
着物はじめてさんの知りたいコト『お彼岸にチェックしたい和装の喪服その1』
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冠婚葬祭で着物というと、やはり成人式の振袖に結婚式の訪問着が思い浮かびますが、もう1つ、特別な和装として喪服があります。普段着の着物に興味がなくても着なければならない事もある喪服。「持っていないけれどいつ作るの?」と悩まれていないでしょうか?
地域によって喪のルールは様々。家族の葬儀に着るケースが多い
一般的に和装の喪服を着るのは両親や伴侶、子ども、祖父母といった濃い関係の身内の葬儀で、それ以後の法要は洋装のブラックフォーマルで済ませる事も少なくないようです。身内だけで行う場合、近い身内の葬儀でも洋装にする方もいらっしゃるようですよ。また、葬儀屋さんは大抵貸衣装屋さんや美容院と提携していて喪服のレンタルや着付けの斡旋をお願いすれば対応してもらえます。ですので、最近では必ず和装の喪服の用意が必要とは言い切れないようです。
とはいえ、地域的にある程度の年齢になれば持っているのが常識であったり、自分で持ちたいと思った場合は用意する事になります。和装の喪服はお嫁入りの時に誂えるケースが多いようですが、その機会を逃したり、作り直したりしたいという時、タイミングに困る方も多いのではないでしょうか。
喪服を作るタイミングは厄年やお彼岸、または他の着物を作るついでに
基本的に喪服を作るのにいいタイミングは「身内に亡くなりそうな人がいない時」です。病気で入院したタイミングや余命を切られている状態で喪服を誂えると亡くなるのを待っているようであまり気分が良い物ではないですよね。
喪服を作るタイミングとして、独身の方の場合、30才になったのを期に自分で作られる方もいらっしゃるようですよ。それ以外で何か機会が欲しい人にお勧めなのは厄年です。なぜ厄年かといいますと、女性の場合最初の19才の厄年以降は33才の大厄、37才、61才と喪服を持っていてもおかしくない年頃だったり、逆にシニアになって体型が変わる事や体の調子と相談して和装より洋装の喪服で良い物に買い換えするかどうか考えるのにちょうど良い頃合いになるのです。
また、厄年には厄除けに「長い物を身に付ける(贈る)」と良いとされていますが仕立てる前の着物は長い反物になっていますので、自分への節目の贈り物として誂えても良いのではないかと思います。ちなみに厄年は本厄の前後が「前厄・後厄」となっていますので30代であれば喪服を作る理由付けができる年が6年もありますよ。
ちなみに2018年の厄年の方は以下の通りです。
19歳/2000年(平成12年)
33歳/1986年(昭和61年)大厄
37歳/1982年(昭和57年)
61歳/1958年(昭和33年)
※厄年は数え年になるので実際の年齢より早く年を取っている事になります。
また、季節的に春分・秋分の日の前後がお彼岸となりますので、お彼岸参りの延長でブラックフォーマルのチェックを行い、その流れで誂えるのも気分的に抵抗が少ないのではないでしょうか。後は夏になりますがお盆も年中行事として仏事を行いますのでおすすめです。
和装の喪服は季節によって違う生地。まず一枚作るのなら「袷」
着物は季節によって仕立て方や生地が違って来ます。当然、喪服も季節によって「袷」「単」「薄物(夏物)」があります。そのため、呉服屋さんの広告で「喪服フルセット」のようなパッケージになっているお仕立てだと、これら全てが入った高額セットになっている事があります。ですが喪服はできれば使いたくない、使う機会があって欲しくない物です。そのために高額な代金を払うのも…と躊躇してしまうのが人情です。また、こういうセットは他に一切着物を持っていない場合は有り難いのですが、腰紐などの着付け用具を既に持っている場合はもったいないですよね。そういう場合はまず、着る機会が多い裏地のついた「袷」と真っ白い礼装用の襦袢を作るのがおすすめです。帯揚げや帯締めは場合によっては身内で余っている事もありますので尋ねてみて、なかったら購入という形でOKです。
本来、6~9月は裏地のない「単」を着ると言われていますが、最近では喪服の場合は袷の他は「薄物(夏物)」に当たる「絽(ろ)」という透け感のある生地の物を用意し、単の時期は袷か絽で対応する事が多いようです。ですので、和装の喪服でオールシーズン対応したい場合は袷の他は「絽」の物があれば良いそうですよ。注意したいのは帯も襦袢も季節によって袷用と夏物とで厚さが違いますので袷と絽では兼用できません。特に襦袢の夏用は正絹より高級ポリエステルの洗えるタイプがおすすめです。
記事/ケノコト編集部
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