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知るコト 2019.04.11

『茶の湯の世界へようこそ』ーお茶が教えてくれることー 

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「茶道」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
敷居が高い、難しそう、作法や礼儀が厳しそう… 日本の伝統文化でありながら、なんだか近寄りがたい印象を持たれてしまいがちな茶道ですが実はその精神には日々の暮らしを豊かにするヒントがたくさん潜んでいます。
幼い頃に始めた茶道を約20年ぶりに再開したというすずきりささんが綴るコラムとともに、お茶の世界を覗いてみましょうか。

 

茶の湯の世界へようこそ ーお茶が教えてくれることー

“茶道とは”、とgoogleで検索すると、”茶をたてる作法。これによって精神を修養するという。千利休が大成した。ちゃどう。”と出てきます。
別の解説では、“茶を淹れて飲む事を楽しむだけではなく、生きていく上での目的・考え方、宗教、そして茶道具や茶室に飾る美術品など、広い分野にわたる総合芸術”とあります。
それ以外にもたくさんのわかりやすい解説があるのですが、私がはっとしたのは”精神を修養する”。”修めて養う”、というところ。

小学一年から大学で地元を離れるまで祖母にお稽古をつけてもらい、表千家講師のお免状もいただきましたが、当時はただただ楽しいということで道の深さまではわからなかった気がします。
大人になって20年以上のブランクの後、今度は母から手ほどきを受けることとなり、改めて、茶道の一つ一つ全てに理由があること、季節、特に、日本ならではの四季と共にある事、そして無駄のないシステマタイズされた道具やそれぞれのお点前の一連の作法・流れに感銘を受けています。
茶道が近寄りがたいものに見えるのは、この作法を覚えなければ、というところかもしれませんが、全て理由に基づいた流れがあるので、“お茶をたてて客人をもてなす”という目的のもとに無理のない流れに従えば、自然とお点前が完了するのです。

とはいえ、そうはなんとなく理解しつつも、まだまだ完全なる未熟者の私。
席入れの作法もギクシャク、掛け軸は読めない、準備の仕方も忘れている、先生がいないと基本のお点前すらままならない。
それでも、週に一度、静かな空間でただそこにあるものに集中する時間があるだけで、まさに冒頭の解説にあるように、心は修まり、そして養われているのを感じます。
今デジタル時代に生きる現代人に必要なこと!とまでは言い切れませんが、よりポピュラーになったヨガにも似ているようにも思います。茶道は禅がルーツとされ、ヨガは仏教との関わりも深いので当然のことなのかもしれませんね。
最近では雑誌カーサ・ブルータスでも特集されるなど、茶道の建築を含めたデザインや道具のあり方、四季を愛でることなどは、現代のライフスタイルにそのまま取りこめる要素がたくさんあるのだと気付かされます。

先日、初釜といってその年の初めのお稽古があり、そこで飾られていた掛け軸には、“松樹千年翠”とありました。
当然ながら何と読むのか分からなかった私は席主である母に聞いたところ、“しょうじゅせんねんのみどり”、とのこと。
後で改めて調べてみると「冬でも緑を保つ松に生の強さ、それでも春には新芽が出て古い葉は枯れていく、一見変わらない常緑樹の松も、常に変化しているからこそその姿を保つことができる」といった意の禅語でした。

私自身、結婚・出産を機に長い東京生活を終えて地元の新潟にもどり、現在復職を控えた育休中で今後の人生をいろいろと考える中、こういった言葉との出会いもお茶をしていればこそのものであり、とても大切な生きるヒントとして蓄積されています。

読めない掛け軸は聞けば先生が教えてくれます。お花も四季の庭に咲く身近なもの、お茶碗も茶器もみんな背景があり、高価なものだけではなく見立てといって元々はお茶の道具ではない日常のものを使っている場合もあります。
美味しいお話しでは、お茶に合う和菓子はほっとする甘さです。抹茶にはリラックスを促すテアニンや風邪やインフルエンザ予防にも効くカテキン、ビタミンCが豊富に含まれています。お茶の葉をそのまま粉砕しているため食物繊維も多く、個人的には産後ずっと苦しんでいた便秘が改善された気がします。お釜で湯を沸かすため鉄分も溶け出していて、ポットのお湯で淹れるお茶とはまた違う味わいになります。

ほんのいっとき日々の雑音を傍らに置き、炭がパチっと弾ける音、桜の花びらがひらひら舞う音、お湯が御釜でしゅーっと湧く音に耳を傾け、香が炊ける香りを嗅ぎ、おいしいお茶を飲みにきませんか?

 

コラム/すずきりさ
約20年に渡り東京から世界を飛び回る生活をて、結婚・出産を機に地元新潟にUターン。
自然の中での子育てと家族の時間をのんびり満喫する中で、改めて新潟の魅力に気づく日々。茶道の勉強も再開しながらライフワークバランスを模索中。
茶道表千家講師。

 

 

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