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まめ知識 2019.01.28

新酒の季節はおいしい『酒粕』を楽しもう。お腹にもうれしい酒粕のパワー

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酒粕(さけかす)は日本酒の「もろみ」を絞った後に残った物で、栄養豊富で発酵の恵みがたくさん詰まった食材です。

お米が酵母と出会った事で栄養価がアップ!!酒粕に含まれている物は?


日本酒はお米に麹を混ぜる事で、お米のデンプンがブドウ糖に変化し(これを「糖化」といいます)、そのブドウ糖を酵母がアルコール発酵させる事でお酒になります。
そのため原料であるお米と酒粕の栄養成分を比較すると大きく違う点がいくつかあります。

お米(うるち米)と酒粕では酒粕の方が炭水化物は少なく、タンパク質が多くなっています。またナイアシン(ビタミンBの仲間)や葉酸のようなビタミン類も増えています。お米が麹や酵母によって発酵した事で栄養価アップした物が酒粕と言えるかもしれません。

また、酒粕には多くのアミノ酸が含まれています。アミノ酸はタンパク質を作る部品のような成分ですが種類によって色々な味を持ち、組み合わせによって色んなおいしさの元となります。お肉や魚も適切な温度で寝かせた物は旨味が増すと言われていますが、これはタンパク質の分解が進んでアミノ酸が増えるからだそうです。このため、酒粕は昔から食材としてだけでなく調味料としても使われて来たのですが、おいしいだけではなく体にもうれしい効果がたくさんあります。

最近注目されているのが酒粕に含まれる「酒粕レジスタントプロテイン」という成分です。これはタンパク質でありながら体内の消化酵素に分解されにくい成分で、食物繊維のような働きをするとされています。実際、酒粕を食事に取り入れると便秘になりにくい、というケースも。
また、酒粕を使った料理を食べると体が温まりますがこれは「酒粕分解ペプチド」と呼ばれる成分の働きです。これはアルコールを飛ばした酒粕でも有効だそうで、冷え性の人が定期的に酒粕を摂取すると冷え性が改善される効果について酒造会社で研究されています。

 

おいしくヘルシーに。お料理にもお菓子にも活躍する酒粕。

昔から酒粕はそのまま食べられる事も多く、板状の物を焼いて砂糖をかけた物が冬のおやつとして親しまれている地域もあります。その他、代表的な食べ方は粕汁や魚肉や野菜の漬け床で、特に奈良漬は高級なお漬物として珍重されていたのだとか。
旨味が多い素材なので、最近は焼き菓子に加えてチーズのような香りを楽しんだり、ノンオイルのケーキのコク出しに使われたりするレシピも親しまれています。

飲み物としてはお湯で溶いて砂糖を加えた「甘酒」ですが、麹で作った甘酒とは味だけでなく栄養の面でも大きく違います。酒粕を使った物はアルコールを含み、食物繊維と栄養成分が多く、砂糖の量で甘さを調節できます。麹の物は食物繊維が少なめですがカロリーも低めで、吸収が速いブドウ糖を多く含むので「飲む点滴」と呼ばれ、バテた時にすばやく効くのはこちらです。

ちなみに甘酒と混同されやすい物に「白酒」がありますが、こちらはみりんなどをベースにもち米を加えた物で、酒粕で作った甘酒より度数が高く、「リキュール」として分類されています。

元となったお酒で変わる酒粕の形と味

当然ながら酒粕は日本酒の副産物であるため、元となったお酒によって形や味が違ってきます。市販されている物でよくみかける、分厚いシートタイプの物は「板粕」と呼ばれています。これはもろみを機械で圧搾した場合に取れる酒粕です。
板粕と違い、ちぎったような固まりを集めた物は「ばら粕」と呼ばれます。板粕をうまく取れなかった物もありますが、やわらかい酒粕で板状にならなかった物もあります。大吟醸や吟醸のような芯の近くまで削って磨いたお米を原料にした粕にばら粕が多い傾向があるようです。

お酒はお米の精米の度合いや仕込み方で味が変わりますが、吟醸酒はフルーツに近い華やかで軽やかな香り、そうでない物はお米らしい芳醇な香りが強くなる傾向があります。酒粕もお酒と同様、銘柄で味わいが違ってきますので食べ比べて粕汁向け、ケーキ向け、というように使い分けしてみるのもおすすめです。

残った粕は冷凍すれば長く楽しめますし、常温でも上手に保存すると「熟成酒粕」として万能調味料として使えます。酒粕が多く出回る今、ぜひお好みの物を探してみてくださいね。

記事/ケノコト編集部

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