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まめ知識 2018.03.05

二十四節気の暮らし方『生き物たちが目を覚ます「啓蟄」』本格的な春へと変わる頃

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二十四節気で立春から三番目に当たるのが「啓蟄(けいちつ)」です。現代の日常ではあまり使われない文字の組み合わせですね。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫が冬ごもりする」という意味があります。

啓蟄の頃、眠っていた虫たちが動き出すと、動物たちも活動を始める

啓蟄も二十四節気であるため太陽の角度で日付が若干移動するのですが、2018年の啓蟄は3月6日となります。啓蟄という言葉は「冬眠していた虫たちが這い出てくる頃」を意味します。虫たちが動き始めると虫を食べている小さな生き物たちが食べ物を求めて活動を始めます。虫が出始める時期大体平均気温が10度を超え始める頃と言われているそうですよ。縦に長い日本では暖かい九州は啓蟄の日よりも先に春らしい気候になっていますが、東京や大阪では啓蟄より少し後の三月下旬頃にその頃合いを迎える年が多いようです。

啓蟄の行事は「菰はずし」江戸時代から行われる冬のお手入れの終わり

ちなみに啓蟄の行事として「菰(こも)はずし」と呼ばれる物があります。日本庭園などで冬の間、松の幹の一部にワラを編んだ物が巻き付けられているのをご覧になった事はないでしょうか?なんとなく紙コップに付けるカップホルダーに似ている佇まいですが、あれが「菰(こも)」と呼ばれる物なのです。元はコモという草で編んだ筵(むしろ)の事をそう呼んだそうですが、今ではワラで編んだ物の事も「菰」と呼ぶようです。では、なぜ菰を松の幹に付けるのでしょうか?

実は、あの菰は虫たちが越冬するための場所なのです。秋の終わりに松の木に菰を巻いておくと、松の近くで暮らしている虫たちが寒さに耐えるために菰の間に入り込みます。それを春になって虫たちが動き出す前に菰を外して燃やして始末する…という植木の冬期の世話の1つなのだそうです。菰を巻く「菰巻き」は江戸時代頃から行われており、本州で本格的に気温が上がってくる前の啓蟄の日に取り外す「菰はずし」が伝統的に行われて来ました。
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ところが最近の研究では松の害虫のマツカレハは菰より幹の割れ目に潜む事が多く、マツカレハを食べる益虫の方が菰に入っているケースが多いとして菰巻きを取りやめる庭園も増えているそうです。ただ、寒さに弱い常緑樹を保温するという意味では有効という考え方もあり菰ではなくネットを使った「雪囲い(冬囲い)」に変わっている事もあるようです。この先、晩秋から春の風物詩が少しずつ変化するかもしれませんね。

春の季語「初雷」の別名は「虫だしの雷」

春の季語に「初雷(はつがみなり/はつらい)」という言葉があります。これは立春の後に始めて鳴る雷を言います。この雷は時期的に啓蟄の頃鳴る事が多いのだとか。そのため「虫だしの雷」という異称もあります。古い時代の人達はこの時期に出て来る虫たちは雷の音に驚いて出て来る…と思ったのでしょうね。まるで雷が冬眠からの目覚まし時計の役割を果たしているようにも思えます。

ちなみに啓蟄と似た、春の訪れを指す「スノー・イーター(雪を食べる風)」という言葉があるのをご存知でしょうか?これは啓蟄と同じ頃、アメリカのロッキー山脈にフェーン現象による暖かい西風が吹き付ける事をいいます。時として数時間で山の雪が溶け尽くす事もあるそうですよ。それほどに寒暖差が激しいため、この時期は頭痛やイライラ、不眠を訴える人が増えるのだそうです。これは日本も同様で、乾燥した空気でスギの花粉や大陸から黄砂に乗ってやってくる有害物質が舞い上がり始めるなどして体にダメージを感じる事も多い時期です。あまりうれしくない春の訪れとして、この時期にアレルギーの症状が出る人も少なくないのではないでしょうか?
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気候が心地良くなってくる時期ですが、年度末で多忙になったり環境が変わったりと、気付かないうちにストレスが貯まってしまいがちです。また、雷が季語になる時期という事は気候が不安定という事です。そのため、気圧などの影響からも寝付きが悪くなったり、頭痛が出たりしやすい時期でもあるのですね。もし疲れを自覚していなくても無理はせず、体と心を休めながら芽吹き始めた緑や開き始めた花たちのパワーをもらって、新しい季節へと踏み出して行きましょう。

記事/ケノコト編集部

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