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まめ知識 2018.06.13

料理によって使い分け!とろっと食欲そそる『とろみ素材』の特徴と原材料

目次

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スープやあんかけなど、「とろみ」をつける料理を作る際、何でとろみをつけていますか?とろみをつける代表的な素材として「片栗粉」がありますが、片栗粉の他にもとろみをつける素材があります。一体どのような種類があるのでしょうか。また、とろみがつくためにはどのような成分が関係しているのでしょうか。

とろみ素材の原材料とは

片栗粉

原材料名
馬鈴薯でんぷん(北海道産・遺伝子組み換えでない)

片栗粉はでんぷん100%で出来ています。
原材料は馬鈴薯でんぷんと呼ばれるじゃがいもから作ったでんぷんです。かつては日本の北東部の原野に自生するユリ科の「カタクリ」の鱗茎(りんけい:球根のこと)からとれるでんぷんを使用していました。カタクリの根茎から取れるでんぷんの量があまりに少ないことから明治時代以降は、カタクリのでんぷんと似た性質があったじゃがいもが片栗粉として使われるようになりました。
ちなみに、カタクリの花は4月あたりに地面から10cm~15cmくらいのところで、薄紫の花を咲かせます。

カタクリ

コーンスターチ

原材料名
とうもろこしでんぷん(遺伝子組み換えでない)、酸化防止剤(無水亜硫酸)

片栗粉がじゃがいものでんぷんを原材料にしていましたが、コーンスターチはとうもろこしのでんぷんを原材料としています。

とうもろこし

葛粉

・並葛
原材料名
甘藷でんぷん(国産)

・葛粉
原材料名
九州産本葛55%、九州産甘藷でん粉

・本葛粉
原材料名
本葛澱粉

葛は秋の七草としても有名なマメ科のつる性多年草です。葛の根からでんぷんを取り出して精製し、食用の粉にしたものが葛粉になります。
「くず」の名は吉野にある、地名の「国栖(くず)」に由来しています。国栖は手漉き和紙や割り箸作りなど有名で、葛作りと同じように伝統が息づく村なのだそうですよ。

「吉野本葛」は葛の根から取り出したでんぷん(葛でん粉)だけを原材料とし、寒水に晒して精製したものを言います。吉野本葛は高価でなかなか手に入らないため、一般に葛粉として売られているものの多くは、甘藷でんぷんやじゃがいも、コーンスターチを混ぜたものです。

葛

とろみがつく成分とは

どのとろみ素材にも共通しているのが「でんぷん」です。このでんぷんの作用によって料理やお菓子にとろみをつけることが出来ます。しかし、片栗粉やコーンスターチなどのでんぷん素材食品は植物に含まれるでんぷんを単離したもので、元の植物の種類によって異なる性質を持っています。

でんぷんの性質

・糊化(α化)
でんぷんに水を加えて加熱すると、でんぷんの粒子が水を吸収して膨らみ、液体の透明度が次第に高く、粘性も高まります。加熱を続けることでさらに水を吸収し、次第に粘性が失われゆるくなっていきます。この一連の流れを糊化またはα化といいます。

・老化(β化)
水を加えて加熱して糊化したでんぷんは温度が下がってくると元の状態に戻ろうとします。完全に元の状態に戻ることはありませんが、色が徐々に濁って、液体が固くなることを老化またはβ化といいます。

糊化したでんぷんはある程度以上の温度では冷却時にゲル化する性質があり、その際の硬さや粘りなどの性質もでんぷんの種類によって異なります。そのため、でんぷんを利用する調理は、それぞれのでんぷんの特性を活かして利用する必要があります。

でんぷん濃度の低い調理

でんぷんを薄い濃度で汁にとろみをつける調理法には、とろみをつける以外の効果もあります。

・対流が起こりにくくなるなり、汁の温度が下がりにくくなる
・中に入れた具が均一に分布する
・とろみのある口触りになることによって、味に丸みが出て、濃厚感が増す

調味料によるとろみの違い

調味料の影響やでんぷんの種類にもよりますが、とろみの粘度に違いが出ます。一般に、砂糖は粘度を上昇させ、しょうゆ・酢だと粘度は低下します。また、油はでんぷんを加えることで乳化されるため、粘度が上昇します。でんぷんを使った料理をする際は、一緒に使う調味料を考慮してでんぷんの濃度を決めてみましょう。

でんぷんの透明度

でんぷんの種類によって、でんぷんによって糊化したときの透明度が異なります。でんぷんの等級や粒子の大きさが関係しており、等級が高く、粒子が大きいものが透明度が高いといわれています。じゃがいもでんぷんは粒子が大きいことから片栗粉は透明度が高く、逆に、粒子の小さいコーンスターチは透明度は低いので、澄んだ色の料理に使うのは避けた方がいいでしょう。
また、透明度は調味料の影響も受けます。砂糖を加えると透明度は高くなります。

とろみ素材の特徴

片栗粉

片栗粉はスープやあんかけなどの料理に使うと粘り強いとろみがつくのが特徴です。

じゃがいもに含まれるでんぷんは、加熱すると糊化する性質があり、この性質を利用してとろみをつけます。片栗粉をそのまま料理にいれると調理の熱ですぐに糊化し、ダマになってしまうので、予め水で十分溶かしてから料理に入れる必要があります。また、片栗粉を使ってとろみをつけたスープやあんかけなどの料理は熱を逃さず冷めにくいため、保温効果があります。

江戸時代、カタクリから作られる片栗粉は、食用だけでなく、消化が良いことから病後の滋養薬としても使われ、お湯に溶かして飲んでいたそうですよ。

かきたま汁

コーンスターチ

片栗粉に比べてコーンスターチはあっさりとしたとろみになります。また、片栗粉と比べると粘度は低いですが、温度が低くなっても持続するとろみが特徴です。

コーンスターチは加工でん粉の材料にされることが多いです。冷水にも溶けるものや老化やゲル化を抑制するものが作られています。

葛粉

葛粉は片栗粉より粘度は低めですが、冷えると固まるという特性があります。

葛粉はとても薬効が強く、女性に嬉しい効果が豊富に含まれている素材で、整腸作用や体を温めてくれる作用があります。また、葛粉のでんぷんは炭水化物でありながらも、負担が少ない消化でエネルギー補給ができるのでダイエットに効果的です。

水に溶かさなくても良いとろみ素材

片栗粉やコーンスターチ、葛粉は水に溶かしてから料理に使用します。しかし、この「水に溶かす」という手間を省いた製品が店頭に並んでいます。

・顆粒片栗粉
原材料名
北海道産馬鈴薯でんぷん粉(遺伝子組み換えでない)

・調理用ミックス
原材料名
でんぷん/加工でんぷん(一部に小麦を含む)

水で溶くという一手間を省略したい方はこういった製品を使うと良いでしょう。

とろみ素材の使い方

片栗粉

水溶き片栗粉は水:片栗粉が1:1~1:2の割合がおすすめです。
水溶き片栗粉には入れる手順があります。

1.料理が十分に加熱され、沸騰したら一旦火を止める
2.おたまや菜箸などでスープやあんを「の」の字を書くように混ぜながら水溶き片栗粉を全体に行き渡るよう入れていく。水溶き片栗粉はすぐに沈殿してしまうため、入れる直前にしっかりかき混ぜて濃度を均一すると良い
3.1分ほど中火で加熱します。これにより、でんぷんからとろみ成分がより多く出てくるようになる

片栗粉は、汁気のあるものに水で溶いて入れるととろみをつけることができますが、唐揚げや竜田揚げなど揚げ物の衣に混ぜるとカリッとした食感になります。また、揚げ出し豆腐の衣に使うとモチッとした食感になります。

片栗粉の衣

コーンスターチ

お菓子作りによく登場するコーンスターチはクッキーをサクッと軽い食感に仕上げたり、ケーキをふわふわの食感に仕上げたりします。中でも、良く使われるのがカスタードクリームのとろみ付けです。コーンスターチはでんぷんのみでできているので、滑らかなカスタードクリームに仕上がります。

カスタードクリーム

葛粉

冷えると固まる性質を持つため、温かい料理を冷まして食べるときには少し注意が必要です。この性質を利用して葛まんじゅうや葛きりなど、和菓子に利用されることが多いです。
葛粉は製品によって葛の含油量が違うため、葛粉と水の割合に決まりがありません。そのため、とろみの様子を見ながら調節しましょう。

葛まんじゅう

上手な選び方

片栗粉

片栗粉は国産のじゃがいもを使用するものがほとんどです。遺伝子組み換えでないものを選ぶようにしましょう。

片栗粉の詳細はコチラ
とろっと美味しいヒミツは?『知って得する片栗粉の成分と保存方法』

とろっと美味しいヒミツは?『知って得する片栗粉の成分と保存方法』

コーンスターチ

コーンスターチの原材料であるとうもろこしは、99%以上輸入に頼っているのが現状です。主な輸入先はアメリカ合衆国なので、遺伝子組み換えのとうもろこしが輸入されていることがほとんどです。そのため製品の原材料の欄に遺伝子組み換えのことが記載されていないものもあるので注意が必要です。

葛粉

葛粉は奈良の吉野本葛や、福岡県の秋月葛、三重県の伊勢葛、福井県の若狭葛などが有名ですが、日本の最大の産地は鹿児島県です。
本葛は掘る方の高齢化、資源の減少で貴重なものとなっていることや、丁寧な精製により100㎏の葛根からは7㎏ほどしかとれないなど、希少で貴重な素材なため高価です。安価に出回っているものは「葛粉」となっていても本葛100%ではなく甘藷、コンスターチが混ざっているものがほとんど。他の原材料が混合されている葛粉は本来の薬効や食感は楽しめないので、購入される時は原材料名の確認が必要です。

葛粉

とろみ素材を活かしたおすすめ料理

ケノコトにはどのようなとろみ素材を活かしたレシピがあるのでしょうか。とろみをつける以外の活用法も参考にして日々の献立に加えてみてくださいね。

フライパンで簡単!揚げない『鯖と春キャベツの落とし揚げ』

揚げ物と聞くと、「ハネル」「こわい」「処理が面倒」とネガティブなイメージを抱きがちではありませんか?
片栗粉をまぶした鯖をフライパンで焼くことでサクッと揚げたような焼き上がりにします。鯖を焼いた後にキャベツもそのまま炒めるので「処理が面倒」なんてことにはなりませんよ。
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揚げたてをつまみ食いしたくなる『簡単ふわふわ手作りがんも』

煮たり、今の時期だとおでんの具材としても美味しい「がんも」。
ちょっと手間がかかりそうに思いますが、意外と簡単に作れるんです。
揚げたてのがんもの味はまた格別ですよ。

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香味野菜をたっぷりのせて『揚げなすの冷やしあんかけ』

ピーラーでつけた縞々模様がとってもキュート。こういうちょっとした工夫に心躍りませんか。トロッとひんやりしたあんかけに大葉とみょうがも添えて夏らしい一品です。

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6月のお献立、おまけ。もっちりクリーミー『黒ごまきな粉のミルク餅』

今回ご紹介するのは、わりとお家によくある材料4つだけでできちゃうデザート。しかも3ステップでできます。もっちりした食感のクリーミーなミルク餅は、意外なおいしさ。黒ごまきな粉との相性も抜群です。

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サクサク×さわやか×ふわふわ『レモンメレンゲパイ』

バターの風味たっぷりサクサクのパイ生地にさわやかなレモンカスタード、その上にふわっふわのメレンゲ。食べていて幸せな気持ちになれるお菓子です。パイ生地は作り方を覚えると色々なお菓子に使えて便利です。

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優しい味わいが染み渡る『新玉ねぎとアスパラのとろみ煮』

今の時期限定「新玉ねぎ」をつかって、滋味深い味を堪能してみませんか?
甘さも旨味もすべて自然由来のやさしいお味は、疲れた体をほっとリラックスさせてくれるはず。くず粉のとろみ感が、そのやさしさを包み込んでくれますよ。

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クリームイエローでとうもろこしのやさしい甘さがやみつき『コーンすりすりプリン』

うもろこしのおいしさを丸ごとすりおろしてプリンにすると消化吸収もよく、離乳食からおとなまで、懐かしく、からだも心もほっとするおしゃれな一品に。
飲む点滴と言われる玄米甘酒をプラスして完全栄養食となるので夏バテ解消にも最適です。
小腹のすいたときのおやつやお夜食にいかがでしょうか。

クリームイエローでとうもろこしのやさしい甘さがやみつき『コーンすりすりプリン』

とろみ素材の正体は「でんぷん」でした。でんぷんには原材料によってさまざまな特徴があることがわかりましたね。料理の温度や透明度によってとろみ素材を上手に使い分けてくださいね。

記事/ケノコト編集部

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