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まめ知識 2019.04.01

旬食材『鰆(サワラ)』 春の季語でも地域によって旬の扱いが変わる回遊魚

魚偏に春と書く魚、鰆(さわら)。名前からも春が旬…という感じがしますね。ですが、鰆は地域によって旬とされる時期が違ってきます。

「サワラ」という名前の音はスリムなシルエットの魚であるため「狭い(さ)」と「腹(はら)」が合わさって「サワラ」になったという説が有力です。「サゴシ」や「ヤナギ」という魚は小さいサイズの鰆の事で、ブリやスズキのように鰆も出世魚となります。関東ではサゴシ・サコチ・サワラ、関西ではサゴシ・ヤナギ・サワラと名前が変わります。

白身魚のようだけど成分的には赤身の鰆。瀬戸内での旬は春

鰆はサバの仲間で、白身魚のような扱いを受ける事もありますが成分的には赤身の魚に入ります。「鰆」と聞いて味についてどんなイメージがあるでしょうか?

鰆は水揚げされる時期によって味わいが変わります。
関西では春、関東地方では冬が旬とされる事が多いようです。理由として、かつては5~6月頃は瀬戸内に産卵のために鰆が多く集まって来たのでたくさんの鰆が水揚げされていました。そのため関西では春が旬とされています。どれほど集まったかというと「魚島(うおじま)」という言葉ができる程です。押し寄せた魚が島に見える程密集していた様子を想像すると、春の魚という文字が当てられるのも納得の気がします。

この時期の鰆は卵巣の味もよく、身と合わせて子を食べる事も好まれています。和歌山では桜の時期に取れる鰆を「桜鰆」という素敵な名前で呼ぶ事もあるそうです。これ対して関東では脂の乗った冬期の鰆が好まれたため「寒鰆」と呼んで冬のご馳走、という扱いになっています。

鰆の一大消費地。岡山の人は鰆が大好き?

鰆は回遊魚独特の濃厚な旨味があり、癖も少ないので人気が高い魚ですが、全国で一番鰆が好まれているのは岡山ではないでしょうか。
皆さんは鰆を食べる時、どうやって食べますか?塩焼きや西京漬け、照り焼きなどの焼き物の他、お寿司などのネタにもありますね。岡山ではなんと鰆はお刺身で食べる事が多いのだそうです。サバの仲間は傷みやすく、加熱して食べる調理方法が中心となりますが「鰆の刺身は皿までなめる」という言葉があるほど、おいしいのだそうですよ。脂の乗った物はインドマグロと似たとろりとした食感が楽しめます。

傷みやすい鰆ですが、どうして岡山では刺し身で食べられるのでしょうか。それは瀬戸内から新鮮な鰆が送られて来ることと、刺し身で食べられるように手入れと管理が徹底されていることがポイントのようです。鰆を扱い慣れている職人さんが多いので安心して鰆を刺し身で楽しめる、というわけですね。刺し身に限らず岡山では鰆料理を売りにしているお店がたくさんあります。
岡山といえば桃やマスカットのようなフルーツ王国のイメージが強いですが、郷土料理には酢でしめた鰆を使ったばらずしもありますのでお魚好きな方は岡山を訪れる機会があればぜひチェックしてみて下さい。

栄養的にも優れている鰆。身がバラバラにならないよう扱いには注意

鰆に含まれる栄養で注目するべきなのはDHAです。サバの仲間はDHAを多く含むのですが特にこれは寒鰆がサンマやイワシを餌としているからなのだそうです。DHAは高血圧や高脂血症の改善に効果が期待できるとされています。体調が気になる世代はもちろん、生活習慣病の予防として積極的に食べたい食材です。

鰆を食べる時の注意点としはて身が柔らかく身割れしやすいので触りすぎない事と、塩で身をしっかりしめてから調理する事です。煮崩れしやすので煮物よりも焼き物や衣を付けてフライにするのもおすすめです。

地域によって旬とされる時期が異なりますが夏の産卵時期を除けば味わいは変わってもほぼ年中楽しめるおいしい魚です。タイミングによって変わる味わいによって調理法を変えたり、工夫も楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事/ケノコト編集部

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