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まめ知識 2019.04.26

旬素材『鰹(カツオ)』プレミアが付いた初鰹。縁起物をおいしく食べてみよう

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「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という有名な俳句は、江戸中期に山口素堂という人が詠んだ物です。江戸っ子が好んだ春から初夏の風物をまとめた句で、いつ誰が詠んだ物かは知らなくてもこの句は知っている、という方も多いのではないでしょうか。

初鰹ってどんな魚?

カツオは暖かい海を好む魚で太平洋側に生息しています。そのため地域によってはこの時期に「初鰹」とは目にしてもあまりピンと来ないかもしれません。現在では流通システムが発展し冷蔵技術が進化しているため、カツオが上がらない地域でも容易に初鰹を楽しむ事ができますが、子供の頃から「この季節はこれを食べる」という風習が根付いているのといないのとでは旬の物に対する心構えのような物が違う気がするのです。

春のカツオを「初鰹」と呼ぶのは年の始めに近い時期であるのと同時に、芽吹きの季節の春の終わり頃を旬としている事にもあります。秋の物は実りの季節で寒い冬を迎えるために色んな物が甘くなったり脂を蓄えたりします。カツオも同様で秋の物は「戻り鰹」と呼ばれます。
同じカツオでも春の味わいはスッキリとしてみずみずしいのに対して秋の物は「トロカツオ」と呼ばれる事もあるほど脂が乗って濃厚です。

江戸に代表される関東の文化は武家社会の影響が強かった事もあって、すっきりとして淡白な物が好まれる傾向がありました。そのため、味わいが軽やかで生命力あふれる季節のカツオの方を好み、いわゆる「走り」の物を「初鰹」と呼び、プレミア価格がついてまな板に小判が乗っている、と言われるほど価格が高騰したにも関わらず人気があったのだそうです。逆に商人の町であった大阪(上方)では安くておいしい戻り鰹が人気で江戸では「粋ではない」と見向きされなかったのと対象的だったようですよ。
とはいえ「初鰹」のようなシーズン始めに旬の物を食べると寿命が延びるという俗説が一般的な時代だった事もあったので縁起担ぎの意味合いも強かったのだとか。

ちなみに初鰹をもっとも珍重したのは江戸なのですが、カツオは回遊魚であるため、漁港によって若干「初鰹」とする時期が異なります。カツオの旬の中で一般的に4~6月頃が「初鰹」とされる理由の一つは漁獲高の大きい高知県が「初鰹」としているのがこの時期なのでそれを基準にされているそうです。

時代、地域によって様々なカツオの楽しみ方

高知ではカツオ料理も有名ですが、和食に欠かせない鰹節の製法を完成させたのも高知です。カツオは古くから日本人に食べられており、なんと飛鳥時代には干し魚の状態のカツオが朝廷への献上品とされていたそうです。ですが、今のようにおいしい出汁が取れる鰹節が完成したのはそのずっと後、江戸時代になってからです。

鰹節は燻製にして水分を飛ばし、コウジカビの仲間であるカツオブシカビによって残りの水分を飛ばし乾燥させる工程で味が良くなり長期保存に耐えられるようになります。よく鰹節に「枯れ節」という記載がありますがこれはカビ付けを複数回行った物の事を言います。カツオは高知で多く水揚げされても消費地が遠く、長持ちさせる工夫が生んだのが鰹節と言えます。

また、時代が進んで自動車による流通が始まった頃でも今ほど鮮度を保った輸送ができなかった頃、カツオは塩蔵した「塩カツオ」や鰹節の製作工程で作られる「なまり節」(蒸したりゆでたりしたカツオの身を一度だけ炙った物)がよく食べられていました。現在ではタタキに加工されたサク状の物や生の物の方が多く出回っているため、なまり節が手に入りにくい事もあります。なまり節はそのまま食べるより煮付けたり酢の物やサラダにしたりして食べることが多いのだとか。なまり節は、いわばツナ缶のツナに味つけせず、油やスープに浸かっていない物なので、生より日持ちする上に下ごしらえいらずで魚を食べる事ができる便利な素材です。

カツオといえばお刺身やタタキがおいしいのですがカレーやソテーのような洋食にもよく合います。血の味が生臭いと感じたらさっぱりして食べやすい初鰹のうちに、しっかりした味付けの洋食にしてみると旨味の深さに驚くかもしれませんよ。ぜひ試してみてくださいね。

記事/ケノコト編集部

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