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まめ知識 2018.01.13

日本の暮らし色『新春を彩る優しい梅の色』古代から愛されてきた春の和色

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日々の生活の中で、色の名前をどう呼んでいますか?はっきりとした原色であれば現代の言葉で足りる事も多いのですが、着物の色や日本の暮らしに関わる物には単純な区分では表現できない、繊細な名前の色が多くあります。今回は、季節と関わる色の名前と、それにまつわるエピソードのお話です。

「梅春」という言葉の示す時期

梅春(うめはる)」という言葉を聞いた事があるでしょうか?これは服飾業界でよく使われる言葉です。時期としては年明けから梅の花の時期となる2月頃を指し、この時期に店頭に出す商品の事を言います。気温は低く、薄物はまだ着られない時期ですが年が明けて春が近づく頃合いで、生地は厚手でも明るく柔らかい色味で春の気分を先取りするおしゃれのための商品が多く出回ります。

「梅春」という言葉は二十四節季などから取られた言葉ではありません。商品を扱う時期を指す言葉に花の名前を入れる事で、わかりやすくも雅やかにした感性に、季節の移ろいを敏感に感じ取っていた日本人の思いを見る事ができるような気がしますね。
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日本人にとって春の花は「梅」

元々梅は日本原産の植物ではなく、中国が原産です。奈良時代頃まで、梅は春の訪れを人に告げる花としてこよなく愛されていました。万葉集には梅が出て来る歌がたくさんあり、後の世になっても早春の季節を彩る物としてよく題材にされています。梅のでてくるる和歌を見ると、梅の咲く時期はまだ雪が降る事があるので梅と雪が出て来る情景を詠んだ物がいくつもあります。

また、梅は花の香りが強い木です。冷たくキンと張り詰めたような空気の中に甘い梅の香りが漂うのを感じた時、古代の人たちは目に見えない「季節」の訪れを感じたのではないでしょうか?

平安時代の暮らしに寄り添う「梅」の名を持つ色たち

平安時代には日本独自の文化が発展し始めるようになり、春の花は桜が愛でられるようになります。ですが、梅が日本人に愛された証拠は梅のでてくる歌だけでなく、着物の文化の中にも残っています。

春らしい、梅にちなんだ色の名前の代表は「紅梅(こうばい)」です。平安時代の貴族は紅梅の花が大好きだったようで、色を呼ぶ「紅梅」だけでも色の濃さで「薄紅梅」「中紅梅(なかこうばい・「紅梅」という時もこの色)」「濃紅梅(こきこうばい)」など様々な種類があります。

十二単の着物の色を重ねる順の名前である「襲(かさね)」の名前にも紅梅がつくものが数多くあるのだとか。「紅梅の匂(におい)」「裏陪紅梅(うらまさりこうばい)」「紅梅重(こうばいがさね)」という名前の襲が伝わっていますが、記録によって同じ名前でも若干色の組み合わせが違う物があるため、当時は微妙に違う紅梅の色合いを楽しむ組み合わせが数多くあったのかもしれませんね。
和色02
ちなみに「紅梅」と呼ばれる色は、見た目からもピンク系の梅の花の色から名付けられていますが、木として分類する場合、「コウバイ」と「ハクバイ」は枝の切り口が赤いか白いかで決めるそうです。そのため「紅梅色」の花がつくハクバイもあるのだとか。梅の名所などに行った時、品種や分類のプレートがあったらチェックしてみると面白い発見があるかもしれません。

様々な彩りを魅せる梅の色

和色01

梅重

「梅重」は袷(あわせ)という裏地をつけた仕立てをする時、表地を「濃紅」裏の生地を「紅梅」にして深みを出した色の事です。実はコウバイの木の切り口で色の濃い物はこの色と似ています。そう聞くと、力強い、生命力あふれる春の色という気がしませんか?

薄梅鼠

「薄梅鼠」は庶民に贅沢が禁じられた江戸時代、着る事を許された「ネズミ色」のバリエーションとして作り出された色です。薄がつかない「梅鼠」は渋いピンクのような色で、赤みがかった色合いを「梅」で表現したのがわかります。この「薄梅鼠」は今で言うと洋服のリネン生地にもある色です。春先に似合う、ほんのりとした紅をまとった柔らかいグレーです。

灰梅

「灰梅」も着物の色で良く見かけます。やはり密やかに赤味を含むベージュで、キリリというより甘やかで、柔らかい印象の色です。品の良い色で、明るいのに派手さはなく、30代くらいからの女性のフォーマルに使いやすい色かと思います。紬にもある色なので普段着にもできますよ。

ご注意

和色は伝わっているルートや色を作る毎など、同じ名前でも若干違う色になっている事が珍しくありません。和色で色指定をした場合、イメージと違う事もありますのでご注意下さい。

※今回、和色のWebカラーコードは以下のサイトを参考にさせていただきました。
日本の伝統色 和色大辞典 – Traditional colors of Japan

日本人の美の心!日本の色【伝統色のいろは】

記事/ケノコト編集部

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