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まめ知識 2018.06.04

日本の暮らしの言葉『梅雨を彩る言葉たち』〜水無月の暮らし〜

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言葉は使う人がいなければ、生き続けられないものといえるかもしれません。メディアの発展から標準語を使う機会が増え、土地の言葉を使う人が減ったり、通信手段の変化で手紙独特の表現が廃れたり…。時代流れによって、知られる機会が減った言葉には、日本の暮らしの中から生まれた趣き深い響きが数多くあります。

雨の言葉

降ってきた雨が当たらないように雨を避ける事を「雨隠れ(あまがくれ)」とも言います。現代のイメージであれば適当な建物の庇の下に飛び込む様子が浮かぶでしょうか。「隠れる」というのですから、かつては木の下など物の影に隠れるように身を寄せた様子を言ったのかもしれません。同様の表現に「笠宿り(かさやどり)」という言い方があるそうです。笠と言いますが、軒下や木陰で雨宿りする事です。笠は頭にかぶる雨具ですが、今となってはまず「笠」とは何のことを指すのか説明しないと通じないかもしれませんね。

雨が止む事を「雨が上がる」という言い方をしますが他には「雨開(あまあけ)」という表現もあります。雨が作った水の帳(とばり)が開けるイメージでしょうか。どことなく薄暗かった雨雲が風に流されて消え、からりと晴れ上がった快晴の空を思わせる気がします。

かわきぎす

漢字で書くと「川雉子」となります。これはカエルの別の呼び名です。田んぼが身近にある環境だと水温が高くなってくる頃合いから少しずつカエルの鳴き声が響き始めます。田舎は静か、と言われる事もありますが稲を育てるために田んぼに水が入って水田になる頃からは、毎晩にぎやかな歌声が響き渡ります。

川の雉子(きじ)という字を当てられていますが実際には鳥のキジの鳴き声とはそんなに似ていません。よくキジの鳴き声をケーンケーンと表現しますが実際に聞くとケー、ケーッという表記の方が近い気がします。キジの繁殖期は4月から7月頃。その時、特徴的な声で鳴くのですが、このキジの恋の季節とカエルの活動する季節が重なっています。昼間はキジが、夜にはカエルが鳴くのを聞いて、そのにぎやかさに「川にも雉子がいるようだ」と感じた事からこんな呼び名がついたのかもしれませんね。

また、一説には川雉子とはカジカガエルの事を指すともあります。こちらのカエルは渓流に生息しているため、人家に近い所では鳴き声を聞くのは難しいかもしれません。カジカガエルの鳴き声は確かに鳥のようでもあり、笛の音のようでもある涼しい響きです。もしトレッキングなどで訪れた渓流から不思議な音色が聞こえたらカジカガエルの声かもしれませんよ。

雨の音を「雨声(うせい)」とも言うそうですが、梅雨時は雨の声と川の雉子のデュエットがひときわ大きく響き渡ります。子どもが幼い頃、梅雨入り前にカエルが鳴き始めた時期に「お外の音が違う」と季節の移り変わりを音で感じ取った事を伝えてきた事がありました。暦がなかった時代の人も、きっと同じように音で季節を確かめていたのだと思います。

五月晴れと五月闇、五月雨

旧暦では梅雨は5月に当たりましたので梅雨の晴れ間を「五月晴れ」と呼びました。その反対に「五月闇」という言葉は初夏の夜の事ではなく、梅雨の薄暗い様子を「闇」と表現したそうです。雨がちな空模様の鬱陶しさが伝わってくる感じがします。

他に「五月」がつく言葉で有名なのは「五月雨(さみだれ)」でしょうか。これも文字そのままに「5月に降る雨」を意味するのではなく、梅雨の事を言います。「さみだれ」という音は「皐月(さつき)」の「さ」と「水垂れ(みだれ)」が合わさった意味なのだとか。この言葉は梅雨そのものを意味する他にも、梅雨の雨が断続的に降ったり止んだりする様子から物事が途切れ度切れに繰り返す表現にも使われていたそうです。

ビジネスメールで「五月雨式で申し訳ありません」とお詫びするのは、伝達事項が一度に伝えられず小出しに何度も連絡する場合に対して使われます。五月雨の意味がわかっていないとちょっと理解が難しい表現かもしれませんね。

五月雨のように、何気なく使っている言葉を文字にしてよく見ると、どういう来歴でこの字を当てているのかと不思議になる事も少なくありません。身の回りの言葉であれ?と思う事があればぜひ調べて見て下さい。意外な由来があるかもしれませんよ。

記事/ケノコト編集部

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