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まめ知識 2019.08.01

8月の誕生花『ひまわり』〜葉月の暮らし〜

夏の太陽を思わせる金色の花。お花に詳しくない人でもたいていは夏の花として知っている、ひまわり。大輪の花が夏空を背に咲いている…という光景を思わず思い浮かべますね。でも実は、ひまわりの花は大きな一輪の花ではないのです。

小さな花が集まったのがひまわりの花。実は菊の親戚

ひまわりはキク科の植物です。代表的な品種のひまわりの花の様子は、黄色い花びらがぐるりと周囲に付いていて、真ん中にシベらしきものがたくさん集まっている…という風に見えますが真ん中の茶色い部分も実は花なのだそうです。これはキク科の植物の特徴で花びらがある部分を「舌状花」、内側の花びらがない花を「筒状花」と呼び分ける事もあります。

また、筒状花の一つ一つに「種」が付きますがこれも実は「痩果(そうか)」と呼ばれる果実の一種です。痩果は乾いた果実の事を指し、ひまわりと似た物にはイチゴがあります。
イチゴも種と思われているツブツブが果実(痩果)で、イチゴの果肉と呼ばれているのは花托(かたく)と呼ばれる茎が厚くなった物です。この他、馴染みのある食べ物で痩果の物はソバの実があります。

実は観賞用より食用としての方が多く作られているひまわり

日本ではひまわりは観賞用の植物として育てられる事が多いですね。最近ではひまわりの種をスーパーフードとして食べられる機会も増えましたが、おつまみになる他はリスやハムスターなどのベットの餌のイメージがあるかもしれません。ですが、実は世界全体です見るとひまわりは観賞用より食用の作物として育てられている方がずっと多いのです。

元々ひまわりは北アメリカが原産でネイティブ・アメリカンの人たちが食用にしていた物です。それがヨーロッパに広まり、17世紀頃にロシアに伝わりました。
実はロシアでは広く信仰されているキリスト教の宗派の決まりで、食べ物の内容を制限して潔斎する期間が設けられています。その間、油脂の摂取が大きく制限されるのですが、ひまわりがロシアに伝わったのが比較的遅かったためか禁止された食品のリストに含まれていないのです。このため、潔斎期間でも食べる事ができる脂質としてロシアではさかんにひまわりを栽培するようになりました。

ロシアの現在の国花もひまわりで、いかに愛されているかがわかります。食べ物として大切にされている事もあるのでしょうが、冬の長い国では太陽の化身のような明るい大きな花の美しさはきっと眩しい物に見えたのかもしれませんね。

ひまわりが太陽を追いかけるのは花が咲く前。形から太陽の化身として扱われた花

「ひまわり」という名前の通り、ひまわりは太陽の動きに合わせて向きを変える事で知られています。ただそれは、花が咲く前の育ち始めの株が若い時期で、花が付くと基本的には東を向くのだそうです。

日本ではひまわりを漢字で書く時「向日葵」の文字が当てられます。別の呼び方では「日輪草」や「日回り草」とも呼ばれるのだとか。英語の「サンフラワー」やフランス語の「ソレイユ」もそれぞれ太陽を指す意味を持ちます。やはり形から太陽の化身のように扱われたようで、古代インカ帝国では太陽を祀る神殿のレリーフとして用いられた他、巫女の乙女たちの冠もひまわりモチーフだったそうです。古い時代、自然が作り出した形に太陽そっくりな物があった事に畏敬の念を抱いたのでしょうか。インカ帝国があった現在のペルーでも国花をひまわりにしているそうですよ。

夏が終わる頃、果実が熟したひまわりの季節も終わります。今年は猛暑でひまわりの花が終わる前にゆっくり眺められなかった…という方はソフィア・ローレン主演の「ひまわり」という映画がおすすめです。戦争による悲恋を描いた古いイタリア映画ですが、タイトルにもなっているロシアのひまわり畑の風景が美しくも切ない物語を彩っています。
夏の終わりにしっとりしたストーリーと、古くも美しい名シーンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事/ケノコト編集部

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