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まめ知識 2018.11.17

旬食材『ほうれん草』品種によって異なる味わいの違い

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日本の食卓では馴染み深い「ほうれん草」。和食はもちろん、家庭で作られる洋食メニューにも欠かせない食材です。現在では品種改良や栽培方法の工夫により1年を通して食べる事ができますが元々は冷涼な気候を好む野菜です。本来の旬は11月から年明け頃。これからがほうれん草のおいしい季節です。

ペルシャを起点に別れて形と味わいが変わったほうれん草

ほうれん草の名前を漢字で書く場合、いくつか種類があるのですがその一つに「菠薐草」があります。「菠薐」を「ほうれん」と読む理由にも諸説ありますが中国経由で日本に伝わった際、当時の中国語で原産地であるペルシャを「ポーリン・ホリン」と発音していた物に漢字が当てられたという説があるそうです。

ペルシャから中国に渡ったほうれん草はそこで葉がギザギザして根が赤いという主だった特徴を持つ品種「東洋種」へと姿を変えます。一方、ペルシャから西洋に渡った物は葉が厚く、丸みがある「西洋種」として変化していきます。

ほうれん草は東洋種と西洋種でかなり雰囲気が違うのですがスーパーなどの売り場では区別を付けずにどちらもほうれん草として売られているので時期によって形が違っていて「あれ?」と不思議に感じられる事もあるかもしれません。

この2つの品種は形だけでなく味わいにも違いがあります。

東洋種はアクが少なくて甘みが強く、西洋種はアクが強くて少し固めです。味わいだけで言えば東洋種の方が優れているように感じますが、東洋種はトウ立ち(花芽が出て花茎が成長した状態のこと)しやすく、冷涼な気候を好むので秋蒔き以外の時期は栽培が難しいのです。また、病気の耐性も西洋種の方が高く東洋種がかかりやすい「べと病」にも比較的かかりにくいという長所を持ちます。そのため最近では両方の品種の良い所取りをした交配種(F1)として作られた交雑種が増えています。品種によって東洋種に近い物、西洋種に近い物がありますのでほうれん草の種のパッケージをチェックしてみましょう。

ちなみに通常のほうれん草はアクがあるので生で食べるのに向きませんがアクが少ないいわゆる「サラダほうれん草」は西洋種、最近増えてきた生食できる「赤軸ほうれん草」は東洋種のほうれん草の姿を強く受け継いでいます。

発芽させるのが難しい?種の形状も異なる東洋種と西洋種

ほうれん草の見た目は東洋種と西洋種で大きく異なりますが、実は種の形も東洋種と西洋種で大きく違っています。東洋種の種は角種または針種と呼ばれるほどに尖った形状をしています。菱を思わせるシルエットは鋭利で、種まきの時に手をケガしてしまう事もあるのだとか。それに比べると西洋種の種は葉のシルエット同様に丸みがあります。

ほうれん草の種は「硬実種子」と言って果実に当たる硬い外殻があるためそのまま畑に蒔いても発芽しない事があります。そのため、種を撒く前に水に浸しておくなどの下処理が必要となります。最近では「ネーキッド種子」と言って硬い殻を取り除いてコーティング加工された種子も作られています。地域によっては遅蒔きできる品種であれば12月頃まで種まきできるのでプランター栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

寒いと甘くなるほうれん草。ロゼットのほうれん草は抜群の甘さ

冬に収穫される野菜は寒さに負けないために糖度が上がって甘くなります。ほうれん草も霜に当たると甘みが増しておいしくなるのですが、特に甘い物に「ちぢみほうれん草」があります。ちぢみほうれん草はタンポポの葉っぱのように平べったい「ロゼット」という形状になっています。不思議な形ですが、これは寒い時期にほうれん草が少しでも日光を浴びるために地表に葉を広げた状態なのです。名前の由来となってる葉の縮みも、寒気に耐えるためなのだとか。

栽培地域が関東中心なので関西や温暖な南日本では見かける事が少ないかもしれませんがもしお店で見つける事ができればぜひ一度お試し下さい。普通のほうれん草と同じ食べ方で良いのですが葉が肉厚な分、アク抜き時間を長めにするのが調理のポイントです。
下茹で後にバター炒めにした物はほうれん草嫌いの人でも食べやすいので特におすすめですよ。

記事/ケノコト編集部

 

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