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ケノコト独自の視点から、様々な人や場所、物を取材して、WEBをはじめとする色々な場所で公開します。

取材 2018.04.19

アウトドア用品、アンティーク家具、コーヒーも!『何でもあり?なちょっと変わった自転車屋』

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南アルプスと中央アルプスの山々に囲まれた、長野県伊那市。そこに一風変わった自転車屋があります。屋号は「CLAMP(クランプ)」。表向きは自転車屋ですが、わたしがこのお店を誰かに伝えるとしたら、ユニークとエンターテイメントでできあがっているお店。そう表現すると思います。
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確かに自転車屋なんだけど、でも、ただの自転車屋じゃない。アウトドアウェアにバックパック、そしてシングルバーナーなどのアウトドア小物。ここまでは分かります。でも、アンティーク家具から古着、そしてコーヒー豆にわたあめ機まで並んでいる店内は、もはや自転車屋の域を超えて、ある意味エンターテイナー的存在。ありとあらゆるアイテムが所狭しと陳列され、店内はワクワクが詰まった巨大なガレージ。まさにそんな感じなのです。
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思いがけない縁から生まれた、唯一無二の個性派ショップ

「CLAMPをはじめる前、僕はアウトドアのガイドをやっていて、定住のために家探しをしていたんです。そんなとき、知人から「おもしろい家に住んいでる人がいるから、紹介するよ」と。それで紹介してもらったのがうちの社長でした。伊那市にある社長の家を見せてもらったんですけど、自分で設計した家のなかに古道具がすてきに置いてあって、めちゃくちゃかっこよくて。それを機に社長とは交流するようになり、あるとき、いきなりこう言われたんです。「僕は伊那の街を元気にしたいと思っている。だから、おもしろい人がいて、おもしろい物件があったら、僕はお店の立ち上げをサポートしたい。武村くんなら、何屋をやりたい?」と。

16お話をうかがったCLAMPの店主、武村信宏さん(45歳)

突然の質問に、「僕はお店をやるつもりはありません!」と一度は断ったそうですが、社長の熱意に次第に心を動かされ、真剣に考えるようになっていったという武村さん。かつて自転車屋に勤めていた経験から、「自転車屋ならできるかもしれない」と思い立ち、1年の準備期間を経てオープンしたのが、この「CLAMP」だったといいます。

12武村さんの一押しは、クレイジーシープの「ビッグホーン」(¥200,520)。街乗り、バイクパッキング、トレイルライドなどいろいろな用途で走れるモデルとのこと

これまで、お店の経営経験もなければ、責任ある役職にも就いたことがなかったという武村さん。さらに商品の仕入れの仕方も、コネクションもなく、すべて1からのスタート。右も左も分からないままお店を立ち上げる苦労というのは、想像に難くありません。

「当時は自転車ブームで、新しいお店がどんどんオープンしていました。そんななか、実店舗を持っていないのに「1年後にお店を出します!」と言っても信用してもらえず、なかなか商品を仕入れることができませんでした。しかも、ここの敷地はとても広い。このスペースを埋めるには、一体どのくらい商品を集めて、どうレイアウトしたらいいんだろう?と。自転車に乗る人、乗らない人、どんな人でも楽しめるような、“自転車屋らしくない自転車屋”をコンセプトにしてお店づくりをしましたが、イチから作業するのは、とてもとても大変でした」

8ストレッチ性が高い、ディーパーズウェアの「ハイキックジーンズ」(¥16,200)。ベルトなしでもフィットするので自転車に乗るときにも重宝するそう

1自転車に関連するアイテムはもちろん、日常で使える小物も充実。写真はロウロウマウンテンワークスの「Tibitibiトート」(¥6,156)

“古道具”と“アウトドア”のすてきな融合

ガイド時代のあらゆるコネを総動員して、なんとか商品を集めることができたという武村さん。しかし、次の課題は、“古道具”の存在だったといいます。

5商品の陳列に使われている棚はすべて値札が貼られていて、購入OK

「もともと社長は、同じ伊那市にある『草の音』という古道具と花屋のお店をやっているので、CLAMPをオープンするにあたり、古道具を什器として使って、いっしょに売ってほしいというオーダーがあったんです。使ってさえくれれば、あとは武村君の好きなようにやってくれ、と(笑)。

とはいえ、古道具を什器にするにはどうやって使えばいいんだろう?と悩みました。だって、ホイールやタイヤ、フレームなんかの自転車アイテムは吊り下げて展示するものが多いんですよ。でも、扱っている古道具は日常生活で使っていたもので、棚や机が多い。どう見せようか悩んだ結果、下駄箱をカタログの棚として使ったり、本来の用途から離れて活用したりすることにしました」

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「古道具は地味だけど、その分、商品が映える」と武村さん。どうしても吊り下げたいフレームやウェアの什器にもこだわり、既成品は使わず、すべて職人さんに作ってもらったオリジナルとのこと。いろいろなモノを並べても雑多に見えないのは、そういった工夫によるものなのかもしれません。

2CLAMPの店内にいると、古道具と最新のギアが違和感なく見えくるから不思議です

ほかにも気になったのが、“セルフスタンドコーヒー”というシステム。なんでも、数種類ある豆の中から飲みたいものを選んで、その場で挽いて飲むことができるそうです。

10豆は自家焙煎の専門店から取り寄せたものをセレクト

「僕がコーヒーを提供するとなると、いろいろな許可が必要になってくるので、だったら僕は豆だけを売って、お客さんにセルフで淹れてもらえば問題ないな、とひらめいて(笑)。もちろん、豆だけのお買い物もウェルカムです! 気軽に立ち寄ってもらえたら嬉しいですね」

11棚にはお客様のコーヒーカップがたくさん。まさにボトルキープの感覚です

9コーヒーブースの脇には、なんとわたあめ機も!

CLAMPを通して、みんながアウトドアを日常的に楽しめる街に

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「あるとき社長に、「僕は古道具の街にしたいと思って『草の音』をやっているけど、武村君はCLAMPで伊那をどんな街にしていきたい?」と聞かれました。正直、お店をやるのにどんな街にしたいかまでは考えたことなんてなかったけれど、そのとき「みんながアウトドアを日常的に楽しめる街にしたい」と僕は思いました。定期的に開催しているグッドモーニングランやナイトラン、ヨガ、ベーカリーライドなどのイベント事も、その一環です。お店で立ち上げたランニング部や自転車部があるのですが、お客様の中に部長を引き受けて下さる方がいらっしゃるので、企画してもらったり、仕切ってもらったり。一緒に楽しんでいます」

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部活と称して、毎週のようにお客さんとフィールドに出かけているという武村さん。伊那市やその周辺で楽しめる遊び方を共有し、伊那市の魅力、アウトドアで遊ぶことで得られる充足感を発信し続けているといいます。

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セレクトしている商品はもちろんのこと、空間を最大限生かした店内ディスプレイ、奇想天外の組み合わせ、無駄におしゃれなトイレなど、どこを切り取ってみても「え、こんなことまで!?」という驚きとワクワクが詰まっていて、「来てくれたお客さんを楽しませたい」という武村さんの想いを強く感じました。常連さんが多いのも納得ですし、むしろここの常連になったら絶対に楽しい!!、そう思わせてくれるほどです。

CLAMPには、“かすがい”という意味があるそうで、ここに来ればきっと何かと引き合わせてくれる、そんな気がします。

みなさんもぜひ、自転車屋という枠にとらわれないCLAMPワールドを体感してください!

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『CLAMP』

<住所>

〒396-0023 長野県伊那市山寺249-1

<営業時間>

11:00~20:00

<定休日>

毎週木曜日、第2・第3水曜日

<ウェブサイト>

http://clamp-bike.com/

(写真:茂田羽生)

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