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食のコト 2021.08.18

「旬野菜」冬と名のつくウリ科の夏野菜『冬瓜』〜葉月の暮らし〜

目次

味や香りが爽やかで、果肉が柔らかいことが特徴の冬瓜は、煮物や炒め物などに使用されることが多い野菜です。

しかし、名前に冬という季節が入っている冬瓜は、冬が旬と思われがちですが、実は夏に収穫される夏野菜と定義されます。

では、冬瓜のおいしく食べることができる旬の時期は、夏と冬どちらなのでしょうか?

また、冬瓜にはどのような栄養効果があり、どのように調理することで冬瓜のおいしさを活かせるのでしょうか?

この記事では、そんな冬瓜の旬や含まれている栄養、おいしいレシピについて紹介します。

冬瓜の主な産地


冬瓜はアジアの熱帯地域で元々栽培されていて、ジャワ島が原産とされています。日本でも平安時代の書物にも登場しているほど古くから栽培されている野菜です。

冬瓜は日本の幅広い地域で栽培されていますが、生産量がもっとも多いのは沖縄県で、全国生産量の3割以上を占めています。

他には、愛知県・神奈川県・岡山県が上位の生産量を誇り、沖縄県を含めた4県で全国生産量の8割近くのシェアを誇っています。

しかし、沖縄県は気候が温暖なため、4月下旬~6月にかけて収穫され、他の県では7月~9月の夏場に収穫されます。

ちなみに冬瓜は気候が暖かいところが栽培に適しているため、北海道や東北地方ではあまり生産は盛んではありません。基本的に、関東以南で栽培されていると考えていいでしょう。

翡翠のようなきれいな緑の果皮の縦長型の物や淡い薄緑の丸い物の2系統が市場に出回っています。

冬瓜の効能

爽やかな香りとしっかりした食べ応えが特徴的な冬瓜は、煮物にしたりして食べることが多く、出汁が染みておいしく食べることができます。

しかし、冬瓜の果肉は95%以上が水分でできているため、栄養が含まれていないと思っている方も多いのではないでしょうか。

実は冬瓜は食べておいしいだけではなく、しっかりと栄養を含んでいる野菜のため、摂取することで健康効果にも期待できます。

では、冬瓜にはどのような栄養素が含まれていて、どのような効能を期待できるのでしょうか?ここでは、冬瓜を食べることで期待できる効能について紹介します。

血圧を正常に保つ

冬瓜は95%以上が水分ですが、その中には体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあるカリウムが豊富に含まれています。

そのため、冬瓜を食べてカリウムを体内に摂取することで、血圧を正常に保つ働きをするため、高血圧の予防・改善に期待できます。

日常生活で塩分摂取量が多くなると高血圧の原因となるため、塩分を取りすぎていると感じる方には冬瓜でカリウムを摂取することがおすすめです。

日本の夏は、昔から冬瓜以外にもきゅうりや白瓜などウリ科の野菜がよく食べられています。

ウリ科の野菜には水分をたくさん含む物が多く、高温多湿となる夏場の水分補給も兼ねて食卓にのぼってきたのです。

カリウムは夏場は不足しがちになる栄養素の一つです。

夏は体温調節のために多量の汗をかきますが、汗にはナトリウムの他カリウムも含まれています。

カリウムは不足すると体の筋肉の働きが低下してしまう不調の原因となる事もあります。

むくみを解消する

「冬瓜」という名前の由来は完熟した物を適切に保管すると冬頃まで食べられる貯蔵性の高さから付いた名前です。

かつて塩に漬けて保存した野菜を食べる機会が多かった冬、カリウムの多い冬瓜を食べる事で取りすぎた塩分をスムーズに排泄してむくみを防いだりする効果もありました。

冬瓜に豊富に含まれているカリウムには、ナトリウムを排出して血圧を正常に保つだけでなく、むくみの改善・予防をする働きがあります。

また、冬瓜はほとんどが水分でできているため低カロリーで、ダイエットをしながらむくみ改善に取り組む食材としてピッタリです。

しかし、カリウムを過剰に摂取してしまうと、高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。

冬瓜だけでは過剰摂取になりにくいですが、カリウムのサプリを摂取している方は注意が必要になります。

肌の健康維持を助ける

冬瓜には、カリウムと並んでビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCは、体のあらゆる場所で活躍してくれる栄養素ですが、注目したい働きが強い抗酸化作用です。この抗酸化作用が働くことで、細胞が酸化して劣化したりサビついたりすることを防いでくれます。

そのため、冬瓜でビタミンCを摂取することで、コラーゲンを生成するための強い細胞を作り出すため、肌の健康を維持することができます。ビタミンCが不足すると、肌が荒れやすいだけでなく、強い骨や粘膜を維持できないため、免疫の低下・老化・発がんの原因になります。

ビタミンCは体内では生成できない栄養素で、余分に摂取しても排出されるので、過剰摂取や副作用の心配はありません。そのため、ビタミンCが不足している場合には、冬瓜で積極的に摂取することがおすすめです。

冬瓜の旬の時期


冬瓜は、冬という季節を表す漢字が使われている野菜ですが、実は夏に収穫される夏野菜に分類される野菜です。そのため、7月~9月に市場にもっとも出回り店頭にも並びますので、冬瓜の旬は夏ということになります。

では、夏に旬を迎えるはずの冬瓜には、なぜ真逆の冬の漢字が使われているのでしょうか?冬が使われている理由について見ていきましょう。

冬瓜はなぜ冬と書くのか?

冬瓜の冬という漢字はおいしく食べれる旬の時期を表しているのではなく、野菜の中でも保存性が高いことから、冬まで貯蔵することができるという意味を持っています。実際に冬瓜を丸ごと保存する場合には、風通しの良い冷暗所で保存することで、3カ月近く保存することが可能です。

保存できる期間は3カ月ほどなので、実際に冬まで貯蔵できるのかは微妙ですが、冬瓜は他の野菜に比べて保存性が高い野菜ということは間違いありません。しかし、カットしてしまった冬瓜は、品質劣化のスピードが早いため、冷蔵か冷凍で保存してから早めに食べきる必要があります。

おいしい冬瓜の選び方


夏に収穫されておいしい旬を迎える冬瓜ですが、おいしく食べるためには、店頭に並んでいる冬瓜の中からより新鮮なものを選ぶ必要があります。新鮮な冬瓜を見分けるポイントをしっかり抑えて、おいしい冬瓜を食べましょう。

皮の色が濃くツヤがあり、全体的に白い粉がふいているものを選ぶ

皮の色が濃く、ツヤがしっかりあるほど新鮮な冬瓜です。また、皮全体に白い粉がふいているものほど果肉が完熟している証拠になります。しかし、沖縄で生産される冬瓜は皮が緑色をしているので、白い粉で判別することはできません。

手で持ってみた時見た目よりも重みを感じるものを選ぶ

冬瓜は95%以上が水分でできているため、重みがしっかりしている冬瓜ほど果肉がみずみずしさがある冬瓜になります。逆に鮮度が落ちた冬瓜は果肉の水分が抜けてしまうため、重さが軽くなり食感が悪くなるので避けましょう。

カットしてある冬瓜を買う場合は、切り口がみずみずしいものを選ぶ

スーパーなどで冬瓜を買う場合には丸ごとだけでなくカット加工して販売されていることも多いです。カット加工した冬瓜は切り口から傷み始めるため、みずみずしいものほど新鮮です。また、実の部分まで種が詰まっているほどおいしいです。

冬瓜の保存方法

冬瓜は、夏に収穫したものを冬まで貯蔵ができると言われるほど野菜の中でも保存性が高い野菜です。そのため、冬瓜を丸ごと保存するか、カットしてあるものを保存する場合それぞれに適した方法で保存することで、おいしさを長持ちさせることができます。

常温保存

冬瓜を丸ごと保存する場合にはサイズも大きいため、常温での保存がおすすめです。保存方法も簡単で、新聞紙に包んで風通しの良い冷暗所に置いて置くだけです。

常温で丸ごと保存した場合には、冷暗所の気温を15℃、湿度を70%保つことができれば、最長6カ月の保存が可能です。

冷蔵保存

風通しの良い冷暗所がなかったり、冬瓜をカットした場合には、冷蔵庫での保存が適切です。

丸ごと保存する場合には、キッチンペーパーとラップに包んで野菜室に入れるだけで、2ヶ月近く保存することができます。

一方、カットしてある場合には傷みが早くなるので、まずはワタと種の部分をスプーンで取り除きます。その後空気が触れないように、キッチンペーパーとラップで包んでから野菜室に入れます。

カットしてある冬瓜は約5日ほどとあまり日持ちしないため、早めに食べきるようにしましょう。

冷凍保存

カットした冬瓜を長く日持ちさせたい場合には、冷凍保存がおすすめです。

冷蔵保存と同じくワタと種を取り除いた後、食べやすい大きさにカットしてから冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。

冷凍で保存する場合は、およそ1か月ほどの保存が可能です。

いろいろなウリ科の野菜

冬瓜は、冬の瓜というようにウリ科に属している野菜です。ウリ科の野菜は人類でもっとも歴史がある作物とされていて、私達が食べたり見たりする野菜の中には、冬瓜と同じウリ科の野菜が多く存在しています。

ここでは、冬瓜と同じウリ科に属している主な野菜や果実について紹介します。

メロン

高級なフルーツのイメージがあるメロンは、冬瓜と同じウリ科の果実です。メロンは北アフリカや中近東が原産とされていて、紀元前2000年頃から栽培されていたとされています。日本にはヨーロッパで品種改良がされたものが、明治時代に伝わったとされています。

しかし、日本に伝えられたヨーロッパ性のメロンは夏場の高温多湿が苦手で栽培が難しいことから、高級品のイメージが定着しました。そのため、産地によって異なりますが、基本的には春頃に旬を迎えます。近年、メロンの品種改良が進み、幅広い品種が誕生しています。

スイカ

夏の風物詩の1つであるスイカは、漢字で書くと西瓜と表記されるウリ科の果実です。スイカの原産は、アフリカ北東部という説があり、日本には室町時代以降に伝わったとされています。なお、現在の黒皮スイカは、江戸時代から栽培されたとされています。

日本で一番スイカを生産しているのは熊本県で、中でも「植木スイカ」は全国的にも有名です。スイカは、夏の風物詩というように、冬瓜と同じく夏場に旬を迎える果実です。近年では、大玉スイカや種なしスイカなどが開発され、大きいものでは30㎏を超えるものもあります。

かぼちゃ

かぼちゃも冬瓜と同じように、漢字で表記すると南瓜と瓜の漢字が使われているウリ科の野菜です。日本の食卓でも、煮物から天ぷらなどの料理から、最近ではハロウィンに使われることも増えてきました。

かぼちゃは日本には、ポルトガルがカンボジアを経由して伝えられたとされています。かぼちゃは秋の味覚というイメージが強いですが、冬瓜と同じ夏に収穫されます。しかし、かぼちゃは収穫してから寝かせることで甘くなるので、秋の味覚という意味では間違いではありません。

冬瓜を使ったおいしいレシピ

ウリ科の野菜の魅力の一つは噛みごたえです。生であればパリッとした歯ごたえと口いっぱいに広がる果汁の爽やかさは暑い夏に心地いいです。

ウリ科の野菜は独特の青臭さがあります。冬瓜の場合、色をいかした煮物にする時は下茹でをして臭みを取り除いておきます。

種とワタを取り除いた後、皮をむく時にちょっとしたポイントがあります。皮をむく時、完全に取り除かずに色が淡い皮を少し残しておきます。こうする事で煮崩れがしにくくなります。

皮に数ミリ程度の浅く細かな切り目を入れて色止めに塩を刷り込んでから食べやすい大きさに切ってゆでます。熱湯からゆで、果肉に竹串がすっと刺さるようになれば氷水に取って水を切ってから調理に使います。

出汁に入れてからも加熱しますので下ごしらえの段階では少し固めにゆでるように心がけて下さいね。

冬瓜も下ごしらえすれば生でもおいしく食べられますが、果肉が淡白なので加熱して出汁を含ませるレシピが特におすすめです。あんかけなどにすると透き通った果肉が更につややかで目にもおいしく、味の馴染みも良くなります。

エビと取り合わせると冬瓜の緑とエビの赤が引き立てあってきれいなので、和食でも中華料理でもセットになる事が多い組み合わせです。冬瓜は時間をかけてトロトロになるまで煮込んでも美味しいのですが、彩りを楽しむ時は爽やかな緑を保つ調理がポイントになります。

飲み干す旨さ!『えび出汁の冬瓜ひんやり煮』

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丁寧な手しごとが生み出す優しいおばんざい『冬瓜と鶏団子の炊いたん』

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冷房や冷たい飲みもので冷やしすぎたカラダをいたわる『冬瓜とふわふわ卵の春雨スープ』

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台湾ではお茶にも。スイーツとしても楽しまれる冬瓜

冬瓜はお惣菜としても色々なレシピがありますが、台湾や沖縄など暖かい地方では砂糖で甘く味付けして楽しむ習慣があります。

砂糖でシロップ煮にした冬瓜を砂糖漬けにした物は琉球時代の沖縄では王侯貴族の食べ物だったそうです。発祥は中国のお菓子で台湾にも同様のお菓子があります。

また、煮詰める過程で出来たシロップや、黒砂糖と煮込んだ物は”冬瓜茶磚”という名前で薄めてお茶として楽しまれています。伝統スイーツ以外でもシロップ煮にするレシピも多くあります。

淡白な味わいなのでグレープフルーツやオレンジ、レモンのような柑橘類と合わせて甘さに酸味でアクセントを付けるとおいしく食べられます。ぜひ試してみて下さい。

まとめ

いかがでしたか?冬瓜は大きさが30㎝前後あるため、一回の調理では使いきれないことも多いです。しかし、水分が多いことから、夏の暑い時でも食べやすい野菜です。冬瓜を上手に保存して、いろんな冬瓜を使ったレシピで、冬瓜のみずみずしいおいしさを楽しんでください。

記事/ケノコト編集部

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