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まめ知識 2019.05.01

農業に携わる人たちから大切にされていた『八十八夜』と『新茶』のコト

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「夏も近づく八十八夜~」「あれに見えるは茶摘みじゃないか~」――「八十八夜(はちじゅうはちや)」と言えば、思わず「茶摘み」の歌を口ずさんでしまいませんか。
普段はコーヒー党の方も、贈り物でいただいた新茶を丁寧に淹れて、お茶の香りを楽しんでいるかもしれませんね。今日はそんな八十八夜の意味や時期、また新茶についてもご紹介します。

八十八夜って何?

「八十八夜」は雑節と言われる季節区分のひとつ。立春から数えて88日目、2019年は5月2日になります。雑節は中国から伝わった二十四節気や五節句などと、実際の日本の季節感とのズレを補うために設けられた特定日のことです。他にも、節分・入梅・二百十日・土用などがあります。

八十八夜は、春から夏へと移り変わる節目の日。農業に従事する人が多かった昔の日本では、「夏の準備を始める目安」となっていたようです。5月に入ると間もなく立夏が訪れ、だいぶ暖かさが感じられるようになります。「八十八夜の別れ霜」という言葉があるように、霜による冷害の怖れも終わることから、種まきや田植えの準備、茶摘みなど、春の農作業の開始に適した季節だったからです。
とは言うものの、5月の初めにはふいに冷え込む夜があり、霜が降りると農作物が大変なことになります。くれぐれも油断をしないように戒める、「八十八夜の忘れ霜」という言葉もあります。

また、「八」「十」「八」の3文字を組み合わせると「米」という字になるため、農業に携わる人たちに大切にされたと言われています。いずれにしても、農業に密接に関係した言葉であることが伝わってきますね。

新茶は縁起物

茶摘みの歌に唄われるほど、お茶の葉に縁の深い八十八夜。良質な新茶が収穫できる時期とされています。八十八夜の頃に摘むお茶を「一番茶」や「初摘み茶」と言い、その年の最初の新芽のことを指しています。「新茶」としてお店で売っているのは、この一番茶のこと。旨味成分のテアニンが多く含まれる品質の高いお茶なので、高値がつきます。また、「末広がり」の八の字がふたつ重なった「八十八夜」は縁起が良い日と考えられ、初摘みの新茶を飲むと一年を災いがなく過ごせると言われています。

地域によって一番茶を摘む時期は少しずつ異なり、南の方が早く、平地よりも山間の地域が遅くなります。最も早いのは鹿児島県で、4月初旬から茶摘みが始まるそうです。お茶は、一番茶の後にも、二番茶、三番茶と何度か茶摘みをします。時期は、二番茶が6月~7月上旬、三番茶が7月下旬~8月になります。新茶が買える時期は、一番茶を摘む時期の少し後で、5月~7月くらいになります。この時期が煎茶の旬と言えますね。

八十八夜の新茶の贈り物


旬の飲み物であり、なおかつ縁起物でもある八十八夜に摘んだ新茶。贈り物にお勧めされることも多いことでしょう。香りが優しく、ほのかな甘みのある新茶の美味しさを十分に引き出すには、ちょっとした心遣いが必要なようです。新茶を美味しく淹れるには、約60度くらいのお湯で入れるのがベスト。熱湯で淹れると渋みが出てしまいます。また、急須の中で1分半ほど蒸してから、湯飲みに注ぐようにします。

時間に追われ忙しい毎日を過ごす人は、お茶を淹れることを手間に思い、ペットボトルのお茶を飲むことが多いかもしれませんね。忙しいからこそ、新茶を淹れ、香りや美味しさを楽しむとともに、豊かな時間を味わってみてはいかがでしょうか。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

 

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