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教育・子育て 2018.10.26

発達・育児相談室から『これって甘やかしすぎ!?』

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「今のうちから甘やかしているとダメな子になってしまいませんか?」
相談室でよく聞かれる質問です。きっと、どのお母さんも手を焼かせる子どもを前に「甘やかせすぎ?」と思ったことがあるはずです。もしかして反対に「厳しすぎかなぁ?」とも。
これは6歳の男の子を持つお母さんとの相談室での会話です。

お母さん:「先生、私が甘やかせるから、こんなに言うことを聞かないんですかね?」
私:「どんなふうに甘やかせているの?」
お母さん:「昨日はスーパーでひっくり返ってお菓子をせがむので、すぐに買ってあげました。こんなわがままには、厳しくダメなときはダメだと言わないといけないんですよね?!」

今回はこの会話から、「甘やかす?厳しく!?問題」を考えてみましょう。

甘やかせるから、子どもがダメになる?

まずは、この子はお母さんが甘やかせるから、スーパーでひっくり返るのでしょうか。わがままだからでしょうか。
それはそうとも言えません。スーパーに行くのはいつも幼稚園からの帰り道でした。もしかして、お疲れモード全開なのかもしれません。いつもひっくり返るほどぐずるのでなければ、今日は幼稚園で要求が通らないことが多くて、ママの前で要求を通したくて大爆発をしたのかもしれません。更にいうなら、夕方のスーパーの雰囲気や臭いに耐えられない特性を抱えているのかもしれません。

子どもの全ての困った行動を「甘やかせるから」で済ませていいわけありません!もちろん特性を理解したうえでどんな工夫をしていくかを考えるのは、育てる人の腕の見せ所ではありますが、「甘える」ことを良しとしない日本の文化の中で、「甘やかせているから、子どもが言うことを聞かないのよね」なんてささやかれては、誰も自信をもって子育てができません。子育て中の家族を見守る上で「甘やかしている」という言葉を使う時には、本当にその言葉が適切であるか、私たちは考えなくてはいけません。

「甘やかす」の対極は「厳しくダメと言う」??

もう一つ思うこと…。 「甘やかさずに厳しく育てたほうがいい」と言われるように、「甘やかす」と「厳しくする」は対極にあるように思われます。でも、私の思いとしては、そこに「子どもの特性の理解」と「思いを馳せる気持ち」がなければどちらも同じで、子どもの発達に良いものだとは言えないと思います。

もし、このママがその子をよく見る気持ちを持たずに、子どもが要求を通そうとしてもいつも厳しく「ダメ!」と言い続けているとすれば、スーパーでひっくり返ることはないとしても、どのような子どもが育つでしょう。ママのいない所で、ママでない人に無理に要求を通そうとするかもしれないですし、「要求を通す」ということを体験しないまま、心と頭を動かせない元気のない子どもになっていく可能性もあります。

我が子は「心と頭」をうごかしているだろうかと問いかけてみる

何でも許し怒らない子育ては良いように思えても、社会のルールや仕組みを知り、周囲の人がどう思うかについて考える機会を奪うかもしれません。欲しがるものを次々に与えることは、もしかしたら物の大切さや価値、手に入れるまでのチャレンジや交渉術、お金の存在やそれを生み出す苦労、手に入れたときの喜びを奪う行為かもしれません。子どもの将来や危険を思って、先回りして失敗を防ぎすぎたり、「ダメ!」を連発したりしていたら、なぜ危険なのか、これをするとどうなるのかと考える機会を奪って、しまいには「思考停止・指示待ち人間」になってしまう可能性もあります。

つまり、子どもと向きあうのに本当に大切なのは、甘やかせるか厳しくするかではなく、子どもが「心と頭」を動かすチャンスを大人が奪ってはいないか…と問いかけることだと私は考えます。

子どもをよく見て、安全基地になろう!

たくさんの情報を前に、どんな育て方が正解なのかわからなくなるのは、みんな同じです。でも、その答えは目の前のお子さんからしかわからないのです。わからなくなったら、一歩引いて、お子さんをよーく見てください。お子さんの言動がどこからやってくるのか、思いを馳せてください。「心と頭」をしっかり動かしているか見守ってみてください。そして、ぎゅっと心から抱きしめられたら、それで充分。自信をもって長くて短い子育ての旅を楽しんでくださいね!

次回は、子どもの言動に思いを馳せてはみたけれど、どう対応したら良いのかわからないという声に応えていきたいと思います。

文/臨床発達心理士 三浦 静
記事/ママトコタイム
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