみに日本のように成年となった事を国の祝日として祝う国はほとんどないそうです。また、国際法で「18歳までを児童とする」と定められててる事などから18歳が成年となっている国が多いそうですよ。
古い時代の成人の儀式は大人の服装に変える節目の役割がありましたが、現在では女性だけでなく男性も和服礼装を身につける機会の一つにもなっています。女性の振袖は長い袖が揺れる事で厄払いや清めの意味があるという説も。洋服の場合でも男性はこの機会にファーストスーツを作った、という方も多いのではないでしょうか?
現在の成人式は門出のお祝いという意味合いが強くなっているように感じますね。新成人の方も御家族の方も、無事に大人となる日を迎えられる喜びと共に、この大切な1日をお過ごし下さい。
記事/ケノコト編集部
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