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まめ知識 2018.11.20

11月の和菓子 かわいい動物をイメージした『亥の子餅』 

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「亥の子餅」と聞いてピンと来る方と「どんなお菓子?」とに分かれるかもしれません。「亥の子餅」とはその名前の通り、イノシシの子供を形どったお菓子の事です。
また、亥の子とは旧暦10月の最初の亥の日のことをさし、この日には昔から現在に至るまで全国各地で無病息災を祈願する行事が行われています。

 

冬の訪れの時期に食べるお菓子だった亥の子餅

亥の子餅は古くから日本で食べられていたお菓子で平安時代には禁中年中行事として帝から臣下に贈られるお菓子でもありました。イノシシを形どった餅菓子ですが、作り方や使う材料がいくつかあり、帝から下賜される物は受け取る者の身分で餅の色や包み紙に厳格な決まりがあったそうです。また、源氏物語で源氏が若紫と結婚するエピソードにも亥の子餅が登場します。

宮中には摂津国能勢(現在の大阪府豊能町)から亥の子餅を献上する習わしがあったそうですが、これは元々豊作祈願の行事でもあったようです。亥の子餅という名前は形だけでなく「亥の子(旧暦10月(亥の月)の亥の日)の亥の刻(午後10時ごろ)」に食べる餅である事も関係しています。

元々は中国の風習が宮中に入り、農村では多産のシンボルであるイノシシにあやかった豊作祈願の行事に転じたと言われています。あるいは身体を温める猪肉をこの季節に食べることで万病を除くとされたいわれから、イノシシを模した餅菓子をたべるようになったとも伝えられ、その起源は諸説あるようです。亥の子の風習は西日本、その中でも特に中国、九州地方で盛んだったようで関東地方にこの行事が伝わったのは江戸時代以降のことなのだとか。

 

亥の子餅はお店によって味も形も色々。

一般の人が食べる亥の子餅については食べるタイミングが重要で、作り方や形には特に決まりがないようです。古いレシピでは蒸したもち米を付く時に小豆を混ぜこんで作るのが基本のようですが、現在、和菓子として食べられている物はイノシシの子供のうりぼうを模してスジ模様が入れられている物、イノシシのマークを焼きごてで当てられている物、シナモンやゴマなどを生地に混ぜ込んでイノシシの毛並みを表現した物などそれぞれの和菓子職人さんのイマジネーションと技術が駆使されたかわいい物が色々とあります。

現在ではこのお菓子が出回るのは10月下旬頃から11月で、必ずしも「亥の子」の日にしか食べられない、というわけではないようです。現在の端午の節句の柏餅と同様に行事の日に近いタイミングで食べるお菓子、という扱いなのかもしれませんね。
郷土料理に近い形の物は餅に小豆あんを軽くまぶしたようなスタイルで、平年は12個、うるう年は13個お供えする風習もあるそうです。

火事にならないようにとの祈りと、茶席にも登場する亥の子餅。

ちなみに昔「亥の子」は特別な日でした。というのが、江戸時代頃はこたつを使い始めて良い日が定められていたのだそうです。かつての日本の家は木材と紙で構成されていましたので乾燥する冬季は火事になりやすい時期にもかかわらず、暖房として家の中で火気を使用する必要があったため安全管理や注意喚起の意味でも各自が好きなタイミングで使い出さないようにルールを設定されたようです。

亥の子がその使い始めの日に選ばれた理由は、陰陽五行の考え方では亥は「水の陰」とされていて、火より強く、火に勝つと考えられていました。つまり、暦で亥が重なる日を選んで暖房器具を使い始める事で火事にならないという験を担いだわけです。
今となってはこたつに本当の火の気を入れて使うタイプの炭ごたつはあまり見られなくなり、使い始めのタイミングもその年の気候に合わせて選ばれています。実生活では亥の子を意識する機会は失われてしまっていますが、茶道ではまだ亥の子の日に意味があります。

茶道でお茶を立てるためのお湯を沸かすのに夏は「風炉(ふろ)」と呼ばれる道具を使います。そして寒くなると畳の下に備え付けられた小さな囲炉裏を開いて使い始めます。
この行事を「炉開き」といってこたつ開きと同じく「亥の子」の日に行われます。これは茶人の正月とも言われる大切な行事で、「口切り」と言って初夏に採れた新茶を初めて使う日でもあります。そんな大切な茶事のお菓子としても亥の子餅が使われているそうです。

古くから伝わる素朴な和菓子。そろそろこたつを出して、丁寧に淹れたお茶とともに亥の子餅を味わいたいものですね。

 

記事/ケノコト編集部

 

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