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まめ知識 2018.11.23

古くから伝わる神事『新嘗祭』。今年の実りを神様に感謝する日。 

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新嘗祭は「にいなめさい」または「にいなめのまつり」「しんざょうさい」とも読みます。これはその年の実りに感謝し、天皇陛下が神様にその年に取れた五穀をお供えする神事です。五穀とは主食にもなりえる主要な作物の事で「稲・麦・粟・大豆・小豆」または「稲・麦・粟・稗・豆」など、古文書や使われる場所で内容が若干異なるようです。

収穫祭でもある神事。どうしてこんな遅い時期にするの?

新嘗祭は天皇陛下が国のために神様に祈る収穫祭ともいえる大切な行事です。とはいえ、行なわれる時期は11月の下旬です。暦が旧暦だった時は「11月の二の卯の日」と定められており、旧暦の11月13日~11月24日頃に当たりました。現在では11月23日に固定されているのですが、これは日本が太陽歴を採用して暦を切り替えた年の二の卯の日が11月23日だったためだそうです。
月見などの秋の行事が収穫祭を兼ねる意味合いもあるとする説などと合わせて考えると暦の上では冬に入っているような時期になってから収穫祭を行うのはなんだか遅すぎるような気もしませんか?
実はこのタイミングで行われる理由には諸説があります。

・東北など、収穫の遅い北の地域の収穫シーズンが終わるのを待っている

・かつての流通システムでは収穫物が宮中まで届くのに時間がかかるため、全国の五穀全てが揃うのが11月の終わりになってからだった

お供えするのは新米だけではないため、お米より収穫時期の遅い粟などが献上されるタイミングを待っていると11月頃になってしまった…という事情もあるようです。

穀物は刈り取ったらすぐに保存できるわけではなく、十分に乾燥をさせなければなりません。現在ではお米であればコンバインと乾燥機があるため、刈り取りながら稲から脱穀した後、一日で乾燥まで終える事が可能となりましたがかつては「稲木」と呼ばれる木組みに束にした稲をかけるなどして日光で乾かした後、稲木から下ろして運び手動で脱穀していたわけですから収穫してから保存するまでにも大変な時間と手間がかかっていたのですね。

現在では「勤労感謝の日」として親しまれる祝日に。新米を初めて食べるのはこの日という習慣も。


現在ではこの収穫の神事は「新嘗祭」という名前より祝日である「勤労感謝の日」として国民に広く浸透しています。勤労感謝の日は固定日となっている祝日では最も古い物だそうで、昭和22年までは宮中の神事と同じ「新嘗祭」を使っていたようです。

新嘗祭の起源は古く、「古事記」にも登場します。かつて租税といえば穀物でした。保存の効く主食の収穫は国の安定のために欠かす事のできない物であったため、大切な神事として行われていたのでしょうね。「勤労感謝の日」という祝日の名前の由来も「命の糧となる収穫を神様から得るために勤労できる事を喜び感謝しあう」という由来があるそうです
ちなみに新嘗祭の神事で天皇陛下は神様にお供えした五穀を召し上がられるそうですが、その日までその年の新米を口にするのは控えていらっしゃるそうです。現在、収穫の早い地域のお米であれば9月頃から新米が手に入るので新米が出始めてから3ヶ月近く経ってから…という事になりますね。

今でこそ私達は新米が出ればすぐに口にする事ができますが、昭和初期生まれのおじいちゃんによると、昔の農家は凶作を恐れてお米を長期保存していたため、普段は古米どころか2年前に取れた古古米を食べる事も珍しくなかったそうです。そのため、新米は収穫直後のお祝いや新嘗祭やお正月などしか食べられなかったのだとか。
「古古米になると米が黄色くなって匂いも出てくるので新米を見ると白くていい香りなのが際立って感じられた」という話を聞いて驚いた事があります。

飽食の時代、新しいお米が食べられるのが当たり前という感覚ですが、勤労感謝の日にはぜひ、今年取れたお米に感謝して味わってみて下さいね。

 

文/ケノコト編集部

 

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