
二十四節気の暮らし方『稲の撒き時「芒種」』時間の過ごし方を振り返ろう
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2018年の芒種は6月6日に当たります。芒(のぎ)とは、穀物の実の先端に尖った針がある稲や麦などのイネ科の植物の事です。二十四節気ではこの日は芒の種を蒔くのによい頃合い、として芒種という言葉が当てられています。
昔とは違ってきている天候と農業の変化
世代や暮らし方によって農業に対する季節感覚は違ってきます。実際に稲作や畑での野菜栽培を目にした事がなければいつ頃どんな野菜が取れるか、といういわゆる「旬」を実感する事はできません。周囲に農作物の栽培を行っている環境があっても、実際に育てていなければ米や野菜が収穫できるまでにかかる時間を知らない方も多いのではないでしょうか。
かつては自分が口にする糧は自分で育てなければならない状況でしたので、今ほど正確な暦や記録がない状態でも安定した農業を行うために色々な知識をことわざのような口伝えで後に伝えて来ていたのです。
二十四節気の中に時々混じる農業に関するキーワードを拾っていくと、現代の農業より一ヶ月ほど後ろ倒しで栽培の間隔がゆったりしているように感じられます。これは温暖化などで最近の気候が変化している事に加えて、品種改良や栽培技術な農機具などの発展でタイトなスケジュールでの栽培、収穫が可能になった事を意味しています。
安定した収穫を得られるという点で現代の農業は私達の暮らしを支えてくれていますが、本来自然と向き合って行う作業であっても効率化の対象となっている事を考えると手放しで喜んでばかりもいられない気がします。
時間がない、そんな風に思った時は一度振り返ってみよう
気がつけば時間がない…そんな風に感じた事はないでしょうか。
かつて日本人の生活の大部分を占めていた農作業は近年では一部のプロが担い、多くの人は別の仕事をする事で生活が回って行くようになりました。大人だけでなく、子供も勉強や習い事で予定が一杯、という事も珍しくありません。
たくさん欲しいのにお金で買えない、時間。最近では「時短」というキーワードで少ない時間で効率よく多くの作業をこなす知恵がシェアされたりもしています。もちろん暮らしていく上で時間を上手く使う方法を知る事は大切ですが、効率を最優先していると「いかに多くの事をこなしたか」が大事になって「何がしたいか」という気持ちが置き去りになっていないでしょうか。
雨の日はちょっと一休み。本当にしたい事は何か考えてみよう
芒種の頃は西日本から関東も本格的な梅雨入りの頃合いです。「雨が降ると頭が重い」「なんとなくやる気が出ない」と感じる事はありませんか?
人間も動物なので雨の日は活動を抑える本能が残っているのかもしれません。新年度が始まって2ヶ月、体がちょっと休憩したいと感じるタイミングでもあります。お休みの日が雨降りになってしまったらおうちでゆったり過ごしながら、生活を振り返ってみるのもおすすめです。
仕事のスケジュールで「無理をすれば行ける」と判断した事は本当にこのままでいいのか、あれもしたいこれもしたいと詰めすぎている予定があればそれは本当に全て必要なのかと再度考えてみましょう。
また「今はまだ我慢できる」と感じている小さな不調はありませんか?体で言うと、肩こりや腰痛などは軽度のうちから原因となっている習慣に気をつけて対処をすれば回復は早いのですが、放置して悪化し、生活に支障が出る段階になってからでは治療にも時間がかかってしまう事も。心も体も不調になってしまうと健康を取り戻すのはとても大変です。「これくらい平気」をため続けて後の自分に負担をかけないよう、暮らしの内容をチェックしてみて下さい。
一雨ごとに作物が育つ季節です。のびのびと育つ植物のように、健やかにお過ごし下さい。
記事/ケノコト編集部
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