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まめ知識 2019.05.15

日本の言葉『風薫る』心地よい季節を肌で感じよう

「風薫る」は夏の季語でもあります。若葉の間を吹き抜けるような爽やかな風を美しく表現した言葉です。元は漢語に「薫風」という言葉があり、それが日本に入ってきて日本語に取り入れられて初夏の風景を表す言葉として親しまれるようになった物です。

最初は和歌に用いられ、「花の香りを運んでくる風」という風に使用されていたようですが「風薫る五月」という言い方のように現代では花盛りの頃合いより後の時期に使われる言葉として定着しています。

春先の嵐から心地よい晩春から初夏の風への変化。季節によって変わる風

風は、気圧の変化など大気の状態や海水の温度が組み合わさって起きる自然現象です。
風が発生する仕組みは空気の温度差による物で、空気は太陽によって暖められると膨張して高い位置へと上ろうとします。逆に冷えている空気は縮んで低い位置へと流れて行く性質があります。

冷たい空気が流れていく下に高気圧、高く上ろうと上昇する気流の下に低気圧が発生するのですが、温度が異なる空気はその温度差をなくそうとする働きがあり、気圧が高い側から低い位置に動くようになっています。この空気の移動する現象が「風」になるのです。

風には種類があります。「偏西風」という言葉を社会などの教科で教わりますが、これは地球の自転や温度差によって発生する物で西から東に向かって吹く風です。地球の規模で見れば日本全体の地域ではほぼ1年中吹く「恒常風」と呼ばれる物になります。
これに対して季節の変化につれて日本の地域ごとに異なるのが「季節風」です。

季節によって発生する自然現象はそれを愛でるために雅やかな名前が付く事もありますが、風の場合は注意を要する物として名付けられた物もあります。
季節風の名前で有名な物の一つにあるのが「春一番」です。これは冬から春への気圧の変化などで突風が起きる現象です。事故の原因ともなりえる現象として警戒される自然現象の一つで、元は漁師さんが「春一」と呼んでいたのが名前の元となっています。春先は数日単位で気圧が変動するため「春疾風(はるはやて)」や「春荒(しゅんこう)」、「春嵐」、などのように荒天をもたらす風の名前が意外にも多くあります。

【関連】日本の暮らしの言葉『春一番』思いがけない事故にも注意したい頃

それが、季節が夏に近づくにつれ「桜まじ」(桜が咲く頃に吹く暖かい南風。瀬戸内や広島で多く使われる)や「油風」(油を流したように静かな南風で晩春に吹く)というように穏やかな「春風」を示す言葉が増えてきます。

初夏から夏にかけては梅雨に向かって降雨量が増えるので「流し」と名前が付く季節風が増えます。「筍流し」や「「茅花流し(つばなながし)」という名前の風は湿度を含み、雨を伴う事が多い風です。季節風は地域によって吹く風の様子やタイミングが違いますので、聞いた事がない、という風の名前も多いかもしれませんね。

実在する緑の香り。心がやすらぐ「薫る風」

そんな中で「風薫る」は爽やかな初夏の季節のイメージが伝わる言葉として全国で広く使われています。元は花の香りを表す「薫る」という言葉ですが、初夏の風にも香りがあります。

植物の種類を問わず若葉や草の葉をちぎった時にはっきりとわかる「みどりの香り」は、なんと科学的に存在が証明されているのだとか。
これは「青葉アルコール」と「青葉アルデヒド」と呼ばれる成分が主体となっており、「青葉アルデヒド」は緑の葉のほとんどに含まれている物なのだそうですよ。この香りには人間をリラックスさせる効果がある事が実験で証明されているそうです。森林浴がストレスの緩和に良い、と言われますがウォーキングで体がほぐれる事の他にこの「みどりの香り」も人間にとって良い効果をもたらしてくれているのですね。

天気が良く、風が薫ると感じられる日はぜひ、お家を換気したり緑の風を感じられる場所を歩いてみたりして「風薫る」季節を感じて見て下さいね。

記事/ケノコト編集部

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