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まめ知識 2019.04.11

4月の和菓子『桜餅』関東風桜餅が食べられる意外な場所は?

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「季節の和菓子」というと最初に思い浮かべるのはこれ、という方も多そうな和菓子といえば「桜餅」ではないでしょうか。季節の象徴として愛されている桜をイメージしたお菓子で、日本中で広く食べられていますね。
ピンクの可愛い色合いと、くるりと巻かれた桜の葉というデザインは甘い物が苦手な人でも、目にするだけで「春」を感じられ、目にもおいしいお菓子。最初にこの形考えた人のセンスには脱帽ですね。

関西と関東で違う桜餅「長明寺」と「道明寺」どちらもお寺にちなんだ名前

和菓子に興味がある人にはおなじみかもしれませんが、実は桜餅には二つの種類があります。一つは粒粒のおはぎのような生地で包まれた「道明寺」と呼ばれるものと、小麦粉と餅粉を合わせた生地を焼いた皮で餡をくるりと巻いた「長命寺」と呼ばれるものです。「道明寺」と呼ばれるおはぎ風の物は関東も含めた全国的に食べられているのに対して「長命寺」は基本的に関東地方を中心とした東日本で食べられているそうです。

記録の上では、徳川綱吉の時代頃には京都の和菓子屋さんで「桜餅」と呼ばれるお菓子を作っていた目録があったようですが、それが現代に残っている桜餅と同じ物かどうかははっきりしないそうです。(この当時の桜餅と呼ばれる物はお餅に桜の葉を付けて蒸した物や桜の形を模した餅菓子など幾つかパターンがあります)

現代の桜餅の発祥は関東地方の方が先であるとする説があります。
江戸の長命寺の寺番をしていた山本新六という人が、墨田川沿いに植えられた桜の落ち葉の掃除に困り、葉を漬物にする事を思いついたのが発端だったのだとか。まず桜の葉の醤油漬けが作られ、それが次第に塩漬けの葉でお菓子を巻いた物となり、お墓参りに来た人に振る舞われたのが始まりだったようです。
それが後にお寺の前でお店を構えるようになったわけですから、とてもおいしいと人気があったのでしょうね。長命寺タイプの桜餅の元祖である山本屋が盛況であった事は当時の読本にも書かれています。

これに対して関西風と言われる道明寺は、長命寺餅の人気にならって大阪で作られ始めた、とされているそうです。長命寺の方は発祥地の名前ですが、道明寺の方は「道明寺粉」を使って作る事からそう呼ばれます。

道明寺粉は藤井寺市の道明寺を発祥とする昔の保存食の一種で「乾飯(かれいい)」と呼ばれる物の仲間です。水につけた後、蒸して加熱したお米を乾かして砕いた物で、現代で言う所の「アルファ米」のような物です。炊かなくても乾いたままでも食べる事ができ、お湯や水を注げば柔らかく戻るとして昔のインスタント携行食として使われていたそうです。
現代では保存食としての用途で使われる事はほとんどなく、桜餅を初めとした和菓子の材料として主に使われているのだとか。

飛び地のように作られている事もある関東風の桜餅

関東風の桜餅は西日本ではあまり見かける事がないのですが、例外的に金沢や島根県などでも食べられているそうです。島根では長命寺タイプが「桜餅」で関西風を「道明寺」と呼ぶそうで、関東地方と同じ桜餅文化圏になっているという不思議な現象が起きています。

島根は「不昧公(ふまいこう)」と呼ばれた第7代藩主松平治郷が大変優れた茶人であり、代々茶道が大切にされている土地柄で、現代でも一世帯辺りの和菓子の消費量がトップクラス。長命寺風の桜餅は明治に入ってから松江藩の元家老、有沢宗閑(ありさわそうかん)が地元の和菓子屋さんに江戸風の桜餅を作るよう命じてから広まったのだそうです。
作られ始めた当時、「御家老様がおすすめの江戸のお菓子」という風に珍重されたのかも…と思うと春の目新しい和菓子に目を輝かせたかつての松江の人達の笑顔が思い浮かぶ気がしますね。

地域によっては入手が難しい関東風の桜餅ですが、おうちでも手軽に作れます。どんなお味か気になる人は手作りにトライしてぜひお試し下さい。

記事/ケノコト編集部

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