
旬食材『春の山菜』扱いを知っておいしく食べよう
目次
春先になると山菜が出回るようになります。この時期は体が苦味を欲しがるのか、山菜を食べると体にエネルギーが染み渡るような気がしますね。
実は「山菜」ではない?流通している山菜のあれこれ
山菜と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。
わらび、ぜんまい、ウド、タラの芽、コシアブラなど、春の草や木の芽のような物をイメージされるでしょうか。
「山菜」という言葉本来の意味を説明すると「山草の中で食用となる物」の事です。山菜の対義語は「野菜」のように思えますが「野菜」も元は「野草で食用になる物」を指します。では普段私達が食べているのは何かと言うと「蔬菜(そさい)」という分類になります。元々は、「野菜」が自然採取した物で「蔬菜」は栽培した物、という風に使い分けがされていたようですが現在では野菜という言葉と蔬菜がほぼ同義となっています。
この言葉の意味を踏まえるとスーパーなどで出回っている「山菜」は山から採られた物ではなく、栽培された「蔬菜」に当たる物が多くあります。食べる分には「蔬菜」となっている物でも問題はないのですが、山に自生している物を採取してすぐに食べていた人にとっては味わいが若干違う、と感じる事もあるようです。
山菜の場合、こういった風味の違いの大きな原因となるのが香りの強さとアクの量です。山菜は収穫した時からどんどん香りが飛び、アクが強くなって行きます。そのため、山菜をおいしく食べるには時間が勝負になって来ます。
水にさらす?重曹につける?アクの強弱で変わる山菜の下ごしらえ
手軽に食べられる山菜はアクがきつくない物です。たらの芽、ウドの葉、ふき、こごみ、ふきのとう、コシアブラなどは比較的アクが少ない山菜です。
これらはガクや根本の汚れを取って水にしばらく晒す事で下ごしらえが完了します。(ウドの茎の部分は酢水に晒します。また、ふきはゆでてから水に晒す方法もあります)
わらびはこれらと異なり、重曹を使ったしっかりとしたアク抜きが必要になります。
わらびは重曹をふりかけて更に熱湯を注いで一晩置いてアクを抜きます。ぜんまいもアク抜きが必要ですが多く出回っている水煮は既にアク抜きされています。
下ごしらえの後で和え物やサラダ、パスタなどに使われる事が多いのですか、最も手軽な方法は天ぷらやフライなどの揚げ物にする事です。油がアクの苦味を押さえてくれるので苦味が苦手な人は少し長めに揚げるとおいしく食べられます。意外な所ではゆでた物にマヨネーズを使っても味がまろやかになります。
アクの正体はアルカロイド。手についた時は酢水で
山菜の苦味の正体は「アルカロイド」と呼ばれる成分です。少量であればストレス解消や疲労回復に効果が期待できるとされています。ですが、多量に摂取すると下痢や嘔吐の原因になるほか、苦味の元となって食べられないのでアクが強い物はアク抜きが必要になってくるのです。炒め物や揚げ物など油と一緒に高温で加熱するとアクも飛びますがさっとゆでておひたし、という場合などは下処理をきちんとして食べすぎないようにご注意を。
また、アク抜き作業のために山菜に触れていると手がアクで真っ黒になってしまう事があります。これは予め手袋をはめておくのが一番なのですが素手で作業しないとやりにくい場合、山菜をさっとゆでてから筋取りなどをする方法がおすすめです。特に生のふきは手が黒くなりやすいので先にさっとゆでるのがおすすめです。素手で作業して手が黒くなった場合、クエン酸でアクのアルカリ汚れを中和する事で落ちやすくなります。お掃除用のクエン酸を溶かした物、食用酢やレモンの皮などで手をこすってみましょう。手に傷がある場合、刺激となって染みますので無理はせずそのまま数日生活すれば自然と落ちてきます。
自然の恵みを感じる事ができる山菜は春のご馳走です。意外に洋食レシピにも合う素材なので手に入ればぜひ味わってみて下さいね。
記事/ケノコト編集部
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