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まめ知識 2019.02.20

2月の和菓子 『うぐいす餅』本物の鶯に似ているのは…?

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1月は年が改まった事で「新春」という言葉が使われますが、2月は季節の春の始まりとして「早春」という言葉が使われます。この時期、季節の変化を告げてくれる生き物がうぐいすです。

「ホーホケキョ」の鳴き声で有名ですが平地で鳴き始めるタイミングがちょうこの時期、早春であるため「春告鳥(はるつげどり)」の名前でも呼ばれます。鳴き声が美しいので古くから日本人に愛されている鳥で、平安時代から「鶯合(うぐいすあわせ)」という、鳴き声を競わせる遊びも行われていました。

さて、そのうぐいすを模したと思われるかわいい和菓子はいつ頃から食べられていたのでしょうか。

豊臣秀吉をおもてなしするために考案されたうぐいす餅。元祖の物は名前が違う?

うぐいす餅が作られた由来として伝わっているのは1850年代頃、豊臣秀吉の弟である豊臣秀長が自分の城である郡山城(現在の奈良県大和郡山市)に兄である秀吉を招いて茶会を行う時にお抱えの和菓子屋、菊屋治兵衛に茶会のお菓子を用意するようにいいます。

茶会では餅菓子で餡を包んできなこをまぶした物が用意されますが、秀吉はそれを気に入り「うぐいす餅」と名付けたのが始まりと言われています。

現在ではうぐいす餅は全国どこでも作られていますが発祥はこの郡山であるという説が有力です。うぐいす餅は茶会以降も作られ、菊屋さんで売られたのですがお店の場所が郡山城の入り口に当たる事から「城の入り口で売っている餅」が短縮されて「城之口餅(しろのくちもち)」という名前で呼ばれるようになり、現在も「御城之口餅(おしろのくちもち)」の商品名で販売されているんですよ。

「うぐいす色」ってどんな色?「うぐいす粉」の色と間違えられた小鳥のコト

うぐいす餅は全国のどこでも比較的手に入りやすいお菓子ですが、あなたの知っているうぐいす餅の色はどんな物でしょうか?

「うぐいすなんだし、緑が普通なのでは?」と思われるかもしれませんが、元祖でもある菊屋さんのうぐいす餅(御城之口餅)に使われているきなこは普通の黄色い物です。
緑色のうぐいす餅に使われているのは「うぐいす粉」と呼ばれる「青大豆」を使った緑のきなこか、抹茶をまぜたきなこです。

「うぐいす餅が生まれた時代は青大豆や抹茶をまぜたきなこがなかったからでは?」と思いたくなりますが、実は本物のうぐいすの色は普通のきなこの色の方近い、茶色みの強い羽を持っているのです。

イラストなどに描かれているうぐいすの羽は緑っぽい物も多いのですが、実はこれは「メジロ」をうぐいすと混同されるケースが昔から多かったためなのだそうです。うぐいすとメジロはどちらもスズメの親戚で大きさも似ており、生息圏や活動の時期が重なっています。うぐいすは警戒心が強いためあまり人目につかないのに対し、メジロは花の蜜を好むために庭などでも姿を見かける事も多いためメジロを見て「これがうぐいすか」と混同されてしまっているのです。

和色で「鶯色」というと緑の濃いオリーブグリーンなのですが、本当のうぐいすの羽に近いのは「鶯茶」と呼ばれる色の方です。だからきなこをまぶされた小さなお餅を見て、秀吉はうぐいすをイメージしたのでしょうね。

ただ、「春らしいお菓子」として考えると彩りが鮮やかなのは緑の方です。最初に緑のうぐいす粉を選んだ職人さんは写実より春の雰囲気を強める洗練の方法としてきなこの種類を変えたのかもしれませんね。

一般的なうぐいす餅は白玉粉のお砂糖を混ぜて「求肥」を作り、求肥で餡を包んで小鳥のようなシルエットを整えてきなこをまぶす、という手軽なステップで作れます。手軽に手に入る普通のきなこをつかって本家のうぐいす餅のように仕上げたり、ココアや、野菜・フルーツのパウダーを使っていろんな羽色の「春の小鳥餅」にアレンジするのも粋なもの。
春の気配を感じられたら、うぐいす餅とお茶をいただきながら五感で春を楽しんでみて下さいね。

記事/ケノコト編集部

 

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