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まめ知識 2018.05.17

5月の誕生石『エメラルド』~皐月の暮らし~

新緑の眩しい盛りである5月の誕生石はエメラルドです。目にすれば心が安らぐと言われる緑をまとった宝石ですが、その輝きはどこか艶めかしく不思議な魅力に満ちています。

紀元前から愛されたエメラルド。クレオパトラもお気に入り?

エメラルドは紀元前4000年前頃のバビロニアでは既に宝石として珍重されていました。宝石の中でも最も古い歴史を持っています。記録で辿れる最古のエメラルドの採掘を行っていたのはクレオパトラ7世。世界三大美女の一人で、プトレマイオス朝の最後の女王です。

エメラルドに魅了されたクレオパトラは鉱山から産出したエメラルドを装飾品にするだけでなく、粉にしてメイクにも使っていたのだとか。エジプトと聞くとあの特徴的なアイメイクが思い浮かびますが、実はあのメイクはおしゃれよりも大事な意味があります。

というのが、古代のエジプトでは乾燥した環境に加えて現代と比べると不衛生だったためハエが多く発生しており、それが水分を求めて人の目にたかったりするのが当たり前だったのだとか!それでハエが眼球に細菌を感染させるために眼病になりやすかったのだそうです。鉛と鉛塩を顔料に混ぜたアイシャドウを塗ると細菌の感染を抑えられる効果があったため、身分が高い人は孔雀石やラピスラズリを使い、庶民はアーモンド粉を焼いた黒い粉を用いたアイメイクが行われたようです。クレオパトラの瞳は緑色だったという説がありますが、目の色に合わせてエメラルドのアイシャドウでコーディネートしておしゃれをしていたのかもしれませんね。さすがは女王様らしく、スケールの大きな話です。
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「緑の石」が名前の意味。「癒やし」をもたらすとされた宝石

エメラルドは宝石としての歴史が古い事は名前からも見て取れます。エメラルドという言葉はサンスクリット語で「緑の石」を意味する「スマラカタ」が、ギリシャ語、ラテン語、古フランス語で変化して行くうちに「エメラルド」に変化したのだそうです。つまり緑の宝石といえばまずエメラルド、という特別な扱いを受けていた宝石といえるかもしれません。

鉱物としてのエメラルドは「緑柱石/ベリル」の仲間で、アクアマリンやモルガナイトの色違いといっていい存在です。ですが宝石としては濃い緑のエメラルドが突出した価値を持ち、黄緑に近い物はヘリオドールやグリーンベリルといった違う石の扱いで値打ちがうんと下がってしまうのです。

古代の人たちはエメラルドには人を癒やし、眼病を治す効果があると考えていたようです。実際に、緑という色は安らぎをもたらすと言われますが人間のリラックスを司る副交感神経に働きかける作用もあり、眼球も緑を見る時は屈折率の関係で目の緊張を解いた状態になるのだそうです。そんな経験則からエメラルドは体に良い効果をもたらすとして評価したのでしょうか。きっと、理屈抜きに美しい緑に魅せられた人が多かったのではないかと思います。
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三島由紀夫の遺作を彩るエメラルドの指輪

物語に登場するエメラルドで印象的なものに三島由紀夫の遺作、「豊穣の海」があります。この物語は輪廻転生をテーマした作品で、4巻で構成されていますが物語の中での大切な小道具としてエメラルドの指輪が登場します。

その指輪はまず一巻に登場します。元々シャムの王女の持ち物で、恋人である従兄弟の王子が日本に留学する際に選別として贈られた品物です。しかし、王子はそれを大学の寮で紛失するのです。後に指輪の持ち主だった王女は急死。王子たちが帰国した後しばらく指輪は登場しません。指輪が印象的に再登場するのは第三巻の「暁の寺」。自分を日本人の生まれ変わりと自称していたシャムの王女の元に長い時を経て発見されたエメラルドの指輪が贈られるのです。老いた日本人の弁護士が年若い異国の王女に恋心を抱くというどこか妖しげな輝きのあるエピソード。

エメラルドの姉妹のアクアマリンが澄み切った清楚の少女なら、エメラルドは一筋の陰のある大人の女性の雰囲気を感じます。実際、アクアマリンは内包物がほとんどなくクリアな石であるのに対して、天然のエメラルドは内包物や傷を隠し持っています。もしエメラルドと目が合ったらその深い緑の底まで眺めてみて下さい。ドラマティックな思い出が、石の中にしまってあるかもしれませんよ。

記事/ケノコト編集部

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