
1月17日は『おむすびの日』震災から生まれた感謝の心を大切にする日
目次
最近では古来からの年中行事とは別に、色々な記念日が作られています。その中の1つ、「おむすびの日」は1月17日、阪神・淡路大震災の日です。この記念日は震災がきっかけで作られました。
「おむすびの日」はお米の大切さとボランティアの善意への感謝
おむすびの日を制定したのは「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」という団体で、事務局は兵庫県農政環境部に置かれています。この記念日が制定されるに至った原因はかつての大災害にありました…。
1995年、1月17日の早朝に阪神・淡路大震災は起きました。当時、戦後で起きた自然災害では最大規模であり、民間のボランティアの活動が被災者の大きな支えとなりました。
その当時、すでに飽食の時代と言われるようになって久しく、日本人の米離れについて話題になる事もよくありました。ですが、災害によってライフラインが断たれた中で水と火があれば食べる事ができるお米の、主食としての重要性や乾燥状態で長持ちする保管性の高さ、おむすびという形の携帯性の高さや利便性などが再評価される事となります。
ボランティアの方々からの善意への感謝とお米の価値を見直す事が記念日「おむすびの日」が生まれた理由です。
お米は古くから日本人の生活に深く結びつき、文化の発祥にも関わっています。戦後、生活様式が欧米化した事によって米に対する感謝の気持ちが薄れつつありますが、かつてはお米、特に新米の白米はハレの日のご馳走でした。大正から昭和初期に生まれたひいおじいちゃん世代の方の話によると、お米は本当に大切にされていて、普段は古米どころか古古米を食べ、新米は収穫の時の御供えやお正月くらいしか食べられなかったそうですよ。
お正月や年中行事の多くは米の豊作を願う日
お正月やお花見、お月見といったおなじみの行事ですが、実はこれは元々豊作祈願が含まれていました。お米は「収穫倍率」といって一粒が育って実が増える率が高い植物です。品種改良が今ほど簡単にできなかったはずの奈良時代でさえ実りの悪い田んぼで7倍、たくさん実が付く田んぼであれば25倍も取れたそうです。(現代は140倍なのだとか!)小麦は10倍を超えたのが19世紀頃との事なので、お米がいかに安定した食糧供給に役立ったかよくわかります。お米のおかげで日本人は狩猟生活から、比較的安定した農耕中心の生活に切り替わります。
白米はヌカを取って精米する作業が大変なので多くは玄米として食べられたようですが、弥生時代の後期には既におむすびは作られており、遺跡から炭化した物が出土しているのだとか。その当時は土器を使った調理なので、今のような「炊き干し」されたご飯ではなく、蒸した米を握って焼いたちまきに近い物だったそうですよ。ちなみにこちらが出土した石川県の旧鹿西町が鹿西の「ろく(6)」と、毎月18日の「米食の日」を合わせた6月18日を「おにぎりの日」として2002年には日本記念日協会の認定を受けています。
おむすびとおにぎりってどう違うの?
「おむすび」と「おにぎり」の違いは諸説があり、丸いのがおむすびで三角がおにぎり、またはその逆であるなど諸説があってはっきりとした定義は定められていません。言葉としては「おむすび」の方が古く、「おにぎり」は江戸時代から、という説もあります。
「おむすび」は元々女房言葉にもあり、「結ぶ」という言葉には深い意味が込められているそうです。日本神話の造化三神と呼ばれる特別な古い三柱の神様のうち二柱には「むすび」(産巣日)という言葉が入っています。天地万物を生み出す力のような意味であるとされて、平安時代に「結び」という言葉と繋げられるようになったそうです。お米の粒を結ぶから「おむすび」ということかもしれませんね。そういう説を聞くと、おむすびがなんだか特別な食べ物という気がしないでしょうか?ちなみに神様の名前に由来するとされる場合、おむすびの形は三角なのだそうですよ。
現在、日本で唯一完全自給できる作物はお米だけなのだそうです。「おむすびの日」を制定した「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」は、お米を通じて日本の農の在り方についても国民全体で運動する事を狙いとしています。ごはんを中心とした食生活の見直しもその目的に含まれているそうですよ。「おむすびの日」にはおむすびを作って食べ、お米の大切さに感謝する日としてみてはいかがでしょうか。
記事/ケノコト編集部
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