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まめ知識 2018.06.26

6月の誕生花『クチナシ』~水無月の暮らし~

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梅雨時期に咲く白く清楚な花、クチナシ。香りの良い花として有名で、この花の香りで季節の移ろいを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。清潔感のある貴婦人のようなこの花は、6月の誕生花です。

英名はガーデニア。日本の三大芳香花の一つ

クチナシの花は香りがはっきりとして強く、少し離れた場所にも香りが届きます。日本は季節ごとに色々な花が咲き、美しい見た目で庭先を飾りますが、クチナシは花だけでなく香りでも初夏の庭を彩ります。

日本の庭を香りで華やかにする代表として「三大芳香花」とか「三大香木」と呼ばれる花木の一つがクチナシです。他には春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイが並びます。(これに冬のロウバイを加えて四大香木とする事もあるようです)

クチナシの英名には一般的に「ガーデニア」の名前の方を当てられる事が多いのですが「ケープジャスミン」と呼ばれる事もあるそうです。確かに薫り高い花の代名詞でもあるジャスミンの名前が付けられるのがわかる芳香がします。

実は寒がり?静岡より東に少ないクチナシの花

クチナシは薫り高く可憐な花が咲く花木で人気がありますが、関東地方より北寄りに住んでいる方は庭木などにされているクチナシを見た記憶がない、という方が多いかもしれません。実はクチナシは北陸や東北など寒冷地寄りの気候に適しておらず、庭木として地植えにするのに向かないのです。

逆に、大分の臼杵市や静岡の伊豆地方、名古屋などではクチナシの実で色付けしたいわゆる「黄飯」が郷土料理にあるそうです。いずれの地域も比較的温暖な地域なのでクチナシが多く植えられていたのかもしれませんね。

クチナシの実は漢方では生薬とされていて、黄色い色素はサフランと同じ成分が含まれるそうです。大分の黄飯はかつて16世紀半ばにスペインやポルトガルの宣教師が日本にキリスト教の布教のために訪れた際に、パエリアを作ってふるまったのが起源とされる説もあり、意外な所で今ではおなじみの海外の料理の影響があったようですね。

クチナシの花には一重咲きと八重咲きの物がありますが、実が取れるのは一重咲きの物です。あまり長持ちはしない花ですが切り花としても流通していて、お花屋さんで買えるクチナシは八重咲きの物が多いようです。

幻の香り?再現の難しい、クチナシの甘い香り

生花のクチナシの香りは他の三大芳香花と同様に、どちらかというと甘く濃厚な部類に入ります。甘く濃厚、とは言っても合成された香料の香りではありませんので、多くの人にとっては快いと感じる香りで人気があります。

クチナシの分布は主に東アジアなのですが、1750年代に中国から持ち込まれた後は、その香りから人気を呼び「ガーデニア」の名前で親しまれ、男性が女性にダンスを申し込む時に渡す花の定番ともなったのだとか。香りに関する文化が発展しているヨーロッパに多くの人に好まれる香りの花が持ち込まれた後は当然、その香りを基調とした香水が多く作られる事となります。

「ガーデニア」の香水は色々なブランドで作り出されて販売されており、著名なブランドの物だけでも片手では数えられない程あります。人気がある香りのため、数多くの「ガーデニア」の香水を手に入れる事はできますが、「『クチナシ』の香りではない」と感じる方が多いのも、この花の香りの特徴です。同じ芳香花の一つであるキンモクセイは、香料でも比較的正確に再現されているのに対して、クチナシの香り成分の抽出は難しいため、雨の季節の空気と混じったクチナシその物の芳香の再現が難しいのだそうです。

「幸せを運ぶ」クチナシの香り。初夏から夏への移ろいを楽しむ花

クチナシの花言葉の「幸せを運ぶ」はどこからともなく漂ってくる花の香りから付けられたとも言われています。「優雅」という花言葉は形の美しい花の姿から。6月が花の時期である事からもジューンブライドの花嫁を飾るブーケやヘアアクセサリーに使われる事も。

コサージュなどのアクセサリーのモチーフにも好んで使われていますので、涼しい地方の方はアクセサリーのクチナシを初夏の装いとして身に着けてはいかがでしょうか。身近にクチナシが咲いてる方であれば、「花見」ならぬ「香聞き」のお散歩を楽しまれるのも素敵ですね。

記事/ケノコト編集部

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