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まめ知識 2018.02.17

日本の暮らし色『ひし餅の色は桃と雪とよもぎの色』日本独特の和色の感じ方

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ひな祭りは桃の節句とも言われますが、新暦の3月でおひな祭りをしようと思うと、桃の花の季節には少し早い地域も多いかもしれません。現代は3月上旬でも桃の花が手に入るので、ひな祭りのお祝いが華やいでありがたいですね。ひな祭りに付きものなのは桃の花とひし餅です。お節句にまつわる色にはどんな物語があるでしょうか?
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桃色=ピンクではない?「桃」の名が付く色と「ピンク」の花

いわゆる「ピンク」に分類される淡い赤は奈良時代頃には色として存在していました。その当時は「桃染(ももぞめ)」と呼ばれていて、華やかなさは抑えめで落ち着いた感じの色味です。「桃色」という名前は室町時代頃から使われるようになったそうですよ。
「桃色」という名前は一般的に桃の花の色から取ったとされる事が多いのですが、「桃花色」という色もあります。桃は果実も花と同じくピンク系統の色合いなので使う人の感性によって微妙に使い分けをされていたのかもしれませんね。
ピンクの比較
桃色という名前は私達にとって身近でよく使われてきた言葉です。クレヨンなどでピンクの物に「桃色」と名前が付いていたのを見た記憶がある方も多いのではないでしょうか?実はピンクとは元々桃とは別の花の名前なのだそうです。その花とは、ナデシコなのだとか。英語で「ナデシコ色」と特定の花の色を指していたのが、赤を淡くした色全般を指すようになったのだそうです。
ちなみに英語圏以外ではピンクの代名詞となる花の名前の色は「バラ色」が多いのだそうですよ。国によってピンク全体を指す花が異なっているなんて、面白いですね。ちなみに日本にも「撫子色」はありますがピンクとは色が少し異なっています。
日本の暮らし色18年2月

顔料などで大切な役割を果たす「胡粉」貝の殻から生まれる日本の白

ひし餅の白は桃が咲く頃に消える雪の色を指すという説があるそうです。今回、和の色としてご紹介する日本の白は「胡粉(ごふん)」という色です。胡粉の「胡」の字は「異国から来た物」の意味で使われており「胡瓜(きゅうり)」や「胡麻(ごま)」と一緒です。

最初に胡粉と呼ばれていた物は今では「鉛白(えんぱく)」と呼ばれる物で、金属由来の物でした。それが室町時代頃から蛤(はまぐり)の殻を焼いて砕いた粉を言うようになったのだそうです。近年は牡蠣の殻が使われる事が多いそうですが、仄かな黄色みの差した暖かい白で日本画に使われたりおひな様の顔を塗るのに使われたりするそうですよ。

「青」と「緑」は同じ色?古代にはなかった「緑」という色

ひし餅の緑は摘み入れたよもぎの色で、春の若草の命の色です。私達はこの色を「緑」と判断しますね。そして現在の私達が思う「青」という色は英語でいう「ブルー」に当たります。ですが元々日本では自然由来の寒色全体を「青」と読んで「緑」を使い分ける習慣がなかったのだそうです。そのため、古典などで「青」という場合、私達が思う「緑」に入る色が該当する事もあるようですよ。

現在でも「青菜」「青リンゴ」など緑色をしている物に青の字を当てる言葉が残っています。大正世代のおじいちゃんおばあちゃんには緑も含めて「青」と呼ぶ方も多いかもしれませんね。「青」に「ブルー」を当てる習慣が一般的な現代では少し不思議な気がしますが、色に対する感覚が時代と共に変化したわかりやすい例かもしれませんね。

早春の印でもあった蕨色(わらびいろ) 忘れられた日本の色

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
万葉集に収められたこの和歌は教科書などでご存知の方も多いのではないでしょうか。
「雪解け水が岩の上を激しく流れ落ちている。そのほとりではワラビが芽を出して始めている。ああ、春になったのだなあ」そんな季節の訪れに気付いた瞬間が歌われています。雪解けの頃に芽吹くワラビは古代の人にとっては春の使者のように思えたのかもしれませんね。

現代ではワラビがどんな風に生え、どんな色をしているか知らない方も少なくないと思います。詩人の茨木のり子さんが「色の名」という詩の中でワラビの色に触れていらっしゃるのを見付けました。ワラビ色はオリーブ色に取って代わられたような内容となっています。他にも今ではあまり使われない色の名前が出て来る詩ですので興味を持たれた方はぜひ調べてみて下さいね。

※今回、Webカラーコードは以下のサイトを参考にさせていただきました。
日本の伝統色 和色大辞典 – Traditional colors of Japan
https://www.colordic.org/w/
※蕨色は「オリーブ」ではなく「オリーブグリーン」を当てています。

ウィキペディア(ピンク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF

記事/ケノコト編集部

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