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まめ知識 2018.04.19

日本の暮らし色『晩春を彩る柔らかな藤の色』日本の女性を美しく装ってきた色

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春の終わりになると、花木は華やかな大輪の花々を開かせます。低木では暖色の花が多い躑躅(つつじ)や牡丹が華やかに庭を彩ります。そして、もう一つはたおやかにしだれて風に揺れる藤の花。
藤は品種によっていくつかの色がありますが、やはり代表的なのは「藤色」という名で親しまれる淡い紫の花です。この花と色は古代から日本人に愛されていました。
1

風に散る姿から名づけられた「藤」の名前

藤の花の名前は、花が風に散る様子を「風散(ふぢ)」と言った事から名づけられたそうです。桜と同様に散り際の美しさが愛でられた花と言えますね。藤その物の名前は万葉集にも登場し、繁殖力が強い事から縁起の良い物として扱われ、貴族の姓に取り入れられて行きます。後に藤原氏の隆盛もあってその花の色も高貴な物として扱われて行く事になります。

藤色」という色は平安時代には既にあったそうで、藤の名が付くバリエーションは時代と共に増えていき、今では21種類ほどの藤色が伝わっているのだとか。この色は特に女性が好んで身に着けた色です。高貴な色とはされていましたが特別な時に着るというより日常的に着られていた色だったようです。

英語にもある「藤色」。でも日本とは違う色?

ちなみに藤の色を指す「藤色」は日本語だけではなく英語にもあります。英語でも藤の名前をそのまま使った「ウィステリア(ウィスタリア)」という名前になっています。ですが、その言葉が指す色合いは日本語の藤色が指す色と少し異なっています。ウィステリアの方が少し青みの強いはっきりした色合いになっています。
ヨーロッパに藤があるの?と思うと少し不思議な気がしますが、江戸時代に日本にやって来たオランダ人医師のシーボルトが、園芸品種に適した野生植物の一つとして日本に自生していた藤を持ち帰って紹介した事から広まったのだそうです。日本では「藤棚」といういわゆるパーゴラ仕立てにして楽しみますが、ヨーロッパでは壁面仕立てにして壁一面に藤を這わせている事が多いそうです。写真などで見ると、ヨーロッパの街並みと藤色は色合いがマッチしていてとても引き立って見えます。そして赤茶やグレーを背景にしているせいか藤色よりも鮮やかな、ウィステリア色の部分が目立って見える気がします。同じ花でも文化圏によってイメージが違うのかもしれませんね。
和色・藤

藤色とそこから派生した色たち

藤色は人気があったため平安時代から現代まで使われ続けています。染色技術が進んだ江戸時代中期以降、染色で出せる色が飛躍的に増えて行きますが、その頃に藤色から派生した色も数多く生まれます。例えば今回取り上げた「紅藤」にはさらにその色を淡くした「淡紅藤(あわべにふじ)」という色も誕生しています。

藤色自体も基本色の紫からの派生という位置づけになりますが、暖色の赤と寒色の青の中間に当たる紫ほどコントラストがきつくなく、ピンクと水色の中間に当たるため柔らかい印象で心が安らぐ色ですね。
和色4月

紅藤

江戸時代に作られた色だそうです。藤色はどちらかというと大人の女性に似合うとされ、こちらの紅藤は若い女性向きの色とされていたそうです。とはいえ江戸時代は結婚が早く、二十歳あたりで落ち着いた年頃の女性という扱いだったようですので10代前半の女の子向きの藤色という感じでしょうか。ちょうどピンク色の藤と似た色です。

藤納戸

こちらも江戸時代に作られた色です。まず先に「納戸色」という緑がかった暗い青が流行し、藤色にその色味をブラスした物です。落ち着きがあって品の良い色です。現代の着物でもよく見かける色です。

白藤色

全体的に淡い藤色の品種の花とよく似た色です。実際の藤には花弁全体が真っ白な物もありますので「白藤(しらふじ)」というとそちらを指します。この場合の「白」は現代の感覚で言う「ペール・ウィステリア」のように淡いという意味合いで使われているのかもしれませんね。

藤の花の見ごろは4月下旬頃からです。甘い花の香りも平安貴族に愛された理由の一つでした。晩春を飾る季節の花の色を身に着けて、藤のお花見にお出かけしてみてはいかがでしょうか。

記事/ケノコト編集部

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