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まめ知識 2018.07.22

普段のパンのお供。知れば知るほど奥深い『ジャム』の原材料と役割

目次

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パンのお供にぴったりなジャム。さらりとソースのようなものや果実がゴロっとしたものなど、ジャムにはさまざまな種類があります。
果実を甘く煮詰めたものという印象が強いジャムですが、市販のジャムには果実と砂糖以外の材料も入っていることが多いです。また、普段の暮らしに寄り添う調味料 ジャムにはどのような原材料が含まれているのでしょうか。

ジャムの原材料

今回はいちごジャムを例にみていきましょう。

名称
「いちごジャム」

原材料名
「砂糖類(砂糖、水あめ)、いちご/酸味料、ゲル化剤(ペクチン)」

ジャムは果物に糖類と酸、ペクチンを加えてゼリー化するまで加熱したものです。それぞれの原材料には役割があります。

糖類

ジャム類に使う糖類は、グラニュー糖が最も適しています。他に、粗精糖などを使うこともあります。また、煮詰めて赤黒くなるような場合があるときには、早く仕上げるために水あめ(麦芽糖)を使うことも。
砂糖類ではなく、甘味料を使う場合は甘味を感じないトレハロースやサンマルトといった糖質を使い、その特徴を活かした加工品を作り出すことが可能です。ジャム作りでは、時と場合によって糖類を使い分けているんですね。

酸を加えることで、色よく仕上げることができます。酸としてクエン酸が最も使いやすく、他にダイダイ酢やレモン果汁を加えることもあります。
クエン酸には2つの効果があります。1つは、クエン酸を使うことでジャムを色よく仕上げること。特に、原料の色をジャムに取り込んだり、原料の色の鮮やかさを保つ作用があります。もう1つは、カビ防止効果です。酸度も強く、少量でも殺菌効果が高いので、ジャムの品質も安定するため、使い勝手が良いのです。

ペクチン

ペクチンはジャムのとろみを出すために必要です。ペクチンには化学薬品系のものと自然素材からとった天然ペクチンとがあります。多くの果実にはペクチンが含まれており、特に成熟した果実に多く含まれています。

ビタミンC

ジャムを作る際に必須の原材料ではありませんが、酸化防止剤として含まれていることが多いです。原材料の色や香りが重要な要素であるジャムは、原料が酸化すると色や香りが悪くなってしまいます。そこで、煮詰めはじめからビタミンCを加えることで、きれいな色を保ち、香りを損なわないようにすることができるのです。

ジャム

ジャムの種類

ジャムは原料となる果肉やジュースを煮詰めたものです。ジャムにはさらさらとしたものからゴロっと果実が入ったものなどさまざまな種類があります。
農林水産省が定める日本農林規格では次のように定義されています。

ジャム類

1.果実、野菜又は花弁(以下「果実等」と総称する。)を砂糖類、糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの。
2.1に酒類、かんきつ類の果汁、ゲル化剤、酸味料、香料等を加えたもの。

ジャム

ジャム類のうち、マーマレード及びゼリー以外のものをいう。

マーマレード

ジャム類のうち、かんきつ類の果実を原料としたもので、かんきつ類の果皮が認められるものをいう。

ゼリー

ジャム類のうち、果実等の搾汁を原料としたものをいう。

プレザーブスタイル

ジャム類のうち、ベリー類(いちごを除く。)の果実を原料とするものにあっては全形の果実、いちごの果実を原料とするものにあっては全形又は2つ割の果実、ベリー類以外の果実等を原料にするものにあっては5㎜以上の厚さの果肉などの片を原料とし、その原型を保持するようにしたものをいう。

果汁を原料としたものはゼリーと呼ばれる、というのは意外でしたね。プレザーブスタイルは、ゴロっとした果実が入った食べ応えのあるジャムです。

ジャム

お家でも作れるジャム

ジャムの作り方は、簡単に説明すると原料となる果実をジャム加工しやすい形に整え(原料調整)ます。次に、砂糖やペクチンなどを加えて煮詰め、甘さととろみをつけ(煮詰め・煮熟)て完成です。できたジャムは扱いやすいようにびんに充填し、殺菌します。その他、原料を必要なときに加工できるように保存しておいたり(保存)、前処理して加工しやすいようにする工程(前処理)が加わることがあります。

ジャム作りにはいくつかポイントがあります。

原料の果実

原料となる果実の品質はさまざまです。台風やヒョウなどの天候による傷や割れ、規格外の大きさであっても大丈夫。ジャムにすることで、加工前の外見上の品質とは関係なく、おいしいジャムを作ることができます。また、ジャムに使われる果実は必ずしも完熟しているものではありません。煮詰める時間や砂糖の量、ペクチンの添加量、酸味の加減を、原料ごとに調整して作ります。

糖類

果実を煮詰めているときに糖類を添加すると、糖類が熱で溶けてジャムのとろみが少し緩くなり、鍋底へのジャムの焦げ付きを防ぐ効果があります。糖類の使用量は原料の持っている糖度によって違ってきます。

クエン酸の使用量はだいたい0.2%を基準に、原料の持っている酸の量を考慮して加減します。添加するタイミングは煮詰めはじめに入れます。ただし、リンゴジャムのように初めから入れると皮の色をクエン酸が抽出して色を悪くするような場合は、煮詰めの終盤に入れるようにするのがおすすめです。

最近はダイダイ酢やレモン果汁を使用することも増えてきました。これらの使用量は、ものによって酸味に差があるので、できたジャムを食べてみて判断すると良いでしょう。

ペクチン

果実のペクチンの含有量は成熟度によって異なります。ペクチンの使用量はだいたい原料の0.3%を基準にして、原料によって増減させましょう。

ビタミンC

ビタミンCの使用量はだいたい原料の0.2%程度で、必ず煮詰めの最初から添加するのがポイントです。ただし、多すぎると臭いがするので注意しましょう。なお、ビタミンCが豊富な果実のジャムには添加しなくても大丈夫です。

また、使う調理器具や作業に気を配るのも大切です。

ジャム作りにはホーロー鍋がおすすめ

ジャムを煮るときは鍋はホーロー鍋、へらは木べらが基本です。金属の鍋やヘラで作ると、果物は酸味が強いため、混ぜているうちに金気が出てジャムの味が変わってしまう場合があります。そのため、ジャムの味に影響がでないホーロー鍋と木べらで作るようにしましょう。

鍋の大きさはにも気を配る

大鍋だと材料の量が少なすぎて焦げ付く恐れがあり、小鍋だと噴きこぼれたり、煮詰めるのに時間がかかりすぎてしまうので注意してください。
また、ジャムはコトコト煮込むイメージがありますが、本来は短時間で煮上げるもの。糖類を加えた液体は粘りがあり、100℃以上に温度が上がります。やけどにも十分注意してください。

煮詰め加減は少し緩めが丁度いい

ジャムを煮詰めている間は鍋から離れず、木べらで焦げ付かないように混ぜましょう。ジャムを煮詰めていくとろみがついてきます。煮詰めるすぎると焦げ付くのでご注意ください。焦げ付いてしまうと、水分を足しても元の風味や状態には戻りません。
ジャム作りが初めての方は少し緩いかな、というところで火を止めて冷ますのがおすすめです。ジャムは冷ますとペクチンが固まり、自然にとろみが増してきます。果実の種類によってペクチン含有量が異なり、とろみの付き具合はさまざまなので、冷ましてみて緩い場合は再度火にかけて、好みの固さになるように煮詰め直しましょう。

ジャム

ジャムの糖度

ジャムの容器には「糖度」が書かれていることがあります。糖度(可溶性固形分)は、ジャム全体に占める糖の含有度を糖用屈折計で測定したものです。一般的に甘さの目安になっており、糖度を4段階に分けられています。ジャムに加えた糖類と果実自体がもつ果糖をあわせた糖の量となります。

・糖度65%以上:高糖度
・糖度55%以上65%未満:中糖度
・糖度40%以上55%未満:低糖度
・糖度40%未満:名称なし

最近の嗜好として甘いものは敬遠されがちであることも考慮し、糖度45度程度の低糖度の甘すぎないジャムが多いです。この糖度はジャムがカビない程度で、ジャムとしては極めて低い糖分に仕上げられています。

ジャムの賞味期限

ジャムの賞味期限は糖度や容器によって異なります。次の賞味期限は目安であり、開封前のものです。開封後は冷蔵庫(10℃以下)で保存し、なるべく早くお召し上がりください。
また、清潔なスプーンを使用するようにしましょう。パンかすなどがついているスプーンを使ったりすると、カビの原因になります。

・びん詰(高糖度・中糖度):2年以内
・びん詰(低糖度):18ヵ月以内
・紙カップ入り:1年以内
・ポーションパック:6ヵ月前後
・小袋入り:6ヵ月前後
・缶詰:3年以内

ジャム

世界のジャム事情

日本

西南戦争の軍用食としてパンが日本で食べられるようになり、大正時代に入るとパンとともにジャムが普及し、戦後は学校給食をはじめ親しまれてきました。現在はパンに塗るだけでなく、ヨーグルトにかけたり、グラノーラやコーンフレーク、紅茶に加えたり、料理・お菓子作りなど幅広く使われていますちなみに、日本の国産ジャム第1号はいちごジャムなのだとか。

ヨーロッパ

日本でいう漬物と同じくらいヨーロッパでは長い歴史をもち、保存食として愛用されています。ヨーロッパの中でもイギリス、フランスで活発に作られていました。

アメリカ

アメリカではプレザーブスタイルのいちごジャムが人気です。ヨーロッパから移り住んだ人々によってジャムが広まり始めたといわれています。

自家製ジャム作りから応用編まで

せっかくならお家でジャムを作りたい!ケノコトでは多くの自家製ジャムレシピをご紹介しています。パンに塗ったり、ヨーグルトにかけるだけでなく、料理やお菓子に使って自家製ジャムを楽しみましょう。

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ジャム作りには原材料や作り方にいくつかポイントがあることがわかりましたね。ポイントを抑えれば簡単にお家でも自家製ジャムが楽しめます。少し熟しすぎてしまったもの、一部キズがある果物でも大丈夫。季節の果実を使ってぜひ作ってみてください。

ライター/影山奈々恵

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管理栄養士×フォトグラファー×ライターとして幅広く活動。
ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディングなど様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。

影山奈々恵Facebookページ

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