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まめ知識 2018.07.11

料理に深みをプラス。古くから暮らしに寄り添う『バターとマーガリン』

目次

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パンに塗るだけではなく、料理やお菓子など幅広く使われるバター、マーガリン。この2つの違いはなんでしょうか。硬さや風味の違いは原材料にありました。

バターの原材料は1つだけ

名称
「バター」

原材料名
「生乳(北海道産)」

これは無塩バターの原材料です。有塩バターの場合は原材料に食塩が加わります。

バターは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で以下のように定められています。

・生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの
・成分:乳脂肪分80.0%以上
・水分:17.0%以下

これらの条件を満たす場合、種類別「バター」と表示されています。

サラサラの牛乳から固形のバターができるのはとても不思議ですね。液体から個体になる秘密は製造方法にありました。

生乳からバターができるまで

バターの製造には、牛乳から分離した脂肪含量30~40%のクリームが用いられます。このクリームを殺菌したあと、冷却して10℃以下の低温で保持します(エージング)その後、撹拌と衝撃を与え(チャーニング)、粉状になった脂肪分を塊状に集めて練り上げ(ワーキング)成型したものがバターです。
少し難しい説明でしたね。牛乳にはもともと脂肪分がありますが、この脂肪は水分に包まれています。これをよく振ることで水分を脂肪で包む形態に変化させ、バターが完成するのです。牧場などでしぼりたての牛乳をシェイクしてバターにする体験コーナーを思い浮かべていただければわかりやすいのではないでしょうか。

なお、1箱分のバター(200g)を作るのに、約4.4Lもの牛乳を必要とします。

バター

白い牛乳から黄色のバターができる

牛乳の中にはカゼインというたんぱく質が微粒子となって、無数にほぼ均一に浮遊しています。これに光が乱反射して私たちの目には白く見えるのです。一方、乳脂肪は黄色い色の素となるカロテンを含んでいるのですが、膜に覆われて浮遊しています。バターを作る過程でこの膜が破られるため、本来の脂肪の色があらわれ、バターは黄色く見えるのです。
色の素となるカロテンは牛が食べる青草に含まれています。カロテンを多く含む夏の青草を食べた牛から作ったバターは濃い黄色で、冬場の干し草を食べる頃に作ったバターの薄い黄色です。

乳牛

バターには4種類ある

バターは製造方法によって4種類に分類されます。

まずは、食塩の添加に有無により、有塩バターと無塩バターに分類されます。

有塩バター

バターを練圧する工程で食塩が加えられています。家庭で使うバターの多くはこのタイプで、食塩を加えることにより風味がよくなり、保存性も高くなります。食塩はワーキングの際に約2%添加されます。

無塩バター

主に製菓原料用として使われます。また、食卓用の無塩バターは減塩を必要とする患者用です。食塩が入っていないので、保存期間は有塩バターに比べると短くなります。

さらに、原料のクリームの乳酸発酵の有無によって発酵バターと非発酵バターに分けられます。

発酵バター

発酵バターは酸性クリームバターで、原料となるクリームを乳酸菌で発酵させて作ります。特有の芳香があり、ヨーロッパではバターといえば、ほとんどがこのタイプです。

非発酵バター

非発酵バターは甘性クリームバターで、原料のクリームは乳酸発酵させないので、クセのないバターです。日本で市販されているものは、非発酵バターが主流です。

バターの原材料や作り方、種類がわかりました。マーガリンはどのような原材料を使って作られているのでしょうか。

バター

マーガリンの原材料

名称
「マーガリン」

原材料名
「食用精製加工油脂、食用植物油脂、食塩、粉乳、乳化剤、香料、着色料(カロテン)」

マーガリンはバターとは異なり、さまざまな原材料が使われていますね。マーガリンは日本農林規格によって、以下のように定義されています

食用油脂(乳脂肪を含まないもの又は乳脂肪を主原料としないものに限る。以下同じ。)に水等を加えて乳化した後、急冷練り合わせをし、又は急冷練り合わせをしないでつくられた可塑性のもの又は流動状のものであって、油脂含有率(食用油脂の製品に占める重量の割合をいう。以下同じ。)が80%以上のものをいう。

・油脂含有率:80%以上
・乳脂肪含有率:40%未満
・水分:17.0%以下

水分はバターと同じぐらいですが、乳脂肪はバターの半分以下、その代わり他の油脂で油脂含有率を調整しているようですね。

また、原材料には次のものを使用してはいけないと定められています。

1. 食用油脂
2. 乳及び乳製品
3. 食塩
4. カゼイン及び植物性たん白
5. 砂糖類
6. 香辛料

原材料に聞きなれないものがたくさん含まれていました。1つずつみていきましょう。

マーガリン

食用精製加工油脂

これは牛脂や豚油、魚油、硬化油のことです。硬化油とは油脂に水素を添加させて、化学的に不飽和脂肪酸の一部がトランス型になったトランス脂肪酸のことです。トランス脂肪酸を多量に摂取し続けると、血液中のLDLコレステロールが増加し、HDOコレステロールは減少するので、冠動脈性心疾患の発症リスクを高めるという作用をもつことから、一部の欧米諸国では表示の義務化や含有量の基準値の設定がされています。
表示の義務化や基準値の設定をしている国では脂質の多い食事を日常的に摂取しています。その食事の脂質にマーガリンを豊富に使うため、表示の義務化や基準値の設定をしているのです。日本が表示の義務化や基準値の設定などをしていないのは、規制するほど摂取していないからです。

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食用植物油脂

マーガリンにはヤシ油や綿実油、大豆油などが使われています。

マーガリンができるまで

マーガリンは精製した動物性油脂や硬化油、あるいはこれらの混合油脂に水などを加えて乳化し、急冷して練り合わせ、バター様にしたものです。
もう少しわかりやすく説明すると、マーガリンに使われる油はサラサラでパンに塗ったり、料理に使うには使いにくいですよね。そのため、水素を添加してサラサラの液体を乳化させることでほどよい硬さを持たせることに成功しました。

マーガリンの種類

マーガリンには3種類あります。

マーガリン

油脂含有率80%以上のものです。

調整マーガリン

油脂含有率75%以上80%未満のものです。

ファットスプレッド

油脂含有率80%未満のもので、風味原料と呼ばれる果実、果実加工品、チョコレートなどの味をつけることが許されています。

他にも、バターとマーガリン両者のよいところをあわせたバター入りマーガリンやカロリーハーフのものなどがあります。

バターとマーガリンの歴史

バター

バターは世界中で親しまれていますが、その起源は定かではありません。古くは、紀元前紀元前4千年のイスラエルの遺跡から、バターを作るための道具と推定される土器が発見されています。また、大英博物館に収蔵されている、メソポタミア文明のシュメール人の神殿跡から発掘された装飾版には、土器製のチャーンでバター作りをしていると思われる様子が描かれています。それくらい古くから親しまれていたと考えらます。

日本にどのように伝わったかもわからないバターですが、飛鳥時代に牛乳を煮つめたりして加工されていたものはバターや練乳、あるいはチーズに近いものだったのではないかという説があります。今のようなバターが登場したのは明治時代に入ってからです。アメリカから日本に農業指導にやってきたエドウィン・ダンの指導により、バターをはじめとする乳加工品が作られました。

バター

マーガリン

マーガリンはバターの代替品として考案されたのが始まりです。1869年、隣国プロシアと戦争していたフランスはバターが欠乏し、ナポレオン3世が代用品を懸賞応募したのに応え、メージュ・ムーリェという化学者が牛脂と牛乳を混ぜ、冷やし固めたものを考案しました。

風味、味わいの違い

バター

乳脂肪(牛乳の脂肪分)が主成分であることから、香り、風味がよく、コクがあります。塩やしょうゆほど、バターの味は強くありません。しかし、コクと香りは料理に深みを与えてくれ、素材をやさしく包むような風味が感じられます。そのため、肉や魚、野菜、パン、ごはん、パスタなど、どんな素材とも相性がいいです。また、お菓子作りにも大活躍します。

冷やすと固くなる性質があります。室温の状態は柔らかく、温めると溶けてしまいます。

自宅でも作れる『知って得するバターの成分と保存方法』

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マーガリン

マーガリンは匂いがあまりなく、あっさりした味わいです。サンドイッチなど他の食材とあわせるのに便利です。

冷蔵庫に入れておいても硬くならず、柔らかくなめらかなので、パンに塗りやすいです。また、生地に練りこみやすいのが特徴です。

サンドイッチ

バターやマーガリンを使ったレシピ

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バターもマーガリンも液体を振り続けてできた油脂です。バターの方が化学製品や添加物が少ないので身体への悪影響が少ないです。かといって、摂取しすぎは脂質異常症や糖尿病へのリスクを高めることになるので適度に料理に使って、料理に深みを与えましょう。

ライター/影山奈々恵

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管理栄養士×フォトグラファー×ライターとして幅広く活動。
ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディングなど様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。

影山奈々恵Facebookページ

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