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まめ知識 2018.11.19

これからが旬。芳醇な香りとねっとりした口当たりがおいしい西洋梨の話 

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和梨の旬は夏から初秋ですが、秋が深まった頃合いからは西洋梨の旬が始まります。日本での西洋梨の主な産地は山形など、東北地方で栽培されている果物です。

口当たりが全く違う和梨と西洋梨

日本では単純に「梨」というと丸くてシャリシャリした食感の和梨を指し、丸いしずく型のようなシルエットの西洋種を「洋なし」と呼びますね。「洋なし」と呼ばれる西洋種の梨は明治時代になってから日本にやって来た比較的新しい品種です。一方、和梨は弥生時代頃から日本で食べられていたフルーツなので、日本人にとって「梨」といえば和梨を連想するのはごく自然なことではないでしょうか。

原産地はいずれも中国原産の物が東西に伝わって日本とヨーロッパそれぞれで変異していったと言われています。和梨は水が多くシャリシャリした食感ですが、その要因となるのが「石細胞」とよばれる物です。これは梨の細胞壁が厚くなった物で、和梨に多く、西洋梨には少ないため食べごろの西洋梨はシャリシャリした食感を感じる事がありません。

また、和梨はとりたてのみずみずしさを楽しむ食べ方をしますが西洋梨は収穫した後に寝かせて追熟させてから食べるのであの独特のねっとりとクリーミーな口当たりとなります。
なめらかな口当たりの秘密はペクチンと呼ばれる成分です。ジャムなどにも使われるとろみのある成分で、追熟している間にデンプンが糖化して甘くなると同時にペクチンのゲル化によって西洋梨独特の食感が生まれるのです。

日本のトップシェアはラ・フランス。ところが、意外な事実も。

同じ梨でも東洋の端である日本とヨーロッパではずいぶんと違った味わいの物となりました。ひとつにこれは産地の人間の食の好みが影響していると言えます。西洋梨は古くは古代ギリシャ時代には栽培が行われていて、ローマ帝国の隆盛に伴ってヨーロッパ各地に広まりました。果物として食べるだけでなく、お酒や酢の材料にもされたようです。

出汁を基本とするすっきりした味わいの和食とバターや肉類を使った濃厚な味わいの西洋料理を比べると、梨の栽培期間が進むにつれてより好まれる特徴の物が残った結果というのがよくわかる気がします。

明治頃に日本に入った西洋梨はすぐには広まりませんでした。現在は東北地方の山形を中心に東北や信越地方のような寒冷地で栽培されています。本来、西洋梨は温暖な地中海性気候が適地なのですが、気候的に合うはずの西日本は西洋梨を育てるのには雨が多すぎるため、西洋梨の耐寒性を利用して本来は向かないはずの雨が少ない寒冷地で育てられているのだそうです。

日本の西洋梨のトップシェアは山形県を中心に栽培されているラ・フランスです。全体の6割程度がこの品種となります。シェアでは三番手に位置するル・レクチエと品種は新潟で作られており、希少性からも人気があるそうです。

日本では西洋梨の代表ともいえるこの2つの品種には、驚くような共通点があります。この2つの品種はどちらもフランスが原産なのですが、なんと現在のフランスではほとんど栽培されていないのだそうです。

どちらも日本に入ってきたのは明治です。ラ・フランスは元々、ラ・フランスそのものを食用とするためではなく受粉用として他の西洋梨の栽培のサポートをするために静岡県が導入した品種だったそうです。一方、ル・レクチエは新潟県の庄屋であった小池左右吉さんがロシア旅行をきっかけに西洋梨と出会い、新潟に導入するためフランスから取り寄せたのが栽培の始まりなのだとか。

その後、山形、新潟の農家さんの努力で現在に至るのですがこの2つの品種は栽培にとても手がかかる事、フランスで作られた品種ながらフランスの気候に合わないなどの理由から原産地で消えた存在になってしまっているのだそうです。

今や日本でなければ食べられないかもしれないラ・フランスとル・レクチエ。
そのルーツや農家さんの努力に想いを馳せながら、濃厚な味わいを楽しんでみてくださいね。

 

記事/ケノコト編集部

 

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