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教育・子育て 2018.11.16

発達・育児相談室から『工夫を楽しもう~』

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あれよ、あれよという間に今年ももう終盤。なんて日々が早く過ぎるのだろうとため息が漏れてしまいます。年末の世間の浮かれ模様に、子どもたちも浮足立ってしまって、相談室にも落ち着かない親子の相談がたえません。でも仕方ないよね…それが年末ですもの。
そんな中、「先生、私最近、すごく楽しくって。」というA君のお母さん。今月は、このA君のお母さんのストーリーをみなさんにシェアしたいと思います。

涙、涙の初回面談

A君のお母さんが相談室にいらしたのは、A君が小学校3年生のときです。「何度言っても聞いていない」「外で言うことをきかない」「でかけると必ずケンカになる」お母さんのA君への不満は途切れることなく続き、最後は「どこか施設に預けたい」と泣きながら訴えるまでに。どれだけ、辛かったのでしょう。  

いえいえ、辛かったのはお母さんだけではありません。もちろん、A君も。A君は冷静に「僕とママは相性が合わない。僕の天国は学校のトイレだけだ。」と私に言います。

この日から、このお互い通じ合えない、でも顔のそっくりな親子の橋渡しに私は任命されたのでした。

理解する

私はまず、A君のアセスメントから始めました。認知のテストをしたり、いろんなことについて話をしたり。すると、A君は言語力が高くて、でも刺激(音、におい、混雑)に弱く、視覚による情報処理が苦手なことがわかりました。お母さんには自分の生い立ちや性格を話していただいて、お母さん自身について見つめなおす時間をもってもらいました。すると、わかったことがたくさん!お母さんは、どちらかというと周囲に対して気が利いて、チャキチャキと事を処理するタイプ。「ついておいで!」という姉御肌で、声も大きい!

特性上、刺激に敏感なA君にしてみれば、もうお母さんこそが刺激。みなさんも、テレビの音量が大きすぎると、何を言ってるのか返って頭に入ってこないように、感情が高ぶった大きな声で何かを言われても、A君の脳には何も届いていないのです。それに、周りをみて状況を理解するのが得意でないA君にとって「そんなこと言わなくてもわかるでしょ!」「いいから、ついておいで!」という対応は理解しがたく、納得のいかないものだったでしょう。

思いを馳せる

理解をした後は、思いを馳せるときです。A君の特性を話した時、お母さんは「子育て、もう一回やり直せますか?」と私に聞きました。もちろん答えは「YES!」です。このあとはA君も交えて三人で、いろんなことを話しました。A君から「話をするときは、話があるんだけど…と最初に言ってほしい」「「そんなこともわからないの!?」と言うのはやめてほしい」「スーパーに買い物に一緒に行くのは勘弁!(恐らく匂いもキツイし、目から入る光や人の多さなどの刺激が辛いのでしょう)」というナルホド!なお願いもありました。

工夫を楽しむ!

そして今、A君のお母さんは日々が楽しいそうです。話をよく聞いてみると、お母さんがA君の特性を踏まえた上で考えた工夫や配慮が、ピタっとはまってA君との時間を心地よく過ごせることが本当に楽しくて嬉しいとのこと。

例えば、以前は何かのついでのように「今日学校どうだった?」と聞いても、不機嫌な顔をするだけで何も答えないA君にイラっとしていたけれど、もしかして聞き方が悪かったのかもしれないと思いを馳せて、学校から帰ってからすぐを「おやつタイム」にして、そこで「今日の休み時間は何をしたの?」と具体的に聞いたら、たくさん話してくれるようになりました!とか、以前は外食をすると決まって、お互いイライラでケンカになったのですが、もしかして刺激のせいかもしれない…と思いを馳せて、フードコートやうるさいレストランでなく、落ち着いた個室のような仕切りのあるレストランに行ってみたら、笑顔で過ごせた!とか…。

うまくいくことばかりではないけれど、思いを馳せて行動に移すことで見える変化が楽しいそうです。

どの子にもどの親子にも、それぞれの工夫や配慮があります。師走を前に、なんだかお子さんと上手くいかないなぁという思いがあったら、ぜひ、まずは少し離れてお子さんを観察し、理解し、その行動に思いを馳せてみてください。それができたら、あとは工夫と変化を楽しむ!工夫がピタっとはまった時の喜びをぜひたくさんのママに体験してほしいです!

文/臨床発達心理士 三浦 静
記事/ママトコタイム
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