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まめ知識 2018.12.25

日本の暮らしの言葉『年忘れ』~師走の暮らし~

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年末のイベントによく「年忘れ◯◯大会」という風に頭に「年忘れ」という言葉がついている事があります。この「年忘れ」、どういう意味があるかご存知ですか?

響きが似ている「年忘れ」と「忘年」。「年忘れ」の方が日本語として古い言葉

辞書などで「年忘れ」という言葉の意味を引くと「年末に、その年の苦労を忘れること、そのための宴」という意味合いの記載があります。この言葉の意味を聞くと思い出されるのが「忘年会」という単語です。「年忘れ」と「忘年」は文字だけ見ると意味は同じに思えますが、元々は違う言葉でした。

そもそも「年忘れ」という言葉の由来は鎌倉時代に、「連歌」(れんが)という行事を大晦日に行った事だと言われています。連歌というのは日本の詩作の形式の一つで和歌の五七五七七の音律を、五七五の上の句と七七の下の句に分け、複数の人で交互に歌を詠んで行くスタイルの事です。これが百句に至るまで続けるのを「百韻連歌」(ひゃくいんれんが)と呼びます。

連歌は現代で言うならSNSなどでとある人の発言を元に、続きとなるように多数の人がレスポンスを続けて一続きの文章を完成させるような物で、場にいる人全てが参加して完成させる文芸です。複数の人が一つの世界観を完成させるという言葉遊びのような側面もありますが、「年忘れ」として行われた連歌は遊びというより武家の人たちが新しい年にむけて結束を高める目的もあったようです。連歌は武家に取っては縁起担ぎの宗教的意味合いもあり、戦の前に「出陣連歌」の会が行われるなど、荘厳な儀式でもあり、連歌を寺社に奉納する事も行われていました。

武家社会では「年忘れ」の宴会を行う事はなく、年忘れの連歌会を行った後で年明けに新年会を行うという流れだったそうです。それが江戸時代頃に庶民が真似始めて「年忘れ」を「旧年の苦労を忘れる」という意味に解釈し、「年忘れ」として親しい人とお酒を酌み交わす習慣が生まれたようです。

明治以後に「年忘れ」と「忘年会」が同一の意味に変化。本来の「忘年」は違う意味が

「年忘れ」の行事が「忘年会」に変化したのは明治時代になってからで、地方から東京に出ていた学生や官吏が郷里に帰る前にお酒を飲む集まりを設けて「忘年会」と言うようになりました。「忘年会」という言葉は夏目漱石が『吾輩は猫である』の中で初めて使った、という説もありますが『我輩は猫である』の公開以前にも「忘年会」という言葉が使用された記録が残っているので明治頃に生まれた言葉が夏目漱石の作中でも使われた、というのが正確なようです。

この頃にはもう言葉の意味として「年忘れ」=「忘年」という用法が定着していたようですが、実は「忘年」には元々は別の意味がありました。「忘年」は中国の宋代に書かれた『荘子』にも登場する古い言葉で、「忘年の交わり」というような使い方をされていました。「年齢の違い(差)を忘れる」という意味で、先輩・後輩が年齢の隔たりを取り去って親しく付き合うという関係の事です。

とはいえ、いまや日本で「忘年」と言えば「心機一転」に近い意味合いで年末に使われる言葉となっています。中国から入ってきた言葉は他の日本語と同様の意味を持って使われているケースで、「言葉は生き物」というのが実感できる例かもしれません。

「年忘れ」は宴会だけに限らず、自分の振り返りとしても


付き合いの範囲が広いと「忘年会」に何度も参加する事もあるかもしれません。年中行事にかこつけて楽しむためのイベントでもありますから無理のない範囲で参加し、交友を深めるのも良い事ですが「一年の苦労を忘れる」ためのリフレッシュの機会として楽しんだ後は新年に向けて連歌を詠み、心を新たにしていた本来の「年忘れ」の意味を思い出し、来年に向けての暮らしを振り返る機会としても活用したいものですね。

 

記事/ケノコト

 

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