
『啓蟄』虫出しの雷がなる季節。天気痛にご注意を
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二十四節気の一つ、啓蟄。これは「冬眠していた虫たちが這い出てくる頃」という意味です。普段は見えない所で季節が動いている事を昔の人達はよく知って、季節の移ろいの目安にしていたのですね。
「春雷」「初雷」雷にちなむ言葉の多い時期。虫を起こす雷の音
啓蟄は天気の前線などの変化するタイミングに当たりやすく、啓蟄の日は雷が鳴る事も多いようです。これは主に寒冷前線によってもたらされる雷ですが、昔の人はこれを「虫出しの雷」とも呼んでいました。雷が冬眠していた虫たちの目覚ましなんて、スケールの大きな話ですね。
他にも「春雷」と書いて「しゅんらい」と読み春の季語としても使われます。立春の後に初めて鳴る雷は「初雷(はつらい)」と呼ばれます。このようにタイミングで同じ気象現象を細やかに呼び分けるセンスは日本語ならでは、という感じがします。
季節の変わり目の印のような雷ですが、夏ほど激しくはありません。夏のように地表と上空の温度差もないため、積乱雲が発生しないからです。(積乱雲は静電気の固まりで高電圧を帯び、それが激しく放電されるので夏の雷は激しい)
時にこのような気象の変動は、体に大きな負担をかけてしまいます。
低気圧が原因と考えられる「天気痛」と春の体
「雨の日は頭痛が出やすい」と感じる事はないでしょうか?これは昔から言われている「雨の日には古傷が痛む」という話と理由が通じています。人間が天気の変化を感じ取る場所は耳の奥にある「内耳(ないじ)」と呼ばれる部分なのだとか。
気圧の変化を感じる感度は個人差がありますが、敏感な人はそれがストレスとなってしまい自律神経の調子が狂うので、頭痛など不調を感じる事があるそうです。そのため、ストレスに強い人には平気な変化が、敏感な人には重いダメージなるという個人差が出る事も珍しくありません。
これは頭痛などの具体的な体の不調だけでなくメンタルにも影響が出るケースもあり、春になると気分が沈む、という事の原因が実は気圧の乱高下による事も。熱もないしお腹などの不調もないのになんだか家族がグズグズしている、という時は天気予報などで気圧が低くなっていないかチェックしてみてもいいかもしれませんね。
春先は調子が悪いと思ったら、タイミングとその日をメモしておくと後で体調管理がしやすくなります。頭痛がひどい場合は頭痛外来などでの相談がおすすめですが、頭痛の記録があるとお医者様が原因を判断しやすいそうですよ。
春は自律神経が疲れる季節。刺激の強い物は避けよう
この季節、気圧の影響などからも自律神経は疲れやすいのですが、日が長くなる事で人間の精神が自然と高揚しやすくなる時期でもあるのだとか。
漢方でこの時期おすすめされるのが春菊、ミツバ、せりのような香り高い香味野菜の他、柑橘類や梅干しなど酸味のある物が良いそうです。実際、酸味の素であるクエン酸は疲労している時に体が欲しがりますよね。いちごも手軽にこの時期の体を労る事ができる食材ですのでデザートにいかがでしょうか。
注意したいのが旬の食べ物である山菜です。ほろ苦い味もこの季節の体に取って必要な物と言われますが、アクが強く、体にトラブルがある時は刺激となってしまい悪化の原因となる事も。体調が良くない場合、パワーが強すぎる物を沢山食べると体に負担がかかってしまいます。様子をみながら控えめに食べてみて下さいね。
冬の終わり頃は体が動き出そうとするタイミングに当たります。その時期に家にこもりがちだと季節に応じた状態に体をリセットできないため気分の変調の原因になってしまう事も。朝は朝日を浴びて新しい季節が来た事をしっかりと体に伝えてあげて下さい。
そろそろ、つくしやふきのとうが見られる時期。近くの公園や森などで春の息吹を探しながら、体を春モードに変えてみませんか?
記事/ケノコト編集部
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