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得するコト 2018.10.18

もうひとつのお月見行事「十三夜」

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日本では月齢によって月の呼び方を変える習慣があります。月齢が満ちたまん丸い月を「満月」と呼んだり、満ち始めてちょうど半分になった月を弓に見立てて「上弦(じょうげん)」と呼んだりしますね。この他、月齢が新月から数えて三日の細い月を三日月と呼ぶように陰暦での新月からの日数で月を呼ぶ名前もたくさんあります。

「中秋の名月」の別名は「十五夜」ですね。秋の初めの満月を愛でる行事として今も親しまれています。最近では秋のお月見といえば旧暦8月15日の十五夜の事を指しますが、かつては十五夜の後にもう一度、「十三夜」と呼ばれるお月見が広く行われていました。この十三夜のお月見は、旧暦の9月13日で2018年は10月21日にあたります。

元々、十五夜のお月見は中国から入ってきた風習でしたが、お月見が行われるようになった平安時代には既に十三夜の宴が行われるようになっていたそうです。十三夜のお月見は醍醐天皇が旧暦9月13日にもお月見をした事から広まったという説が一般的のようです。『躬恒集 (みつねしゅう) 』という歌集に延喜19(919)年9月13日に清涼殿の前栽に作られた小川を眺めながら月見の宴が催された様子が記録されています。

現在では月を見上げても月齢がわかる人はなかなかいませんが、今のようなカレンダーがない時代は月の満ち欠けで暦を読んでいたので毎日の月の様子の違いをつぶさに目にしていたため、満月以外でもお月見にふさわしい月はどの日の月か、知り尽くしていたのかもしれませんね。十五夜を「中秋の名月」と呼ぶのに対し、十三夜は「後の名月」と呼ばれます。

十五夜と十三夜はどちらも見なければならないとされていた。

ちなみに秋のお月見は十五夜と十三夜、合わせて2回行う行事とされていて、十五夜のお月見をしたのに十三夜のお月見をしないのは「片見月(かたみづき)」と呼ばれ、縁起が悪いという言い伝えもあります。
ただし、これは神話のような謂れがあるわけではありません。一説には江戸時代の遊里で客寄せのために「2回あるお月見を一度しかしないなんて縁起でもないから次の月見にも来てほしい」というセールストークの常套句として作られたとも言われています。

お月見の内容としては十五夜とほぼおなじでススキとおだんごをお供えします。ただ、十五夜は里芋をお供えする地域もあり「芋名月」という異称がありますが十三夜は栗や大豆をお供えして「栗名月」や「豆名月」と呼ばれます。十三夜は露地物の栗や大豆の収穫が終わった頃合いなので里芋の後の収穫に感謝して二度目のお月見が自然と行われるようになった地域もあったかもしれませんね。そういう意味合いでも豊穣を祈る機会は一度より二度、という風に「片見月はよくない」とされたのかもしれません。

今ではお月見は季節を感じる風流な季節行事ですが、収穫祭の意味合いが強かった時代はこの日の天候で農耕の吉凶を占う風習もあったようです。「月見」というだけあって晴れると縁起が良いとされ、長野では十三夜に晴れると小麦が豊作になる、と言われていたそうです。

実は旧暦8月15日の十五夜は、十三夜に比べると雨が降ったり雲がかかったりで月を眺めるには少し早い、という説もあります。中国由来の行事なので日本の風土と時期的にちょっとずれている、という考え方です。十三夜に当たる時期の方が、秋が深まっているため遅い台風にも遭いにくく、空がより澄んで月がきれいに見え、十五夜より後の農作物の収穫が終わって祭りのタイミングとしてはこちらの方が良いとの事です。そう言われると確かに理に適っているようにも感じられます。

九州ではお正月に男正月と女正月があるように十五夜を「男名月」として十三夜は「女名月」と呼び、いつもは男性を立ててくれている女性を大切にするという風習もあったのだとか。農作業が落ち着いたタイミングでの感謝デーのような感じだったのかもしれませんね。

十五夜にお月見できた方はもちろん、十五夜にお月見ができなかった方も片見月の風習にとらわれず、きれいな月を眺めてみて下さい。

記事/ケノコト編集部

 

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