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まめ知識 2019.04.28

もっと知りたい日本の郷土料理ー高知県ー『カツオの藁焼き』

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カツオの旬は春と秋の二階ありますが、4月~6月の春から初夏にかけて水揚げされる物が高知の「初鰹」となります。春のカツオは脂の多い秋の戻り鰹に比べるとさっぱりした味わいです。

皮ごと楽しむ魚「カツオ」

カツオは太平洋側に幾つか有名な漁場がありますが、高知県は県内でのカツオの消費量が日本一なのだそうです。カツオは旬とされる春と秋以外の季節でも獲れる魚ですが高知には色々なレシピでカツオが食べられています。中でも有名な物は「カツオのたたき」でしょうか。

カツオが「刺身」で食べられるようになったのは江戸時代頃からだそうです。とはいえ、現在でいう皮を引いた刺身ではなく皮がついたまま食べるたたきに近い形状だったようです。魚を生で食べる時、皮を取って刺身とする物が多いのですが、幾つかの魚は皮を付けたまま独特の風味が楽しめる物があります。
カツオもその一つで、特に皮の薄い初鰹を皮付きで刺身にした銀皮造りは皮目の独特の味わいが刺身と違った味わいで楽しめるとして人気です。

たたきは刺身の一種ですが、調理方法は「皮付きのまま表面を炙って冷やし、薬味と一緒に食べる」 というのが基本です。今では全国で食べられていますが別名が「土佐造り」ともいい、高知が発祥の食べ方であるのは間違いないようです。

どうして皮を付けたまま炙って食べるようになったのは諸説あり、鰹節を作る過程で残った部分を炙って食べたのが始まりとする説や寄生虫対策として炙るようになったとする説、高知藩主だった山内一豊が食中毒防止を理由に生食(刺身)を禁じたので表面だけを炙って「焼き魚」とした食べた、などバラエティに富んでいます。どの説が事実ではあるかともかく、どの話も「カツオが食べたい」という高知の人の切なる願いが伝わってくる気がしますね。

旨味がぎゅっと詰まった豪快な郷土料理

親しまれている調理法だけにたたきの方法にもバリエーションがあり、中には皮を引いたカツオ(初鰹や小さい皮の薄いものはそのまま)に強めに塩をかけてざっと炙っただけの「塩たたき」という食べ方もあります。これは藁などで炙って刻んだ薬味を添える一般的なたたきの製法より簡便なやり方ですがゆっくり調理できない船上の漁師さんのまかないにも向く方法と言えます。

炙って食べる刺身という意味では「藁焼き」と呼ばれる物も「たたき」の仲間ですが、あえて藁焼きと呼ばれる場合、造り手の味へのこだわりがみられます。「藁焼き」と呼ばれる物を出すお店での調理を見ると、「藁で炙る」と言ってもガス火で炙るのとは火力が全く違い、「藁を燃やす火柱の中で表面を焼く」という表現がぴったり来ます。

ガス火で炙るのと藁焼きにする事の違いは燃焼で起きる現象にあります。ガスの火は燃える時に二酸化炭素と水分が出来ますが藁はほぼ炭素のみで出来ているため燃える時に水分が出ないため、表面がカリッと焼き上がるのです。また、ガス火より強い火力で、短時間で焼き目が付くためカツオの肉汁が染み出る暇がなく表面が焼き固められるので旨味がぎゅっと凝縮した味わいになります。
もちろん、藁焼きの技法はカツオ以外もおいしく焼き上げてくれるので藁焼きのお店ではカツオ以外の物も藁で焼いて出してくれるメニューもあったりします。

古いコラムで日本の台所にガスコンロが普及していく中で、藁ではなくガスでたたきが作られる事が増えて味わいが変わってしまった、と書かれていたのを目にした事があります。現代ではさらにIH化でキッチンでは火その物が存在しないという事も珍しくない今、藁焼きで食べるカツオは火で食品を加熱するという、人間が人間となった原初の営みを見る事ができる貴重な機会のような気もします。
カツオのおいしい季節のうちにぜひ味わって欲しい大切な味です。

記事/ケノコト編集部

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