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まめ知識 2019.04.22

季節の草花『藤のコト』花盛りの時期はもうすぐ

名残惜しくも桜が終わる頃からは、藤の花の季節。桜が風に散るなら藤の花は、しだれて風に揺れる様子が美しい花です。
藤は蔓の巻き方で種類が違い、園芸種の多くは右巻き、ヤマフジと呼ばれる物は左巻きとなっています。

藤は日本以外の国にもありますが、日本には固有種があり、古来から日本人に親しまれて来ました。それは万葉集にも登場するほど。花の美しさも親しまれた理由ではありますが、生活の道具として藤蔓が役立つ事から暮らしを助けてくれる植物として馴染み深い存在だったようです。

ロマンチックな名前の「藤衣」その着心地は?

「藤色」と言うと藤の花のような淡い紫で、日本の女性の肌を引き立てる色です。色としての歴史も古く、平安時代頃には登場しています。現代でもファッションの色として人気がありますね。

服に関わる「藤」が付く言葉としてもう一つ、「藤衣」という言葉があります。「藤衣」は「ふじころも」とか「ふじぎぬ」と読みます。漢字だけ見ると藤色の着物や藤の花の柄の着物の事をイメージされるかもしれませんね。ですがこの言葉にはもっと色々な意味があります。

まず一つに藤の蔓を使って使った衣服を指します。藤蔓で布、と聞くとちょっとびっくりしますが、蔓を灰汁で煮て柔らかくして表皮を剥いで使っていたそうです。実際に古代に作られた藤衣と同じ物ではないのですが、楮や麻と混ぜて織られた物を帯とした物を見た限りでは「布」というより草を編んでいくゴザと似たざっくりした生地です。古代でも藤を使った布地は目が荒い事から「粗末な物」という扱いだったようで「藤衣」という言葉はなんと「粗末な身なり」を指すのだそうです。

二つ目の意味は「喪服」を意味します。これは上流貴族などで喪服の素材には晴れ着の素材である絹ではなく一段劣った素材である麻などを用いた事を謙って「藤衣」と呼んだからだそうです。優雅な言葉ですが豊かになる前の時代の厳しさを伝えているといっていいかもしれません。

綺麗でおいしい「藤の花の天ぷら」でも食べ過ぎには注意

生活に身近な植物の常として、藤も一部で食用される事があります。山菜料理のような感覚で「藤の花の天ぷら」を食べる地域やお家があるそうです。

天ぷらの衣から透ける花の色が美しく、甘い香りも相まって春の楽しみ、という風に表現されていることもあり、注意したいポイントがあります。実はマメ科の植物は生で食べると下痢や嘔吐を起こす成分を含んでいる物があり、藤もその仲間です。

加熱する事で中毒の可能性は低くなりますが、多量に食べたり、「食べられる物」という認識で生のままサラダの彩りに使ったり砂糖漬けにしたり楽しむ事は避けましよう。
藤の香りを楽しみたい場合、希少な物ではありますが藤の花のはちみつがありますのでそちらで楽しんでみてもいいかもしれませんね。

藤の花ってどんな風に咲くの?

日本では「藤棚」と呼ばれるパーゴラ仕立ての栽培が主流です。紫の花が下がるようになって初めて藤の花の季節が来た事に気づく事も多いですよね。でも見逃しがちな藤の花のつぼみがどんな物かご存知でしょうか?

藤の花のつぼみは松ぼっくりを細長くしたような感じで、花が密集した状態になっています。それが育ってくると根本に近い所から花茎が伸びて次々に開花して行きます。藤は花の時期が長い種類が多いので4月下旬頃から6月頃まで見る事ができます。

藤は暮らしに役立つだけでなく、繁殖力が強く、美しい事から縁起物ともされていました。「藤原」を初め、姓にも多く使われている事からも日本人が好んだ花である事が伺いしれます。

神社仏閣にも藤が植えられている事がありますが、花盛りの時期がゴールデンウィークと重なる名所も多いのでお花見に足を伸ばしてはいかがでしょうか。花の色や種類によって時期が少しずつ違うのでお家の近くで花が楽しめるタイミングはいつか意識してチェックしてみるのも楽しいかもしれませんね。

記事/ケノコト編集部

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