
着物はじめてさんの知りたいコト『帯結びの初めてにおすすめ「半幅帯」』
目次
自分で着物を着てみたい!と思っても雑誌などに登場するモデルさんの隙のない着こなしを目にしてしまうと「できるかな…」としりごみしてしまうかもしれません。でも、大丈夫です。昔の人は毎日着物を着ていたのですから。
いずれは本格的な着付けをマスターしたいと思ったら、帯結びの基本を理解する所から始めてみましょう。帯結びの練習におすすめなのは「半幅帯(はんはばおび)」です。
半幅帯ってどんな帯?どういう着物に使うの?
半幅帯は名前の通り、「普通の半分の幅の帯」です。
ここでいう「普通の幅」というのは「お太鼓結びができる」帯という事です。お太鼓とそうでない結び方を比較すると下の図のようになります。
お太鼓結びの方は、帯の幅が背中の「お太鼓」になっている部分の幅だけあります。そのため、腰に巻き付けるには幅が広すぎるので腰に巻く部分は折って使います。一方、半幅帯は折らずにそのまま腰に巻き付けて結ぶ事ができます。
※お太鼓ができる帯には色々種類がありますがここでは「袋帯(ふくろおび)」とします。
着物にあまり馴染みがないと半幅帯を使う機会は浴衣を着る時くらいなのですが、普段着の着物なら半幅帯でも問題ありません。初めての帯結びに半幅帯をおすすめするのはいくつか理由があります。
半幅帯なら帯だけで結べる。結び方の基本を押さえるのにぴったり
袋帯を使ったお太鼓は、和装でも基本となる結び方なので自分では着物を着なくても見た事があって知っている、という方も多いと思います。この結び方は帯の格によってフォーマルから普段着まで使えるオールマイティの結び方です。袋帯でお太鼓が結べるようになれば和装で困る事はないかもしれません。
ですが、袋帯から始めるのは初心者さんにはいくつかデメリットがあります。
まず一つ目が、帯以外にも「帯揚げ」や「帯締め」、「帯枕」といった道具が必要となります。これはお太鼓以外でも袋帯を結ぶ場合は必要な物だと覚えて下さいね。
次に、袋帯は基本的に後ろ手を使って背中で帯を結ぶ事になります。道具を使って体の前で結んで背中に回す方法もありますがそのための道具が必要になります。
半幅帯の場合は変わり結びなどのアレンジで帯締めなどを使う事もありますが、基本的には帯のみで結び、体の前から結んで背中に回す事ができます。帯を結ぶ時、結び上がった時にどの部分になるかで帯の端を「手(手先)」「タレ」などと言うのですが、まず半幅帯でそういった結び方の基本を覚え、どういう風に締めて背中の部分を作っていくか理解してから、袋帯にステップアップする方がわかりやすいかと思います。
浴衣について来た付け帯は普段着の着物に使える?
「帯結びは難しそうだから浴衣とセットになっていた付け帯(二部式帯)を使ってみよう」と思われた場合、お家の中ならそれでもOKです。ですが、新たに買うなら付け帯でない物をおすすめします。理由は三点あります。
半幅帯の付け帯は夏向けの物が多く、浴衣以外の季節の普段着の着物には質感や厚さで合わない物が多いかもしれません。特に薄手の化繊素材の半幅帯は、付け帯でなくても襦袢+着物で着る季節では帯が薄すぎてきちんと胴が収まらずに着崩れしやすい事も。
また、背中の結んだ部分が作ってある半幅帯は蝶結びのような羽が大きい物が多く、単純にものすごく場所を取ります。お太鼓結びの付け帯もあるのですが、そちらは平たくなりますのでもし付け帯にする場合はお太鼓結びの方をおすすめします。
最後に付け帯ではない半幅帯をおすすめする一番の理由が帯結びのアレンジの豊富さです。袋帯の場合、お太鼓以外の華やかな変わり結びはフォーマルの場やパーティー向けで、基本的に普段着の時は使いません。半幅帯は蝶結びのような基本形からお太鼓風まで結んだシルエットのバリエーションが多いので一本の帯でも色々と変化をつける事ができます。
色々と注意点をあげましたが、しっかりした素材で作られた半幅の付け帯も出ています。付け帯のデメリットを考慮した上でそれでもこれが好き!と思える物であればそれを使われるのが良いと思います。気に入った物を使って何度も着る事こそが上達への近道ではないでしょうか。
半幅帯は、着物がまだ普段に着られていた昭和世代のお母さん、おばあちゃんのタンスに眠っているかもしれませんよ。たずねて見ると、思わぬ掘り出し物や知らなかった思い出話が聞けるかもしれませんね。
記事/ケノコト編集部
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