知るコト知るコト

ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

食のコト 2018.02.03

捨てるところがない!冬の味覚『あんこうのコト』

LINEで送る
Pocket

お鍋の具材の代表格ともいえる「あんこう」。
クセのないさっぱりとした身の味わいと不思議な皮の食感、肝の濃厚さ、どこを食べても美味なことから、東日本では昔から親しまれてきた魚です。
体長が50cm〜1.5mを超えることもあるため魚体のまま出回ることは少なく、一般的には切り身として、最近は冬になると必ずスーパーや鮮魚店で見かける食材です。
そんなあんこうについて改めて見てみましょう。

あんこうの種類と生態

「あんこう」といっても、実は様々な種類が存在します。
普段鮮魚として販売されているのは、そのなかでもキアンコウかクツアンコウという種類です。一般的にはキアンコウのほうが美味しいといわれています。

底曳網漁で漁獲されることの多い魚で、水深30〜500m程の深さにある砂底に住んでいます。
頭に小さな生き物のように見える誘引突起があり、これに寄ってきた小魚等を餌にして生活しています。違う種類になりますが、チョウチンアンコウはこの誘引突起部分が光ることでも有名ですね。
1

冬の名物!あんこうの「吊し切り」

あんこうは表皮にヌメリがあり体長もあること、身が柔らかいこと等から、まな板の上で捌くことが難しい魚です。そのため、昔から「吊し切り」という方法で捌かれてきました。江戸時代にはすでにこの調理法が行われており、当時の本でも紹介されているそうですよ。
つるし切りはあんこうの下側の口を「かぎ」という曲がった太い針のようなものに吊し、吊したままで部位ごとに切り分ける方法です。あんこうを吊したまま口から水をたくさん入れ、胴体に張りを出して捌きやすくすることもあるそうですよ。

あんこうの七つ道具と旬

あんこうには捨てるところがない」といわれるほど様々な部位を食べることができ、分けた部位は「七つ道具」と呼ばれています。それが「ひれ、皮、えら、肝(肝臓)、胃袋、ぬの(卵巣)、身」の7つです。
吊し切りの後に残るのは骨くらいで、それぞれの部位の食感によって様々な料理に利用されます。
オスには卵巣もなく、体長もさほど大きくなることがないため、市場に出回るのはメスのあんこうです。

春に産卵するため11月頃になると旬を迎え、翌年の2月頃まで水揚げが盛んです。肝が大きくなった1月〜2月頃が最も美味しいといわれます。
茨城県の大洗では名産となっており、毎年11月になると「大洗あんこう祭」が開催されます。あんこうの吊し切りを実際に見学することができたり、限定のあんこう汁が販売されるなど、大盛況なんだそうですよ。

あんこうの美味しい食べ方

あんこうの七つ道具全ての部位を一度に味わうなら、やはり「あんこう鍋」が一番でしょう。
あんこう鍋は東日本の代表的な鍋料理ともいわれています。味付けは味噌か醤油で仕立てたものが一般的で、あっさりとした風味が食べやすく、多くの人に親しまれています。
このあんこう鍋の濃厚なタイプが「どぶ汁」と呼ばれており、あんこうと野菜の水分だけで調理されています。どぶ汁は、まずあんこうの肝を乾煎りし、そこに野菜と他のあんこうの部位を入れて煮立てます。乾煎りしたあんこうの肝の風味と、味噌で味付けされた濃厚な旨味が楽しめるということで、ぜひ一度は食べてみたい鍋料理ですね。
2
皮やぬの、ひれ等は湯引きして酢味噌であえると美味しくいただけますし、肝を成型してから蒸し、ポン酢等で食べる「あん肝」も有名です。
茹でたあんこうの身と肝に味噌を混ぜた郷土料理「ともあえ」は、お酒のアテとして人気なのだとか。
その他、身を唐揚げにしたり肝をフォアグラのようにソテーにしたりと、色々な調理ができます。どの料理法でもクセがなく、美味しくいただけるのがあんこうの魅力ともいえるでしょう。
しかし、あんこうにはアニサキスが寄生していることがあります。例え鮮度が良かったとしても刺身や肝等を生食する際には注意が必要です。

あんこうの種類によって味が違うともいわれているので、もし見かけたら味の違いを確かめてみたいものですね。

記事/ケノコト編集部

その他のおすすめ記事

二十四節気の暮らし方『春を迎える日「立春」』この日にすると良いコトがある?

二十四節気の暮らし方『春を迎える日「立春」』この日にすると良いコトがある?

豚バラで手軽にできる『もつ鍋風しょうゆ鍋』

豚バラで手軽にできる『もつ鍋風しょうゆ鍋』

ほろ苦さに春の足音を感じる『ふきのとうのお話』〜睦月の暮らし〜

ほろ苦さに春の足音を感じる『ふきのとうのお話』〜睦月の暮らし〜

LINEで送る
Pocket

コメント

instagram-iconみんなのInstagram

人気の記事

2019.01.11

牛すじを使ってみよう。基本の仕込み『牛すじの下茹で』

2019.01.09

1月の和菓子 「知る人ぞ知る」から有名になった『花びら餅』

2019.01.08

冬の香りを召し上がれ『柚子ジャムと柚子パウンドケーキ』

2019.01.07

作り置き常備菜シリーズ『ゴロゴロおかず豚』

2019.01.07

台所育児エッセイ「暮らしに恋して」 『24 家族が大事ってことは、自分も大事ってこと』

2018.12.27

鉛筆を正しく使えるようになるために『指先を鍛える』

2018.12.27

台所育児エッセイ 「暮らしに恋して」『23 生命力が武器なのか!』

2018.12.23

材料4つ。シンプルで華やか『レモン大根』

2018.12.12

12月13日は新年に向けての準備をしよう『正月事始めのコト』

2018.11.30

ワンボウルで混ぜるだけ『バナナとココナッツのパウンドケーキ』

編集部おすすめ記事

2019.01.22

普段の暮らしを発信しよう『ケノコトライター・フォトグラファー募集のおしらせ』

2019.01.14

一生に一度の成人の日「成人」ってなんだろう?自分を振り返る機会に

2019.01.10

『鏡開き』はどうして「開く」と言うの?~鏡餅にまつわる話と上手な食べ方~

2019.01.09

覚えておきたいおやつレシピ『ガナッシュケーキ』

2019.01.07

一年で一番寒い時期の始まり『小寒』気軽に「寒仕込み」を楽しもう

2018.12.28

旬食材『鱈』ー鮮度が命の厳寒の海の幸。古くは縁起物でハレの日のごちそう ー

2018.12.27

鉛筆を正しく使えるようになるために『指先を鍛える』

2018.12.25

旬の大根で作る簡単晩ご飯『豚バラのみぞれ煮』

2018.11.30

旬の秋鮭をおいしく!『秋鮭の味噌漬け焼き』

2018.11.27

大きなツリーは飾れない!コンパクトに飾れる『おしゃれで可愛いミニツリー』

月間人気記事

2017.09.14

指先のカサカサを直したい!『指先の乾燥の原因とケア方法』

2017.07.16

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2018.03.26

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2017.04.01

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2017.03.05

大麦ともち麦って違うの?『知られざる麦のチカラ』

2017.10.28

押し麦、もち麦、丸麦…種類によって異なる美味しさ『麦ご飯の種類とあれこれ』

2016.11.20

ほったらかしで大丈夫。干し野菜レシピ『干し大根をつかった作り置きおかず』

2017.04.06

どんなおやつを選択してる?『低GIなお菓子を選んでみよう』

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』