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まめ知識 2019.02.25

季節の草花『梅のコト』春に先駆けて咲く「花の兄」

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梅は着物の柄ならお祝いごとにも向くとされ、吉祥のモチーフにされています。丸い花弁が5枚並んだ花の形もかわいらしいですね。寒い時期に花を付けるので「耐え忍ぶ」というイメージと香りが良く清楚な佇まいであるため「華やか」「華麗」というより「上品な美しさ」を演出したい時に好まれる柄になっています。

着物の柄としては、しとやかな日本女性を彩るという雰囲気ですが梅の別名は「花の兄」とも言うそうです。これは立春の後、他の花に先駆けて花を付ける事から付いた名前なのだとか。冷たい空気の中、花を咲かせて良い香りをさせる梅は他の花たちに「もう春が来るぞ、そろそろ起きる用意をしよう」と声をかけているように思えたのかもしれませんね。

ちなみに梅が「花の兄」なら弟に当たるのは菊だそうです。春が終わり、夏が過ぎて気温が下がり、冬が近づく秋に花を付けるので「百花の弟」と呼ばれるのだとか。

今では日本の花、と言えば桜が代表ですが日本での鑑賞の対象としての歴史は梅の方が古く、奈良時代までは春の花といえば梅で、万葉集の和歌に詠まれた歌は梅の方が倍近くになっています。それが平安時代になって桜の鑑賞の習慣が広まって来ると人気が逆転し、古今和歌集では桜を詠んだ歌の方が多くなってきます。

とはいえ、梅を愛でる文化はしっかりと根づいており、貴族の生活に欠かせなかった当時のフレグランスとも言えるお香の代表的な香りで春の物は「梅花」と呼ばれる梅の香りをイメージしたレシピになっています。

取り出すのが難しい梅の香り。梅の名所があれは楽しんでリラックスを。

梅の香り、と言われてぱっとイメージするのは花の香りより、初夏に青果コーナーに並んだ梅の果実の香りかもしれません。熟した黄色っぽい丸い果実の方が甘酸っぱく爽やかな香りを漂わせるのでお店でいい匂いにうっとりしてしまう事もありますね。

梅は花からも甘く良い香りがします。梅の木の近くに行くと梅の花の香りを楽しむ事ができますよ。梅の香りはできれば早朝に楽しむのがおすすめです。梅の香りは朝が一番強く、夕方になるほど弱くなるのだそうです。もし、鉢植えであれば花の時期は室内に取り込むと香りが感じやすいかもしれません。

全国各地に梅の名所がありますが、多くの種類の梅が栽培されており、花だけでなくはっきりとした梅の花の香りを楽しむ事ができます。梅は一日の時刻の変化だけでなく、蕾から開きかけた頃と散り際までにも香りが変化するそうです。また、白梅と紅梅でも香りの系統が異なるのでもしかすると同じ梅の名所でも訪れるタイミングが違うと、香りの雰囲気が違って感じられるかもしれませんね。

今では目で見る事、触れる事の感覚が刺激としては優勢で、自然からのこまかな匂いの違いに注意を払ったり、という事は少ないかもしれません。ですが、梅が日本人に最も愛された時代の「匂い」には嗅覚で感じる刺激以外にも物の様子や漂う風情、情緒をも示す意味がありました。梅は姿が良い花ですが、香りについて詠われた和歌も多く、当時の人達の細やかな感覚はもちろん、香りがわかる程にたくさんの梅が植えられて、庭木としても愛されていたのではないかと思えます。お近くに梅の名所があれば、香りがしっかり感じられる程に多くの梅が育てられている贅沢さをぜひ味わってみて下さい。

梅の香りは繊細なので、梅そのものから香りを抽出するのが困難だそうで、梅の花から取った精油などは見かける事がありません。そのかわり、ジャスミンや安息香など別の香りをブレンドする事で白梅に近い香りを作り出せるのだそうです。

梅の香りは緊張した神経を解きほぐしてリラックスさせる効果があります。春は何かと神経を使う季節です。近くで咲いている梅が楽しめない時は梅の香りを再現したアロマなども上手に使って気持ちをリフレッシュさせるのもおすすめです。
毎日の暮らしに、季節の花の香りを取り入れてみてはいかがでしょうか。

記事/ケノコト編集部

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