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まめ知識 2021.07.01

日本の暮らしの言葉『夏真っ盛り「暑さ」と「涼しさ」を表す言葉たち』~葉月の暮らし~

気がつけば今年の夏も後半にさしかかってきましたね。晩夏とはいえ、まだまだ暑い、暑い。そんな夏の暑さを表す日本の言葉、反対に涼しさを表す日本の言葉、どんなのが浮かびますか?
「暑いね」を古くから親しまれている言葉に置き換えれば、なんだか暑い日も楽しく過ごせそう。

字を見るだけでも暑い!!夏の暑さを表す言葉たち

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」(家を作る時は夏の暑さがしのげる事を一番に考えて作るべき)と書かれていたのは「徒然草」です。作者の吉田兼好は鎌倉時代末期の人ですが、日本人は700年以上昔から夏の暑さに参っていたのだと思うとなんだか親しみが湧く気がしますね。

夏の暑さを表す日本の言葉はたくさんあります。しかも使われている漢字のイメージから「ちょっと暑い」程度ではなく「ものすごく暑い」と伝えたい気持ちが伝わってきます。

例えば猛暑(もうしょ)酷暑(こくしょ)。「猛る暑さ」に「酷い暑さ」という表現ですが実はこの2つ、気温が35度を越えた時の表現でもあります。年々、夏の最高気温は高くなりつつありますが以前は25度以上を夏日、30度以上を真夏日と呼んでいました。少し前は気温が30度を超える事は珍しかったので、これで事足りていたのです。ところが近年では当たり前のように30度を超える日が続き、35度を超える事さえ珍しくなくなってきました。そのため気象庁では2007年に正式に35度を越えた日を「猛暑日」として用語を定めました。「酷暑日」の方は猛暑日が正式採用される以前にマスコミが報道の時に使用していた表現なのだそうですよ。

確かに気象用語として選ぶのであれば「猛暑日」の方が収まりがいいかもしれません。けれど、暑さのせいで感じる辛さや不快さは「酷暑日」の方が実感を伴った表現として感じられる気がします。この他にも、厳しい暑さを表現する言葉はたくさんあります。

激暑(げきしょ) や炎暑(えんしょ)という文字からは地面が陽炎立つ様子が浮かぶような気がしますし、厳寒の対義語とした厳暑という言葉もあります。数十年前の、今ほど暑くない夏の記憶がうっすらとありますが、本当の昔はクーラーどころか扇風機や冷蔵庫もなく、自然の風や水で涼を取っていたわけですから、盆地など地理的環境から高温に陥りがちだった地域では、今より気温が少し低かったとしても感じる暑さは今以上だったかもしれませんね。

「涼しさ」は特別なイベント。ごちそうもあった日本の夏

もちろん暑さを表す言葉だけでなく涼しさを誘う言葉もあります。そもそも「涼」という文字その物がさんずいで流れる水を、作りの「京」は高い丘に建つ家を示しているそうです。漢字の部首が持つ意味や他の漢字が持つ意味などもあって「涼」という字を見るとそれだけで文字のイメージから清々しさを感じる事ができますね。

納涼(のうりょう)」という言葉は実は「避暑(ひしょ)」という言葉の意味とも関わりがあります。「避暑」は暑さを避けて涼しい地域に移動する事ですが、「納涼」は工夫で涼しさを感じたり、暑さを乗り切る事を言います。なので「暑気払い」と言って冷たい物を食べたり飲んだり、水遊びしたり、涼しい夜にお出かけして花火を見たり、ぞっとする怪談を楽しむのも全て「納涼」になるのです。

納涼に関わる素敵な言葉に「涼養い(すずやしない)」という言葉があります。作家の高田郁さんの著作「銀二貫」に登場する言葉ですが、元々は小腹が空いた時に出す軽食を指す「虫養い」の派生語のような位置づけになります。

主人公の松吉が凝固力の強い糸寒天を作り出すまでがストーリーの中核なのですが、松吉が奉公する寒天問屋の井川屋で来客の「虫養い」として、今で言う黒蜜かけ寒天のような甘味を出した所、評判をとって「涼養い」という名前で広まっていくというエピソードで登場する言葉です。おそらくこれは高田さんの造語ではないかと思われますが、「涼を養う」という言葉の品の良さや、涼しさを味わう「涼味(りょうみ)」とも言える寒天のひんやりとした口当たりが想像できる秀逸な新しい日本の言葉ではないかと感じました。

炎天下の中いらしたお客様に「涼養いです」と言葉をそえてひんやりとしたお菓子をお出しすれば、口だけでなく耳から涼しさを感じてもらえる。そんな気がしませんか?

記事/ケノコト編集部

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