
着物はじめてさんの知りたいコト『自分らしい浴衣の楽しみ方』その1
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連休が開けると、店先には新作浴衣が並び始めます。最近ではファストファッションのお店でも手頃な価格の浴衣を取り扱うようになり、夏場の気軽なおしゃれ着として浴衣を選ぶ方も多いですね。花火大会などのイベントではポップな色柄の浴衣を着た女の子をたくさん見かけます。
多くの浴衣は価格の手頃さも手伝ってラフなイメージの物も多いのですが、選び方によってはお祭りなどのイベント着だけではなくランチなどのお出かけに着て行く事も可能です。着付けを初めてみたいけれど本格的な着物では敷居が高いと感じている、着物はあるけれど全ておばあちゃんやお母さんから譲られた物ばかり…という大人の女性におすすめの浴衣と着方のポイントをご紹介します。
浴衣がリラックス着かお出かけ着になるかの分かれ目は2つのアイテム
浴衣は「元は湯上がりのバスローブだった物だからリラックス着にしかならない」という意見もありますが、それは実際にリラックス着としての浴衣しかなかった時代の話といえるかもしれません。実際に現在も寝巻きとしての浴衣も販売されていますが、生地も柄行もファッションを楽しむために作られた浴衣とは全く異なっています。
浴衣と普通の着物の一番の違いは襦袢(衿)と足袋の有無です。
着物の場合、夏であっても通年を通して襦袢と呼ばれる肌着に該当する着物を着てから服に該当する着物を重ねて着ます。これに対し、浴衣はショーツなどのインナーの上に浴衣一枚を着ます。見た目では、着物は襦袢の衿が見えているのですが、浴衣にはそれがないのです。
また、足元も着物は足袋を履きますが浴衣は裸足のままです。洋服であってもストッキングやパンプスを履いているのと裸足にサンダルでは後者の方が砕けたカジュアルな着こなしになるのと同じです。
見た目で「着物」か「浴衣」かを判断する大きなポイントはその2つです。浴衣も、下に襦袢を着て足袋を履けばフォーマル度を上げる事ができます。もちろん素材や柄行、帯の締め方など装いの格を決めるポイントは他にもたくさんありますから、下着さえ着れば全ての浴衣が着物と同じ扱いになるわけではありませんが、ここが一番のポイントという事を押さえておきましょう。
お気に入りの一枚は着物風にも着てみよう
お気に入りの浴衣が見つかったら夏着物風に着てみませんか?といってもそれほど難しい事はありません。先程解説した通り、衿が見えるように着て足袋を履くだけです。
とはいえ、足袋はともかく襦袢を用意するのはちょっと大変ですね。でも、浴衣を着物風に着るのに便利なアイテムがあります。それは「うそつき衿」や「美容衿」と呼ばれる付け衿です。これは襦袢を省略して着物を着る事ができる他、衣紋抜きがしやすいので襦袢を着るより衿の型がきれいに決まる道具です。浴衣を夏着物風に着る以外の用途でも多く使われています。
使い方は浴衣スリップなどのインナーの上から首にかけ、衣紋を抜いて腰のベルトを止め、打ち合わせた衿の端を腰のベルトに挟んで止めるだけです。本格的に襦袢代わりに使う場合はうそつき袖と呼ばれる襦袢の袖部分もプラスします。価格は五千円位前後ですので着付けの便利アイテムとして一つ持っていると色々な場面で重宝するかもしれません。
浴衣の帯は半幅帯か兵児帯?大人ならお太鼓を合わせても素敵
大人の浴衣で悩ましいのは帯の合わせ方かもしれません。兵児帯はどうしても家で着るリラックス着に近いコーディネートになってしまいますし、半幅帯も結び方によってはカジュアルに寄りがちで、何よりヒップが目立つ気がする…という問題も。そんな時はお太鼓結びできる帯を浴衣に合わせても素敵です。ただし、浴衣にお太鼓をする時はいくつかポイントがあります。
使う帯は重くない物を
浴衣は素肌に一枚で着る軽やかさがポイントですので普通の着物用のしっかりした帯はNGです。木綿や麻、紗献上のような軽くて涼しげな物を合わせて下さい。薄手の軽装帯(二部式の作り帯)があれば浴衣にも合いますし簡単にしめられておすすめです。
帯枕や帯揚げはなるべく目立たせない
角出しのような腰紐にハンドタオルを巻いて帯枕にするような結び方にしたり、帯揚げがあまり見えないように着付けるのがおすすめです。
一枚で着る浴衣にお太鼓の組み合わせは着物が日常着の人の場合、それほど珍しい物ではないようです。帯が浴衣に対して重厚すぎなければしっくりまとまりますので、夏帯があればチャレンジしてみて下さいね。
記事/ケノコト編集部
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