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食のコト 2018.02.17

日本の春を黄色で彩る『菜の花のお話』〜如月の暮らし〜

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かつて、桜の満開が過ぎる頃に日本中のいろんな場所の畑や土手を一面の黄色に染めていたのが、菜の花です。その光景の美しさは「おぼろ月夜」の歌詞にも歌われ、歌人も春の歌として菜の花が大地を覆う姿を詠んでいます。今では春先にスーパーマーケットの野菜売り場で菜の花を見る事ができますので、どんな花か知っている方も多いのでは?ですが、菜の花の全体の姿を見る機会はあまりないかもしれませんね。

「菜の花」は何種類もある?菜の花と呼ばれる植物たち

「菜の花」という名前は特定の品種を指した物ではありません。実は「ナノハナ」という品種の植物はないのです。「菜の花」という名前の「菜」はキャベツや白菜といった「アブラナ科アブラナ属」の植物を言い、それらの花は全て「菜の花」になります。水菜、蕪、野沢菜、小松菜、青梗菜などの花も「菜の花」になるのだそうですよ。「菜の花」の見た目の特徴は黄色い花弁が4枚、十字形に咲く形になっています。
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「菜の花」の中でも代表的な「ナタネ」

アブラナの仲間で歌に登場している菜の花はナタネの花です。ナタネの原産地はトルコ高原と考えられています。それが奈良時代までには日本に渡って来ていたようで、「延喜式」という平安時代に作られた本にはナタネの古名である「蕓薹(オチ)」という野菜が「花芽を食べる」として記載されているそうです。

それが江戸時代頃になると「しめぎ」という方法でナタネから油を取る方法が開発され、それまでエゴマや魚の油が使われていた照明用の燃料としてナタネが大量に栽培されるようになりました。ここで一度ナタネは食用ではなく搾油用の作物として扱われるようになったのだそうですよ。「菜の花」を食べる風習はいわゆる「とう立ち」した他の野菜の蕾を使った物として続いていたようです。

明治時代になると燃料に石油が使われるようになったので、次第にナタネの生産が減って行きます。食用にもある程度使われていたそうですが、古い品種のナタネ油には心臓によくないとされるエルシン酸が含まれるとされ、海外で安全性の高い「キャノーラ種」が作られた事で安価なナタネ油が輸入されるようになったそうです。

食べる部位によって「菜花」「花菜」など、名前が変わる「菜の花」

現在食べられている「菜の花」の品種はナタネの親戚が多く、地域によってブランド化されて「菜花」「花菜」と言った名前が付いている事があります。葉にワックス分が少ない品種で、花と若葉を一緒に食べるタイプもあれば、蕾を中心に摘み取って食べるタイプもあります。トマトが品種によって見た目や味わいが違っている事がありますが、それと似たような感じですね。

雪が深い東北地方や北陸などでは寒さに強い「菜の花」が春先の貴重な青野菜として食べられて来たそうです。最近では品種によっては苦みがあまりない物もありますが、元々の菜の花には苦みがあります。春の山菜は苦みやえぐみが含まれていますが、和食はそれを季節の味わいとして楽しみますね。菜の花も元はそういう食べ物だったのかもしれません。春先の菜の花はビタミンCが多く含まれているので塩漬けの保存野菜で冬をしのいだ時代では何よりのご馳走だったのではないでしょうか。
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菜の花の食べ方は和風でも洋風でも

菜の花の食べ方は菜の花だけを食べるお浸しや辛子和えなどの他、お味噌汁やおすましのような汁物、ちらし寿司のあしらいに使って「菜の花寿司」にしたり、そぼろ丼の彩りにしたりする和風メニューの他、さっとゆでてパスタの具にしてもおいしく食べられます。

畑で上手く結球できなかった白菜をそのままにしておき、蕾が出たらそれを掻き取って「菜の花」として食べたり、キャベツの蕾(菜の花)をさっとゆでてソテーにする事もできますので家庭菜園をお持ちの方は収穫しそびれたものがあれば蕾が若いうちに試してみてはいかがでしょうか?
※蕾が出た白菜やキャベツの葉は固くなって味が落ちますのでご注意下さい。

記事/ケノコト編集部

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