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まめ知識 2018.11.25

もっと知りたい日本の郷土料理-山形県『芋煮』- 

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今や、ご当地の人でなくとも「秋のイベント」という風に認識されているのが「芋煮」ではないでしょうか。全国ニュースなどでショベルカーなどの重機を使用したダイナミックな芋煮会が開催されているのを目にした事がある方もいらっしゃるのでは?

冬を越せない種芋をおいしく食べる生活の知恵から生まれた芋煮

芋煮の主材料として欠かせない里芋は縄文時代頃から食べられており、日本人にとっては馴染み深い野菜の一つです。芋煮の発祥については諸説あるようですが稲刈りが終わった頃合いと里芋の収穫時期が重なるので収穫祭として行われた説が有力なようです。

里芋は米が不作だった場合、主食となりえる食材として盛んに栽培されていました。現在ではスーパーなどで流通している里芋の多くは株から取れた小芋ですが小芋をつけるために大きく育った種芋を「親芋」などと呼んで食べる食習慣がありました。


親芋は適切な温度管理ができれば翌年、また種芋として使えるのですが寒気に弱いので寒冷地である東北地方では冬を超すのが難しい環境でした。「芋煮」と呼ばれる料理が生まれたのは冬を越せない親芋が腐る前においしく食べてしまうという生活の知恵でもあったようです。

親芋は食感や味が小芋に劣るとされる事もありますが食べごたえがあり、親芋だけを炊いて食べるのを好む人も少なくありません。現在の芋煮は肉が入っていますが芋煮が生まれたとされる江戸時代頃は肉ではなく最上川で取れた魚や棒鱈が使われていた事もあったのだとか。

芋煮は農村の人達がささやかな収穫祭として集まってお芋の鍋を楽しんだイベントでもあり、最上川を利用していた舟運業に携わる人達が終着港の河原で芋煮を味わった慰労会としても機能を果たしていました。明治頃になると河原で行う芋煮が一般化して親睦を深める行事以外にも商談の場になったり見合いの席になったりと山形の人達の暮らしにしっかりと根づく事になります。

お肉が入るようになったのは昭和初期頃から。そして全国に知られるように。

現在、芋煮が盛んに行われる地域は山形だけでなく宮城も有名です。芋煮は地域によって定着している味付けの差異があり宮城で多いのが豚肉と味噌の組み合わせなのに対して山形の多くの地域は牛肉と醤油です。

元々、特別な謂れから生まれた料理ではなく芋煮が行われ始めた頃は山形でも普通のしょうゆで味付けした物の他にたまりじょうゆを使った物や味噌味もあったのだとか。
牛肉が使われるようになったきっかけは養蚕業が盛んだった頃に繭業者に牛肉をおごってもらった事だと言われています。山形は早くから牛肉を扱うお店が多かったため、当時の最先端の地域の名産を味わうイベントともなっていたのですね。

芋煮が全国に知られるようになったのは町起こしイベント。今では手軽なアウトドアイベントに。

芋煮が知られるようになったのは山形商工会議所青年部が始めた町起こしイベントです。食用油を使って整備された特別仕様の重機を使って数万人分の芋煮を作るイベントのインパクトから全国に「芋煮」という郷土料理が知られるようになりました。

地元は秋の行楽として定着していて季節になるとコンビニで芋を煮るための薪が売られ、スーパーで材料セットの他、芋煮用の大きな鍋がレンタル可能など地域外の人が見たら驚く仕組みが整っています。また、旅館やキャンプ場などでも芋煮会プランが用意されている事も。芋煮がいかに生活に密着しているかよくわかります。

「芋煮は食べてみたいけれど山形まで行けない…」という場合、最近では東京近郊のバーベキュー会場に芋煮の材料+機材のレンタルを行っている業者さんも複数あります。スタッフ付きで手ぶらで芋煮を楽しめるプランなどもありますので興味がある方はチェックしてみて下さいね。

しょうゆベースの山形風芋煮はシメにカレーを入れて「芋煮カレー」にも変身できるそうです。お家で芋煮を楽しんだ翌日はおいしい和風カレーを楽しんでみるのもおすすめですよ。

文/ケノコト編集部

 

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